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グランダム・ジャパン2020

地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で11年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2020(グランダム・ジャパン2020)」を実施します。

全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。

地方競馬を代表する名牝「ロジータ号」の再来を願い、GRANDAME-JAPANに託された合言葉は「ロジータふたたび。」競走馬として、やがては母として、競馬の楽しみをより奥深いものとしてくれる牝馬たちの活躍に、是非ご声援をお願いします。

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3歳シーズン レーススケジュール

レース名 実施日 競馬場 距離 地区
桜花賞 3/25(水) 浦和 1,600m 南関東
若草賞 3/26(木) 名古屋 1,400m 北陸・東海・近畿
ル・プランタン賞 4/5(日) 佐賀 1,800m 九州
東海クイーンカップ 4/21(火) 名古屋 1,800m 北陸・東海・近畿
留守杯日高賞 4/26(日) 水沢 1,600m 東北
東京プリンセス賞 4/28(火) 大井 1,800m 南関東
のじぎく賞 5/14(木) 園田 1,700m 北陸・東海・近畿
関東オークス JpnⅡ 6/10(水) 川崎 2,100m 南関東
  • 第18回
  • 若草賞

3.26 (木) 名古屋 1,400m

段違いのスピードで逃げ切る
 断然人気にこたえ重賞3連勝

前日の桜花賞(浦和)に続いて2日連続でのグランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズン。第2戦となる若草賞には南関東から3頭、兵庫1頭、地元・東海勢8頭の12頭が揃った。GDJは回を重ねるごとに南関東から有力馬の参戦が増加傾向で、2歳時にフローラルカップと金沢シンデレラカップを制覇したミステリーベルン(川崎)、栄冠賞を制覇したバブルガムダンサー(船橋)、そしてポピュラーソング(船橋)は前走・ユングフラウ賞3着で桜花賞への優先出走権を手にしながら、名古屋遠征を決めた。しかし残念なのは、新型コロナウイルスの影響で引き続きの無観客競馬に加え、ポピュラーソングに騎乗予定の笹川翼騎手が遠征を自粛し、戸部尚実騎手に乗替わったこと。諸外国でレースの開催中止が続発する中において、なんとかレース開催を維持しようと努力が伝わってくる。

単勝1番人気はステラモナーク(兵庫)で1.3倍と抜けた存在。逃げの手を打つようになってから強さは際立っており、重賞2勝を含む3連勝中。前走の園田ユースカップにいたっては稍重の1400メートルを1分27秒2と、3歳牝馬としては破格のタイムで勝っており、ここもハナを奪うと怖い存在だ。しかし、下原理騎手はレース前、「南関東の馬も速そうですよね」と最内枠のポピュラーソングを警戒した。

ゲートが開くとその予感はズバリ的中で、ポピュラーソングが抜群のスタート。ステラモナークは1歩目こそヒケを取ったが、下原騎手が出ムチを入れて先手を取る構えを見せると、それに応えて馬もダッシュを利かせてハナに立った。ポピュラーソングは「相手が行けば2番手外に切り替えるという指示通り」(戸部騎手)の展開で、中団のインにバブルガムダンサー、その外にミステリーベルンと続いた。

3コーナー手前から進出したミステリーベルンが「休み明けのぶんも多少ありましたが、しまいはしっかり使っています」(岡部誠騎手)と先頭との差を詰めにかかったが、軽快に逃げたステラモナークは直線に入ってさらに後続を突き放し、6馬身差で重賞3連勝を決めた。3着には「まだ本調子手前」(佐藤友則騎手)というバブルガムダンサーだった。

ステラモナークは前週の追い切りで「動きに重さがありました」と跨った新子雅司調教師。しかし、「これくらいでいいかな」と、いい意味での余裕残しが初輸送ながらレース前の落ち着きにつながった模様。「返し馬後にキョロキョロしてはいましたけど、落ち着いていました」と下原騎手も話す。

スピードで押し切るタイプなだけに、気になるのは距離が延びてどうかだが、新子調教師は「今日のレースぶりなら、1800メートルでも折り合いがつくのではないでしょうか」と見通しを立てた。次走は地元・園田の菊水賞(4月16日、1700メートル)や再び名古屋でGDJ・東海クイーンカップ(4月21日、1800メートル)などいくつか候補があるが、「まずはオーナーと相談してから」と新子調教師。それによって、さらにその先の大目標も決まっていくことだろう。

  • 取材・文
  • 大恵陽子
  • 写真
  • 岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

下原理 騎手

いつもに比べて1歩目は思ったよりキレませんでしたが、気合いを入れたら二の脚がついて安心しました。逃げられれば、いい勝負になるだろうと思っていました。直線はビジョンを見る余裕もあって、後続馬の脚音も聞こえませんでした。テンの速さもしまいも、ますますしっかりしてきて成長を感じます。

新子雅司 調教師

行き脚が鈍かったのは、動きに重さを残した仕上げだったからでしょうが、勝ち時計は速かったですね。成長を感じますし、今日のパドックで「大丈夫かな?」と思うほど大人しい姿を見て、この馬のスイッチの入れ方がだいぶ分かってきました。それによって気合いが2~3段階上がっていくと思います。