地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で7年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2016(グランダム・ジャパン2016)」を実施します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
内に包まれるも力強く抜け出す
重賞4連勝でまず牝馬の一冠奪取
日中の暖かさから一転、夕方になると冷たい風が吹いて気温が一気に下がり、まだまだ寒さが残る浦和競馬場。しかし、この日のメインレース、南関東牝馬クラシック一冠目『第62回桜花賞』を目当てに、場内は多くのファンで賑わっていた。そして、このレースを皮切りにグランダム・ジャパン2016の3歳シーズンがスタート。今年は他地区所属馬は登録のみで回避し、南関東所属馬11頭で争われた。一番の注目は、重賞3連勝中のモダンウーマンだ。北海道の名門・角川秀樹厩舎の実力馬として昨年のローレル賞を制した後、川崎・佐々木仁厩舎に移籍。その後、東京2歳優駿牝馬、前哨戦のユングフラウ賞をきっちりと勝ち、晴れの舞台に順調に駒を進めた。圧倒的な人気を集めるのは当然で、単勝は1.1倍。「プレッシャーしかなかったです」と山崎誠士騎手がコメントしたように、その人気からも陣営には相当な緊張感があったようだ。しかし、それを吹き飛ばすような走りを披露。見事に桜の女王の称号を手にした。
ゲートが開き先手を取ったのはオウカランブ。2番手にインカローズがつけ、モダンウーマンは内の3番手。外の好位をリンダリンダが追走していた。
リンダリンダの真島大輔騎手がモダンウーマンをマークしているのは明らかで、向正面から少しずつポジションを上げていき、モダンウーマンは3コーナーで内に包まれる形に。山崎騎手は、「真島騎手が、絶対外に出させない格好をしていたし、ペースも上げないようにしていた。これはまずい位置取りになったかな」と思ったそうだが、その後が冷静だった。「逃げ馬の騎手が左ムチに替えていたので前が開くことが分かっていました」と。
直線で先に先頭に立ったのはリンダリンダの方だったが、モダンウーマンは思惑通り空いた内を突いて抜け出した。そしてリンダリンダにすぐに並びかけると追い比べを制し、最後は1馬身離して優勝。3馬身差の3着には中団から押し上げたタケショウメーカーが入った。
「並んだら勝てると思っていました」という山崎騎手、「馬はとても仕上がっていたし、文句のない競馬だった」というリンダリンダの真島騎手の話からも、モダンウーマンの一枚抜けた強さが伺えた。
これで通算10戦7勝(連対率10割)、重賞は4連勝で6勝目を飾り、また、ユングフラウ賞(重賞格上げ後)の優勝馬は桜花賞で一度も勝っていないというデータをも覆したモダンウーマン。「素晴らしい競馬センス」「課題らしい課題はない」「勝負根性がすごい」。これまでの取材でこのような言葉を陣営から何度も聞いた。一体どれだけの力を秘めているのか、これからどんな成長を見せてくれるのか、未知の魅力に溢れている馬だ。陣営によると、これから距離が伸びてどうなのかがポイントになってくるとのこと。
気になる次走についてだが、現段階では東京プリンセス賞と羽田盃の両にらみだそうだ。山崎騎手に聞くと「京浜盃のレースを見る限り、牡馬相手でもチャンスはある」という言葉が返ってきた。モダンウーマンの動向がこの後のクラシック戦線の鍵を握っているといっていいだろう。陣営がどちらを選択するのか注目だ。
山崎誠士騎手
今日は今までで一番厳しい展開でした。スタートが良ければもう少し前でとは思っていましたが、それなりだったのであの展開に。直線は力があるから抜けてくれました。馬の闘志が凄かったですね。折り合いはつくし、内容的には大丈夫そうですが、距離については少し不安なところはあります。
佐々木仁調教師
転入が決まった時から桜花賞を絶対勝ちたいと思っていたので本当に良かったです。今回も不安なく出走させることができました。直線出られるかなと心配しましたが、力があるから抜け出せました。良い勝負根性です。普段はとても大人しいので変わり身を見せませんが体調が良くなっていたのは確かです。