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第48回 2012年7月20日 モナクカバキチ
引退馬などのその後を、愛あふれる文章で伝える『続・気になるあの馬』。今回は特別編として現役馬を紹介。7月14日(土)に地方競馬平地最多勝の新記録となる、55勝目を挙げた福山のモナクカバキチ。現地で記録達成の瞬間を見届けた筆者が、感動と興奮とともにお伝えします。(編集部)
福山競馬場に所属しているアラブのモナクカバキチの存在を私が知ったのは、高知のエスケープハッチ(アラブ、08年2月引退)が達成した地方競馬平地最多勝記録54勝に並んだ頃だったように思います。
ここまで長きに渡って勝ち星を重ね、『中年の星』と異名がついている今年13歳になるモナクカバキチとは一体どんな馬なんだろう?ぜひ一度会ってみたいと思い続け念願が叶いました。
7月14日、福山競馬場1レースのオープニングとく戦(1250m、不良)に登場したモナクカバキチ。早い時間帯のレースにもかかわらず、パドックにはカメラを持ったファンや報道陣などが集っていました。『福山の誇り』と書かれた横断幕がはられ、『いつも元気をありがとう』とメッセージを綴った手作りうちわを掲げる女性ファンもいて、モナクカバキチへの愛があふれていました。
自分より年齢が半分以上も若い馬たちとのレースでしたが、気合い乗りやギラギラした雰囲気はナンバー1だったように思います。すでに200戦以上も走っているのに……。人間に例えれば50代と言われていて、『ものすごく元気なおじちゃん』と言ったところでしょうか。
スタートで遅れるときもあるということでしたが、この日は好スタートを切って道中3番手から追走。3~4コーナーでは前2頭との差が一瞬広がりましたが、最後の直線に入ると一完歩ずつ詰め寄っていき、ゴール直前に前にいた馬をクビ差交わし切りました。
ついに、地方競馬平地最多勝記録55勝目を達成。最後に勝ってから21戦目、約1年の月日が流れていました。ファンや関係者からも温かい歓声と拍手が送られる中、泥んこになって引き上げてきたモナクカバキチはまだまだ走り足りないくらいに元気いっぱい。
「アラブは一般的に丈夫ですが、この馬はスピードがあるぶん故障をしやすいところもありましたが、年齢を重ねても頑張れるんですね。まだ本馬場入場のときも暴れたり、返し馬でも自分で行きたがったりして、年齢の割に元気があって激しさのある馬です。乗ったときの反動や背中の力の入れ方などを考えたら、まだ5、6歳でもいけるくらい年齢を感じさせません」とコンビを組む岡崎準騎手。
01年10月に福山競馬場でデビューしたモナクカバキチは、佐賀や金沢、名古屋、荒尾にも移籍していた時期もありました。55勝の中には3つの重賞レースも含まれていて、立派なタイトルホルダーです。
「この馬は怪我があったり長い休養期間もあったり、いろんな困難を乗り越えて今がある馬なんです。年を取っているのに若い馬に勝ったことがすごいのではなくて、この年齢まで戦えるようにみんなで努力をして人馬ともに頑張ってきたその過程がすごいです。福山競馬のアラブももう4頭になったんですが、そういう意味でも福山競馬の宝でもあり競馬界全体の宝。これからもファンや競馬にかかわる人たちの勇気になって欲しいです」と、この一年間モナクカバキチのレースを実況してきた西田茂弘アナウンサーは言っていました。
モナクカバキチが最後の最後まであきらめずに一生懸命走り抜いた姿、これからも忘れません。どの『1勝』も、重いです。
現在は南関東競馬を中心に活動中。
・南関魂
・TCKホームページ重賞競走
・楽天競馬
・競馬総合チャンネル地方コース
・ウェブハロン
・船橋競馬を愛する100人の会
福山競馬場に所属しているアラブのモナクカバキチの存在を私が知ったのは、高知のエスケープハッチ(アラブ、08年2月引退)が達成した地方競馬平地最多勝記録54勝に並んだ頃だったように思います。
ここまで長きに渡って勝ち星を重ね、『中年の星』と異名がついている今年13歳になるモナクカバキチとは一体どんな馬なんだろう?ぜひ一度会ってみたいと思い続け念願が叶いました。
7月14日、福山競馬場1レースのオープニングとく戦(1250m、不良)に登場したモナクカバキチ。早い時間帯のレースにもかかわらず、パドックにはカメラを持ったファンや報道陣などが集っていました。『福山の誇り』と書かれた横断幕がはられ、『いつも元気をありがとう』とメッセージを綴った手作りうちわを掲げる女性ファンもいて、モナクカバキチへの愛があふれていました。
自分より年齢が半分以上も若い馬たちとのレースでしたが、気合い乗りやギラギラした雰囲気はナンバー1だったように思います。すでに200戦以上も走っているのに……。人間に例えれば50代と言われていて、『ものすごく元気なおじちゃん』と言ったところでしょうか。
スタートで遅れるときもあるということでしたが、この日は好スタートを切って道中3番手から追走。3~4コーナーでは前2頭との差が一瞬広がりましたが、最後の直線に入ると一完歩ずつ詰め寄っていき、ゴール直前に前にいた馬をクビ差交わし切りました。
ついに、地方競馬平地最多勝記録55勝目を達成。最後に勝ってから21戦目、約1年の月日が流れていました。ファンや関係者からも温かい歓声と拍手が送られる中、泥んこになって引き上げてきたモナクカバキチはまだまだ走り足りないくらいに元気いっぱい。
「アラブは一般的に丈夫ですが、この馬はスピードがあるぶん故障をしやすいところもありましたが、年齢を重ねても頑張れるんですね。まだ本馬場入場のときも暴れたり、返し馬でも自分で行きたがったりして、年齢の割に元気があって激しさのある馬です。乗ったときの反動や背中の力の入れ方などを考えたら、まだ5、6歳でもいけるくらい年齢を感じさせません」とコンビを組む岡崎準騎手。
01年10月に福山競馬場でデビューしたモナクカバキチは、佐賀や金沢、名古屋、荒尾にも移籍していた時期もありました。55勝の中には3つの重賞レースも含まれていて、立派なタイトルホルダーです。
「この馬は怪我があったり長い休養期間もあったり、いろんな困難を乗り越えて今がある馬なんです。年を取っているのに若い馬に勝ったことがすごいのではなくて、この年齢まで戦えるようにみんなで努力をして人馬ともに頑張ってきたその過程がすごいです。福山競馬のアラブももう4頭になったんですが、そういう意味でも福山競馬の宝でもあり競馬界全体の宝。これからもファンや競馬にかかわる人たちの勇気になって欲しいです」と、この一年間モナクカバキチのレースを実況してきた西田茂弘アナウンサーは言っていました。
モナクカバキチが最後の最後まであきらめずに一生懸命走り抜いた姿、これからも忘れません。どの『1勝』も、重いです。
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に活動中。
・南関魂
・TCKホームページ重賞競走
・楽天競馬
・競馬総合チャンネル地方コース
・ウェブハロン
・船橋競馬を愛する100人の会