グランダム・ジャパン3歳シーズンの3戦目は佐賀のル・プランタン賞。笠松と兵庫から各2頭、高知から1頭の遠征があったが、中央から移籍後一方的なレースばかりで3連勝という高知のナンヨーオボロヅキ、北海道から転入後6戦5勝、2着1回と、これまた底を見せていない地元佐賀のスーパージンガ、2頭に人気が集中する一騎打ちムードとなった。
やや出負けしたナンヨーオボロヅキだが、すぐに先頭へ。これにカシノジャスミンがからんでいった。一方のスーパージンガは3番手で外に持ち出しての追走となった。
2周目向正面でスーパージンガが動いて前をとらえにかかると、カシノジャスミンは後退。3コーナーを迎える前に、人気2頭が3番手以下を離しての一騎打ちとなった。
しかし決着はあっさりとついた。4コーナー手前でスーパージンガが単独で先頭に立つと、鞍上の真島正徳騎手は、すぐ後ろのナンヨーオボロヅキ、さらには後続勢の脚色を確認。直線を向いてムチを2発入れただけ、余裕の手応えで差を広げてのゴールとなった。ナンヨーオボロヅキは4馬身差の2着。縦長の5番手から徐々に位置取りを上げてきた兵庫のチェリーフオールが迫ったが、最後は脚色が一緒になって1馬身半差の3着だった。
まずは2着に敗れたナンヨーオボロヅキ。「出負けして、(カシノジャスミンに)競りかけられて息の入らない苦しい展開になってしまいました」と永森大智騎手。ただ「ここで距離を経験できたのはよかった」と雑賀正光調教師。この後は地元高知の三冠を目指すという。
勝ったスーパージンガにとっては、結果的に、同じ佐賀のカシノジャスミンがアシストする形になっての楽勝となった。佐賀でただ一度2着に負けていた飛燕賞について渡辺博文調教師は、「枠順も悪かったし、スタートも良くなかったですし、飛びが大きい馬なので、一度ブレーキをかけると、次になかなか反応しないんです。そういう意味でも、距離はこのくらいあったほうがいいですね」と。もともと九州ダービー栄城賞が目標だったが、これで選択肢が増えた。4月21日の佐賀皐月賞までは中1週。グランダム・ジャパンのタイトルを狙って、5月16日ののじぎく賞(園田)も視野に入ってきた。そして九州ダービー栄城賞は5月26日。
デビューした門別では馬体重450~460キロ程度で走っていたが、佐賀に移籍後はずっと420キロ台。「エサはよく食べるんですけど、食べるとテンションが高くなるので、なかなか体重が増えてこない」(渡辺調教師)というのが目下の課題。暖かくなって飼い食いもよくなってきているとのことで、まだまだこれからの成長が期待できそうだ。
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真島正徳 騎手
出遅れだけ用心して、普通に出られたのでよかったです。内で揉まれたくなかったので、3番手のあの位置がとれた時点でたぶん大丈夫だろうと思いました。(GDJは)力を出し切れればいいところまでいってくれると思うんですが、輸送があるので、それを克服してくれるかどうかでしょう。
渡辺博文 調教師
ここ2戦ほどスタートが思ったほどではなかったので心配していましたが、今日はスタートがうまく切れて、ベストポジションが取れたのがすべてです。最後にいい脚を使ってくれるので、4コーナー手前で並んだときには勝てると思いました。栄城賞までは間隔が空くので、どこを使うか迷うところです。