グランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズンは桜花賞(浦和)、若草賞(名古屋)を終え、ル・プランタン賞が3戦目。しかし、他地区選定馬のうち若草賞に出走していた2頭などが回避し、佐賀6頭、兵庫4頭、高知1頭の出走全馬がシーズン初参戦の顔ぶれとなった。
その中でも俄然注目を集めたのが佐賀のミスカゴシマ。5月のデビュー以来、JRA小倉と金沢への遠征で敗れたものの、地元では8戦全勝と佐賀3歳世代トップを盤石なものにしている。前走の飛燕賞では「気合乗りも良くなかったですし、佐賀では楽なレースばかり続いていたため、レースをナメているような面が出ていて、4コーナーで1度交わされるまでスイッチが入っていかなかった」(石川慎将騎手)と、一瞬ヒヤリとするシーンもあったが、今回の出走馬の中では他地区勢を含めて唯一の重賞勝ち馬ということもあり、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に推されての一戦となった。
スタートから抜け出したのはミスカゴシマとキタカラキタムスメの佐賀勢2頭。ミスカゴシマがハナを奪い、キタカラキタムスメが外を併走したが、激しく競り合うところまではいかず落ち着いた流れとなった。
キタカラキタムスメは飛燕賞でもミスカゴシマの外の2番手を追走し健闘していたが、今回は向正面で後退。変わってトップレベルが2番手に浮上してきたが、ミスカゴシマに馬体を併せるところまで持ち込むことはできなかった。
ミスカゴシマは3コーナーから危なげなく後続との差を広げていき、2着に6馬身差を付けての圧勝。一方、2着争いは単独2番手のトップレベルに直線で内からコエミ、外からカトゥールの兵庫勢2頭が猛追。コエミとトップレベルが2着同着。アタマ差4着にカトゥールの激戦となった。
GDJのポイント争いはここまでの3戦それぞれの勝ち馬アクアリーブル(桜花賞)、ステラモナーク(若草賞)、ミスカゴシマが自地区10ポイントを獲得。複数のレースに出走した馬もおらず、上位は横一線状態だけに、今回掲示板内に進出した兵庫の3頭(他地区ポイント獲得)らにも今後十分チャンスがありそう。
ミスカゴシマは今回は実力を遺憾なく発揮し、重賞4勝目を挙げたが、今後はGDJ路線には向かわず、佐賀皐月賞から九州ダービー栄城賞の佐賀3歳の春二冠を目指すとのこと。昨年のル・プランタン賞を勝ったスーパージンガも、春の二冠とロータスクラウン賞を勝利して佐賀3歳三冠を達成した。佐賀3歳世代の現状からすると、同馬に続きミスカゴシマが三冠馬となる可能性は相当に高そうだ。
Comment
石川慎将 騎手
(展開の)選択肢は多かったですが、いつも通りの逃げでした。次から次に(他馬が)来る想定もしていたので、どの馬を気にするということはありませんでした。強い馬なので、みんな目標にしてくると思うんで、それに負けないように頑張りたいです。
平山宏秀 調教師
前回がちょっと可愛がりすぎたので、今回は(追い切りを)一本キツめに行ったら期待どおりの走りだったです。この後は佐賀皐月賞、九州ダービー栄城賞です。佐賀にミスカゴシマという強い馬がいるんだというところを皆に見せたいですね。