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グランダム・ジャパン2019

地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で10年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2019(グランダム・ジャパン2019)」を実施します。

全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。

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3歳シーズン レーススケジュール

レース名 実施日 競馬場 距離 地区
桜花賞 3.27(水) 浦和 1,600m 南関東
若草賞 3.28(木) 名古屋 1,400m 北陸・東海・近畿
ル・プランタン賞 4.7(日) 佐賀 1,800m 九州
東海クイーンカップ 4.16(火) 名古屋 1,800m 北陸・東海・近畿
東京プリンセス賞 4.23(火) 大井 1,800m 南関東
留守杯日高賞 4.29(祝月) 水沢 1,600m 東北
のじぎく賞 5.16(木) 園田 1,700m 北陸・東海・近畿
関東オークス JpnⅡ 6.12(水) 川崎 2,100m 南関東
  • 第19回
  • 留守杯日高賞

4.29 (祝月) 水沢 1,600m

枠順を生かしての逃げ切り
 9馬身差圧勝で初タイトル

グランダム・ジャパンが始まった2010年から全国交流となった、この留守杯日高賞。岩手競馬は冬期休催が明けてまだ約1カ月という時期でもあり、その過去9年で地元勢はわずか2勝と苦戦。今年の地元勢では、あやめ賞を制して期待の1頭となるはずだったエムワンピーコが、減った馬体重が戻らないとのことで回避。遠征は南関東からの2頭のみで、やや寂しい8頭立てとなった。

スタートで人気を集めた2頭の明暗が分かれた。スタートしてすぐに4コーナーとなる水沢1600メートル戦では有利な最内枠に入った川崎のグローリアスライブは、互角のスタートから直線を向くとすんなりと先頭へ。「1枠で、少し押し気味で行ったらハナをとれそうだったので、意識していたわけではないですが、自然な流れでハナに立ちました」と村上忍騎手。

一方、あやめ賞で惜しくもクビ差2着だったボルドープラージュはダッシュがつかず。8頭立ての7番枠ゆえ一旦外に持ち出し、最初の4コーナーではほとんど最後方という位置取りになってしまった。「砂を入れ替えてから1600メートルのスタートは特に滑るようになって出遅れました」と山本聡哉騎手。それでもスタンド前の直線で徐々に位置取りを上げ、1、2コーナーを回るところでは3番手の外まで進出した。

向正面では前で5頭が一団。そこから2頭が脱落し、3コーナーからは人気上位3頭の争いとなった。

そして4コーナー。ボルドープラージュが、先頭のグローリアスライブをとらえにかかったが、そこまで。直線、グローリアスライブはみるみる差を広げて圧勝。ボルドープラージュは9馬身差の2着。1馬身半差で3着に浦和のボルドーシエルが入り、3着まで人気順の決着となった。

勝ったグローリアスライブは、デビューした門別では牡馬相手の2歳重賞で4着が2度。川崎移籍後、南関東では3歳特別戦を中心に5戦してすべて3着以内に好走しているものの、勝ち星はひとつだけ。「川崎でも1600メートルを走っていて、道営で右回りを経験していますので、たぶん(水沢1600メートルも)合うのではないかと話し合って決めました」と高月賢一調教師。相手関係にも恵まれ、そのプランが見事に当たった。高月調教師は2012年のこのレースでもミスシナノに初タイトルをもたらしており、その経験も生きたのだろう。

グランダム・ジャパン3歳シーズンも残すところあと2戦。他地区1着で15ポイントを獲得したグローリアスライブは、トップのゴールドリングと5ポイント差で3位につけた。高月調教師は「園田(5月16日・のじぎく賞)も考えたんですが、間隔もなく、細い馬ですので少し楽をさせてあげようかと思っています。関東オークスには出走する予定です」とのこと。

最終戦の関東オークスJpnⅡは過去5年、いずれの年も地方馬が2着か3着(もしくはその両方)に入っており、地方馬でも上位を狙えるレース。グランダム・ジャパン最終戦のエクストラポイントも考えると、次ののじぎく賞までに少しでもポイントを稼いでおけば、まだまだ多くの馬に3歳女王の座を狙えるチャンスがありそうだ。

  • 取材・文
  • 斎藤修
  • 写真
  • 佐藤到(いちかんぽ)

Comment

村上忍 騎手

遊ぶところがあると聞いていたので、気を緩めずにコーナーリングできれば、いい競馬をしてくれると思っていました。直線は必ず伸びると言われていたので、あまり緩めすぎないように、そこだけは気を付けました。3〜4コーナーで並ばれかけた時に、馬を遊ばせないで直線を向けたのがよかったと思います。

高月賢一 調教師

移籍して最初のころはあまり走る気がなくて、特にコーナーで遅れる癖があったので、調教では3〜4コーナーで常にムチを入れながら工夫して調教しました。北海道から川崎に来た時も元気だったので、遠征も我慢してくれると思いました。飼い食いは上がりましたが元気があったのでよかったと思います。