地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、昨年に引き続き、世代別牝馬重賞シリーズ「GRANDAME-JAPAN(グランダム・ジャパン)」を実施します(創設2010年)。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から(社)日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から(社)日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
雨の不良馬場を7馬身差の圧勝劇
2着トーコーニーケがGDJ女王に
川崎市には夕方から大雨警報が発令され、水の浮く不良馬場となった川崎競馬場。一旦止んだ雨は、メインレースの頃に再び本降りとなった。そんな厳しい条件の中、第50回を迎えた関東オークスJpnⅡは行われた。
また、このレースはグランダム・ジャパン3歳シーズンの最終戦でもあり、トーコーニーケ(兵庫)、コパノバウンシ(大井)、クロスオーバー(高知)という、ここまでのポイント上位3頭が揃って参戦。シリーズの結果は着順次第ということもあり、その優勝争いも注目となった。
そして今年の3歳牝馬ダート女王の座を手にしたのは、単勝オッズ1.8倍という断然人気に応えたJRAのエスメラルディーナだった。好スタートではなかったものの、ダッシュをきかせ先手を奪ったエスメラルディーナ。マイペースで後続を引き連れ、馬群は全体的に固まった状態でレースは進んでいった。向正面半ばで、中団を追走していたディルガが外から押し上げ、連れて他の騎手の腕も盛んに動き始めていたが、エスメラルディーナはそれをしり目に3~4コーナーで後続を引き放しにかかった。「ゴーサインを出すとグッと伸びた」というクレイグ・ウィリアムズ騎手の言葉通り、直線ではあっという間にライバルたちを突き放し、7馬身差の圧勝劇を披露した。
「こんな天気や馬場でも条件はみんな同じ。力を発揮できれば勝てる」。レース前、ウィリアムズ騎手は齋藤誠調教師にそう伝えたという。前走の兵庫チャンピオンシップJpnⅡでは、牡馬相手に1番人気に支持されながら3着に敗れていたのだが、今回は、初コースやナイター、不良馬場などにもしっかりと対応し、初タイトル獲得となった。
2100メートルという距離をクリアできたことも今後に大きく繋がりそうだ。「以前はとても優しい馬だったのですが、この頃は女性になってきたというか、キリッとしてきたので、それが過度にならないようにオンとオフをはっきりさせながら調整したいと思います」と齋藤調教師。最近は気性面での変化も出てきたようだが、まだまだキャリア5戦の3歳牝馬。これからどんな成長を見せてくれるのか、可能性は無限大だ。
そして中央勢が上位人気を占める中、2着に割って入りファンを沸かせたのが、兵庫のトーコーニーケだ。3番手の絶好のポジションでレースを進め、勝ち馬には離されたものの最後まで脚色衰えず、3着のアムールブリエには2馬身半の差をつけた。左回りや長距離輸送など試金石となる一戦だったが、重賞4勝の実力を証明してみせた。
「道中、ずっといい手ごたえでしたよ。今回ハードなトレーニングをした成果が出ました。走るたびに大人になり、学習能力の高い馬です」と川原正一騎手は満足気な表情で語った。今後も全国を舞台に地方競馬を盛り上げてくれそうだ。
この結果、グランダム・ジャパン3歳シーズンは、15ポイントを加えて合計45ポイントを獲得したトーコーニーケが5代目女王に輝いた。シリーズ8戦中3勝を挙げ、JRA勢相手の最終戦でも2着と文句なしの総合優勝だ。「兵庫ダービーという選択肢もありましたが、関東オークスにもきっちりと出走してグランダム・ジャパンを獲ろうと遠征した甲斐がありました」と、川原騎手も満面の笑みだった。そしてコパノバウンシ(大井・12着)、クロスオーバー(高知・6着)は、ともに着外の2ポイントを加え、それぞれ27ポイントで2位、26ポイントで3位という結果でグランダム・ジャパン2014の3歳シーズンは幕を閉じた。
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ウィリアムズ騎手