グランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズンはここ2年同様に佐賀ヴィーナスカップがシーズン開幕戦だが、施行時期が前年より2週間早まった。しかし、これ以外の各レースは大きな日程の変動はなく、10月8日のレディスプレリュードJpnⅡ(大井)までの全9戦が約4カ月半で争われることとなる。
佐賀にはA級で牡馬と互角に戦っている牝馬は少なく、そのうちの1頭のハッピーハッピーはこのレースの連覇を狙って参戦した一方で、昨年の佐賀3歳三冠馬スーパージンガは春にホッカイドウ競馬へ転出し不在となってしまった。しかし、佐賀転入初戦から9連勝と、昨年のハッピーハッピーを彷彿とさせる成績のジャングルキッドがA2級へ昇級してここへ参戦。地元の期待はこの2頭となった。
他地区からは昨年のGDJ古馬シーズンで読売レディス杯(金沢)、秋桜賞(名古屋)を勝利し、総合2位のジェッシージェニー(大井)や、昨年高知で高知優駿など重賞3勝し、大井移籍3戦目のナンヨーオボロヅキ、遠征経験が豊富なスターレーン(兵庫)など、大井2頭、兵庫2頭、笠松1頭が参戦。単勝人気では1番人気は地元のハッピーハッピー(2.3倍)だが、4番人気ナンヨーオボロヅキ(5.9倍)までさほど差はなく、戦前の評価は上位混戦模様を呈していた。
1つ前のレースの発走が大きく遅れた影響で、パドックでは騎手騎乗後の周回が短縮され、馬場入場は発売締切直前という慌ただしい雰囲気でレースを迎えたが、ゲート入りは滞りなく完了。揃ったスタートからエリザベスセーラ(佐賀)がハナを奪うと2番手にナンヨーオボロヅキ。ハッピーハッピーは中団に付け、その後ろにジェッシージェニーという隊列となった。
向正面に入るとジェッシージェニーが徐々に位置を上げて行き、ナンヨーオボロヅキが4コーナーで先頭を奪った頃には2番手まで浮上。直線はこの両馬の争いとなったが、ジェッシージェニーが2馬身抜け出して勝利。ナンヨーオボロヅキが2着を確保し、そこからクビ差でヴィクトアリー(笠松)と、上位3頭は遠征馬が独占。一方、ハッピーハッピーは7着、ジャングルキッドは10着と見せ場を作れずに敗退となった。
ジェッシージェニーはここが重賞3勝目となったが、その3勝はいずれもGDJの遠征競馬でのもの。輸送の影響が大きいタイプとのことで、今回は前走からマイナス18キロと大きく馬体を減らしていたが、その前走の緑風賞(大井、8着)は昨年末からの休み明けでプラス23キロだっただけに、むしろ絞れて好結果につながったのだろう。他地区優勝15ポイントを獲得と最高の滑り出しとなった。
GDJ古馬シーズンはこの後やや間隔が空いて、第2戦はスパーキングレディーカップJpnⅢ(7月15日、川崎)だが、7月に行われる3戦は中旬から下旬に集中しており、連戦は厳しいスケジュール。各陣営のレース選択に注目が集まるところだ。
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真島正徳 騎手
輸送の影響は全然ない感じでした。乗り方の指示はありませんでしたが、ゲートで一歩めを躓いたりするのでそれだけは用心しておいて、と聞いていました。素直で走り方もいいし、順調に行ったら(GDJで)いい勝負できると思うので、頑張ってくれたらと思います。