北海道の実績馬相手に地元馬が勝利
瀧川騎手は念願の南関東重賞初制覇

　競走馬としても繁殖牝馬としても偉大な功績を残した、川崎が生んだ名牝ロジータ。グランダム・ジャパンは、『ロジータふたたび。』を合言葉に7年前に始まった。
　そんなロジータの訃報が、グランダム・ジャパン2歳シーズンのローレル賞当日に届いた。昨年末、生まれ故郷の高瀬牧場で死亡していたという。川崎競馬場には献花台が設置され、ロジータを偲ぶ開催となった。
　今年のローレル賞は、エーデルワイス賞JpnⅢを制したストロングハート（1番人気）や2着のグラヴィオーラ、フルールカップを優勝したボーダレスガールなど、北海道からの遠征馬たちの実績が目立っていた。
　しかしレースでは地元川崎所属馬が意地を見せた。瀧川寿希也騎手が手綱を取った3番人気ゴールドパテックが重賞初制覇を飾り、川崎勢にとって9年ぶりのローレル賞勝利となった。
　地元のポッドジゼルがハナを主張していくと、2番手にはストロングハートで、ゴールドパテックは内の3番手を追走。「バテない馬という印象。スタートも決まったので思い切って出していって、できるだけ前につけようと思いました」（瀧川騎手）。
　ポッドジゼルの作ったペースは、600メートル通過が36秒4、前半1000メートルは62秒2。先団はかたまっていたが、最後方まではかなり縦長の展開となった。
　ゴールドパテックは3～4コーナーで外に出して進出していくと、直線ではわずかに先頭に立っていたストロングハートをジワジワと抜き去った。「3コーナーでは苦しいかなという感じの手応えでしたが、スタミナのある馬で、最後までバテない走りをしてくれました」
　激しい2着争いを尻目にゴールドパテックが先頭でゴールすると、2着には中団を追走して内から伸びてきた浦和のハタノサンドリヨンが入り、3着がストロングハートだった。勝ちタイムは1分43秒9（良）。
　3年前のローレル賞では、のちにJBCレディスクラシックJpnⅠを制することになるララベルが重賞初制覇を収めていた。その時にクビ差で2着に敗れたのがゼッタイリョウイキ。鞍上はデビュー2年目の瀧川騎手だった。あれから3年が経ち、惜しくも涙を呑んだ同じ舞台で念願のタイトルを奪取。瀧川騎手は現在、南関東リーディング5位と躍進中だ。
　「僕が生まれたのが川崎競馬場の近くで、川崎競馬場で騎手になることを夢見てきて、その舞台で重賞を勝つことができて本当に幸せです。ファンの皆さんに夢を与えられるような騎手になりたいです」
　南関東の重賞タイトルを引っ提げて、若手の有望株・瀧川騎手がさらにどんな騎手に成長していくのか、追い続けることも楽しみだ。
　なお、3着に終わったストロングハートについて、騎乗した御神本訓史騎手は、「1コーナーと3コーナーで張るようなところがあって行きっぷりがよくなかったです」と振り返っていた。ストロングハートはこのまま川崎の内田勝義厩舎へ、グラヴィオーラ（7着）は船橋の佐藤賢二厩舎に移籍。今後はゴールドパテック共々、東京2歳優駿牝馬を目指していく予定だ。グランダム・ジャパンのポイントでは、他地区3着のポイントを加算したストロングハートが27ポイントでトップに立った。