好ダッシュを決め後続を振り切る
成長著しい3歳馬が古馬を一蹴

　グランダム・ジャパン古馬シーズンは終盤戦。第7戦の秋桜賞が名古屋競馬場で行われた。読売レディス杯の1着から3着馬、大井のプリンセスバリュー、浦和のスターインパルス、高知のヤマニンミネルバが揃って参戦。さらに、兵庫サマークイーン賞の勝ち馬、高知のディアマルコと、最終戦を前に何としてもポイントを獲得したい他地区からの遠征馬が集結した。
　地元東海勢の期待馬は、JRAから転入後4戦4勝と底を見せていないポルタディソーニで宮下瞳騎手を背に重賞初挑戦。最終的には単勝3番人気（2番人気ディアマルコと同オッズ）となったが、直前まで単勝では1番人気に支持されていた。勝てば宮下騎手の復帰後初重賞制覇ということもあってか、地元ファンの想いもオッズに表れているようだった。
　逃げ馬が多く注目された先行争い。「ダッシュ力が全然違ったので楽にハナを切れました」（村上忍騎手）というスターインパルスが先手を奪った。プリンセスバリューが2番手、ポルタディソーニが促しながら3番手につけた。その後ろにディアマルコが追走し、人気馬が前の集団を占めた。
　3コーナーあたりでスターインパルスが後続を引き離しにかかり逃げ切り態勢。直線ではディアマルコが外からぐんぐんと追い上げたが半馬身及ばず、スターインパルスがそのまま押し切った。スタンドから大きな声援が送られたポルタディソーニは直線で失速し7着に敗れた。
　今年の浦和・桜花賞馬スターインパルスが、そのスピードを見せつけた。読売レディス杯では休み明けも影響しプリンセスバリューに敗れて2着だったが、一度使って状態も良くなっていたそうで、見事に前走のリベンジを果たした。陣営によると、桜花賞後の休養でかなりパワーアップしたとのことだ。2戦続けてコンビを組んだ村上騎手は「距離というよりも、逃げというこの仔の形で競馬ができるかどうかです」とコメント。レディスプレリュードJpnⅡに出走となれば、3歳馬の成長力と持ち味の先行力で、中央馬をアッといわせるシーンがあるかもしれない。
　昨年4着だったディアマルコは、今年はあと一歩の2着。永森大智騎手は「外から来られてひるんでしまい最初の追走に苦労しました。その分が最後に出てしまいましたね。距離も短かったです」と悔しそうに語った。那俄性哲也調教師からは「大井に行くとなると長距離輸送が心配ですが、行かないで諦めるよりチャンスがあるなら挑戦したいです」と力強い言葉が聞かれた。
　2着から4馬身離れたがプリンセスバリューが3着を確保した。「2番手でいいところにいるなと思いましたが、道中で脚を使ってしまった分、最後は苦しくなってしまいました。うまく流れにのれていたら…」と赤岡修次騎手。こちらも、次走はレディスプレリュードJpnⅡに向かう予定だ。
　グランダム・ジャパンのポイントは、プリンセスバリューが33ポイントで再び首位に立った。2位は北海道のジュエルクイーンで27ポイント。スターインパルスとディアマルコが24ポイントで3位タイという大混戦。勝負の行方は最終戦が終わるまでまったく分からなくなった。着順ポイントとエクストラポイントがどんな結果を生み出すのだろうか。古馬シーズン最終戦、レディスプレリュードJpnⅡは10月5日に大井競馬場で行われる。