好位追走から直線突き抜ける
右回りを狙っての遠征で快勝

　グランダム・ジャパン3歳シーズンの第2戦、若草賞には、同3歳シーズンの第1戦であり、南関東牝馬の一冠目でもあった浦和・桜花賞に出走が叶わなかった2頭が遠征。ほかにも兵庫、高知、佐賀から各1頭が、3歳女王の座を目指して遠征してきた。
　人気は、地元のホウライマリーン、船橋のクラトイトイトイ、浦和のハッチャンハッピーが単勝3倍台で拮抗。メンバー中唯一重賞勝ちのある兵庫のスマイルプロバイドが単勝5.6倍で続き、人気的にはこの4頭の争いかに思われた。
　この日の名古屋競馬場はパサパサに乾いた馬場で、それまでのレースでは逃げ切りか、2番手から直線抜け出しという決着が目立っていた。ハナを主張したいメンバーが揃った若草賞は、果たして大外枠から地元のホウライマリーンが譲らない構えで先手を主張すると、同じく地元のケイティマーヤが2番手で、佐賀のロナウドチョップ、クラトイトイトイ、スマイルプロバイドらの遠征勢が続いた。
　3コーナーからの勝負どころで前をとらえにかかったのは、クラトイトイトイとスマイルプロバイド。逃げていたホウライマリーンを直線でまずとらえたのがクラトイトイトイで、そのまま突き放すとゴール前では手綱を緩める余裕のゴールとなった。
　スマイルプロバイドが2着に粘り込もうとするところ、道中は中団追走からメンバー中最速の上り3ハロン39秒3の末脚を発揮したディアマルコがとらえて3馬身差の2着。スマイルプロバイドは1馬身半差の3着。地元期待のホウライマリーンはさすがに飛ばしすぎたようで直線失速して5着。人気の一角、ハッチャンハッピーは後方まま見せ場をつくれず6着。「内枠（1番枠）がどうかなあ」と、レース前から水野貴史調教師が心配していたとおり、「砂を気にしていた上に、1コーナーでトモを滑らせてついていけなかった」（吉原寛人騎手）とレースにならなかった。
　勝ったクラトイトイトイは、2走前の浦和・ユングフラウ賞で12着。矢野義幸調教師によると、「左回りはほとんどうまく走れないんです。これでは競馬にならないと思って、右回りのここを選びました」とのこと。以前は逃げて結果を残していたが、今回は前が飛ばしていたぶん、好位に控える競馬がぴたりとはまった。