地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で7年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2016(グランダム・ジャパン2016)」を実施します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
早めの進出で大接戦を制す
名調教師の有終を飾る勝利
グランダム・ジャパンのシリーズが始まったのが2010年。そこから6年間の留守杯日高賞は大挙して遠征する他地区勢が強さを見せつけるばかりだったのだが、今年は当初の発表で22頭のエントリーがあった他地区所属馬が次々と回避。最終的に残ったのは笠松のベッロポモドーロ1頭のみとなった。とはいえベッロポモドーロには遠征経験があり、ル・プランタン賞ですでにポイントを獲得、まだ3歳シーズン上位進出が可能な位置であり、ポイント加算を狙った意欲の遠征と映った。一方地元岩手勢8頭が迎え撃つという構図となり、トライアルあやめ賞を4馬身差で圧勝したディックカントウ、あやめ賞は2着ながら、グランダム・ジャパン2歳シーズンのプリンセスカップ(水沢)を勝っているサプライズハッピーの2頭がベッロポモドーロを上回る人気を集めた。そしてこのレースは岩手競馬で、JRA所属馬の出走しないレースで初めて『馬主服の使用が可能』となったケースであり、早くも4頭が馬主服で出走。コースにカメラを構えるファンが多いように感じられる中、レースが行われた。
この春の水沢コースはかなり時計がかかっており、また遠征のベッロポモドーロが後方から動くタイプであることから、1周目のスタンド前から逃げたスクリーンハッピーが絶妙のスローペース。9頭一団となる展開だったが、山本聡哉騎手のサプライズハッピーは、「ディックカントウを見る形で、自分で流れを作りたかった」といつもより前々の位置取りで徐々に進出。3コーナーでは逃げるスクリーンハッピーの2番手に上がっていた。
山本聡哉騎手
勝負どころで外を回りたくなかったのと、ディックカントウを見る形にして、自分で流れを作りたかった。外枠がうまくいく形になりました。(1600メートルは初勝利だが)あまり早く動くと最後止まってしまうが、なんとか頑張ってくれました。
櫻田康二調教師
良かったですね。春ひと叩きして良くなっていたし、細かった馬体が多少でもプラス体重になっていた。前走でもそれなりに駆けてくれていましたからね。
この流れに、馬群の真ん中で動くに動けなくなったのがディックカントウ。ようやく3コーナーで外に出しサプライズハッピーを追走開始。あやめ賞とは位置取りが逆になっていた。最終的にサプライズハッピーからチャイヨー、スクリーンハッピー、ディックカントウまでアタマ、ハナ、クビの大接戦。展開のアヤが微妙な着差に出たと思える結果となった。
このレースの出馬投票(21日)が終わってしばらくして、櫻田浩三調教師逝去の知らせが記者席にも届いた。競走成績の上では、引き継いだ櫻田康二調教師の名前が残るが、それまではサプライズハッピーとアクエルド(5着)は櫻田浩三厩舎の所属馬だった。山本聡哉騎手は「あまり乗れない頃から(レースに)乗せてもらえて、面倒を見てもらいました。今日のレースはこれまでと違う空気でした」と自身の気持ちを振り返った。毎年毎年、各世代に有力馬を送り出し、サプライズハッピーだけでなく、今も古馬ではナムラタイタンに挑み続けるコミュニティ(桐花賞、みちのく大賞典など優勝)も管理していた櫻田浩三調教師。自身の名勝負史の最終ページをサプライズハッピーが見事に飾ることとなった。
このレースの出馬投票(21日)が終わってしばらくして、櫻田浩三調教師逝去の知らせが記者席にも届いた。競走成績の上では、引き継いだ櫻田康二調教師の名前が残るが、それまではサプライズハッピーとアクエルド(5着)は櫻田浩三厩舎の所属馬だった。山本聡哉騎手は「あまり乗れない頃から(レースに)乗せてもらえて、面倒を見てもらいました。今日のレースはこれまでと違う空気でした」と自身の気持ちを振り返った。毎年毎年、各世代に有力馬を送り出し、サプライズハッピーだけでなく、今も古馬ではナムラタイタンに挑み続けるコミュニティ(桐花賞、みちのく大賞典など優勝)も管理していた櫻田浩三調教師。自身の名勝負史の最終ページをサプライズハッピーが見事に飾ることとなった。
取材・文:深田桂一
写真:佐藤到(いちかんぽ)
写真:佐藤到(いちかんぽ)