ウェブハロン

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地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!

2020年9月10日(木)

第108回 浦和競馬場「辰巳屋」
黄色いカレーライス+コロッケ(600円+120円)

8月の浦和競馬は、事前応募で「最大331名まで指定席限定」という形で有観客開催を実施。それに応募したら偶然にも当選してしまいました。

競馬場で馬券を買って楽しむのは久しぶり。取材では何回か競馬場に行っていますが、今回は完全にフリーですからね。せっかくの指定席だし、早い時間から行かなくちゃ。

と張り切って突撃したので、競馬場に入ったのは午前11時。となれば、お昼は売店で買わないと。

しかしながら入場人数が少ないので、オープンしているのは2つのスタンドで各1か所と、売店街の1か所だけでした。

でも無観客開催が始まってからは、売店のみなさんは収入ゼロ。今回の「有観客」で店を開けてくれただけでもありがたいことです。

という感謝の気持ちも込めて利用させていただきましょう。浦和といえば「黄色いカレー」でしょ!

その名物は、無事に復活していました。ついでにコロッケものせてもらいましょう。それを受け取ったらけっこうな重量感!

そういえば、黄色いカレーを食べたことって、番組の撮影以外であったっけ。カレー蕎麦は平屋の発売所にあった里見食堂で何回か食べた記憶があるけれど。

あれ、そういえばこの店は「里見食堂」ではないの?

と思ったので、お店のおねえさまに聞いてみたら、

「中身は同じですよ。里見食堂とは、いとこ同士」

なのだそう。

「うちの祖父の会社が、ここの建設にかかわったんです(昭和22年着工)。そこが始まりなので、この店も創業してからかなりの年数。私も長いこと浦和競馬場の姿を見てきました。騒乱事件を経験しているくらいですから(笑)」

だからこその看板食堂なのですが、南関東は2月27日の大井競馬から無観客開催が始まったので、浦和の場外発売も中止。ということで、5か月半もの間「ずっと家にいた」そうです。

そして今回の限定的な有観客開催で久々の開店。入場者数が少ないので用意する商品は「最小限」とのことですが、カレーは作ることにしたそうです。このカレー、もうひとつの辰巳屋さんによると、

「ウチの伝統的なもの。私はこれしか知らないで育ったから、初めて外でカレーライスを食べたとき『なに、この黒いの!』ってビックリしましたよ」

という家庭の味。逆に言うと、カレールーや業務用食材を使わないカレーライスって、インド・ネパール料理店くらいでしかお目にかかれないのでは?

その“浦和競馬場名物”が、これからも作り継がれていきますように。その応援に少しでもつながるように、これからも注文させていただこうと思います。

浅野靖典(あさのやすのり)

競馬キャスター・ライターとして活動中。JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、

  • 競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
  • POGの達人
  • JRAホームページ
  • 週刊プレイボーイ
  • WEBハロン

などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。
その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。