グランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズン第4戦・東海クイーンカップが快晴の名古屋競馬場で行われた。地元名古屋の9戦無敗馬エムエスクイーンが直前で回避したことで、注目は、シリーズ第2戦・若草賞の1、2着馬、ゴールドリング(愛知)とリリコ(兵庫)の再戦。この2頭は2戦続けて対戦しており、2月のスプリングカップでは0秒8差、若草賞では1秒5差でゴールドリングが先着している。当然、人気はこちらに集まるわけだが、単勝は、最終的には1.0倍。支持率は73.4%と圧倒的な期待を集めた。2番人気のリリコは単勝5.4倍となり、この2頭の馬連複は1.1倍となった。そして陣営も、お互い相手は1頭のみと意識していたようで、それはレース展開でも見てとれた。
抜群のスタートを切ったゴールドリングは、そのまま先手を取ってレースを進めた。一方、若草賞では後方からマクっていったリリコだったが、今回は3番手のインでライバルをマーク。その時、ゴールドリングの友森翔太郎騎手は「ビジョンを見て真うしろにいることを確認しました」とのこと。2周目の向正面に入りリリコが2番手に上がると、後続はついていけず、やはり勝負はこの2頭に絞られた。
しかし、ここからのゴールドリングが圧巻だった。差を詰めようと懸命に追いかけるリリコを尻目に、「3コーナーではマクられないように、少しスピードをあげました」(友森騎手)とうしろを確認しつつも持ったままの手ごたえ。直線では6馬身突き放し、最後は余裕でゴールを駆け抜けた。2着のリリコから2秒8の大差3着に、10番人気のオイコイケが入ったが、この着差からもここではゴールドリングの力が抜けていたといえるだろう。また、友森騎手と塚田隆男調教師はこのレース3連覇を達成した。
レースから戻ってきたリリコの岡部誠騎手は開口一番、「相手が悪かったとしかいいようがない」と苦笑い。続けて「今日はゴールドリングのうしろの位置を取りたいと思っていました。折り合いもついていたし、動ける感触は掴んだので今後に繋がるといいですね」と振り返った。シリーズ第7戦ののじぎく賞はホーム園田競馬場での戦い。この経験を活かし地元で意地を見せたいところだ。
若草賞に続き重賞2連勝と充実一途のゴールドリング。北海道からの移籍後、すべてコンビを組んでいる友森騎手は「一戦ごとに強くなっています」と強調した。「以前はけっこう引っかかるところがあったんですが、今は折り合いがつくようになりました。今日も少し離して逃げていたので、かかったように見えたかもしれませんが、馬自体は力んで走っておらず自分のペースでいけました」と折り合い面の成長を語った。
ゴールドリングは、この勝利でGDJのポイントを10ポイント獲得し、合計20ポイントと単独トップに立った。そして、気になるのは今後のローテーションだ。塚田調教師によると「次走は、のじぎく賞を視野に入れていますが、その後、東海ダービーに行くか、グランダム・ジャパンで優勝するために関東オークスに行くか迷っているところです」とのこと。現状ではどちらも有力馬の1頭であることは間違いないだけに、その動向は他陣営も気になるところだろう。この後、ゴールドリングがどのような路線を進むのか大注目だ。
Comment
友森翔太郎 騎手
他に速い馬も見当たらなかったし、スタートセンスは良い馬ですからハナに行くつもりでした。直線ではうしろからの脚音も聞こえなかったので安心しましたね。今だったらエムエスクイーンとも良い勝負になるんじゃないかと思います。とてもおとなしい馬なので、今後遠征をしても大丈夫だと思います。
塚田隆男 調教師
相手はリリコだけだと思っていました。前につけてくるのは読んでいましたので、あとはどこかでマクってくるのかなと。でもこちらの力が少し上でしたね。距離だけが心配でしたがクリアしてくれました。このスピードは天性のもの。3連覇というのは全然気にしていませんでしたが相性が良いレースですね。