2020年4月10日(金)
第103回 盛岡競馬場「元祖ジャンボ焼き鳥・鳥喜」
ジャンボ焼き鳥・梅ちゃん(500円)
無観客での開催が続いているため、場内の食堂や売店も閉店中。競馬場だけで営業していたお店は、当然のことながら「売上ゼロ」となります。個人的にはそういったお店が、場内にファンが入れるようになったときに再び店を開けてくれるのかどうか。それを心配しております。
盛岡競馬場の「ジャンボ焼き鳥」のお店も同様で、2月29日から“営業しても意味がない”状態が続いています。
「実際のところ、先が見えないですから精神的にキツイですね」と、ジャンボ焼き鳥を作る職人、喜良彦さん。ジャンボ焼き鳥を盛岡競馬場の名物に育て上げた人ですが、コンロで煙に巻かれない日々が続いています。
もともと冬場は岩手競馬がお休みなので、季節によって売上の上下幅が大きいのがこのお店の特徴。ですからこの時期に「新メニュー」を開発することが定番。私が訪問した1月中旬も声がかかりました。
「新しいメニューを作ったので食べてみてくださいよ」
そのメニューが「ジャンボ焼き鳥・梅ちゃん」。焼き上がった姿を見ると、鳥の皮の上に梅ジャムがたくさん載っているではないですか!
焼き鳥といえば、タレか塩。すっぱいものとの組み合わせなんて、見たことも試したこともないですよ!
と思いながら席に持って行き、半信半疑で食べてみると、鳥の脂の粘っこさが梅で中和される感じ。意外と合うじゃないですか。
その反応に自信満々の表情で「いい感じでしょ」と、良彦さん。
「ついでにこの冬から『当たりが出たらもう1本』を復活させたんですよ」
1本でもけっこうなボリュームがあるのに!?
でも当たったらお土産にすればいいんですよね。ちなみにワタクシ、盛岡競馬場で買ったジャンボ焼き鳥を、翌日に名古屋競馬場で食べたことがあります(笑)。
ということを思い出していたら、同行者から「うわ、当たりが出た!」という声が!
このときすでに、全員が1本をいただいている状況。でもせっかくなので、もう1本いただいておきました。ごちそうさまです!
しかしながらこれから先、書き入れ時の大型連休時も営業できない可能性が高いんですよね。
「だから、じっとしていてもしょうがないので、ジャンボ焼き鳥を通信販売しようと準備しているんです。無観客がまだまだ続くようだったら、中継の画面にウチの煙が映り込むくらい、たくさん焼けるように頑張りますよ」
とのことでした。
競馬場内の飲食店にとっては厳しい状況が続きますが、私もひとりの競馬ファンとして応援したいもの。そして遠くない時期に、盛岡競馬場の屋台村に賑わいが戻ることを祈っています!
※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。
その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。