地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、昨年に引き続き、世代別牝馬重賞シリーズ「GRANDAME-JAPAN(グランダム・ジャパン)」を実施します(創設2010年)。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から(社)日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から(社)日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
余裕ある走りで重賞連勝
女王の座を目指し視界良好
かきつばた記念JpnⅢが行われた2日前に降った雨の影響はこの日も残り、晴れて風が強いコンディションながらも馬場状態は重のまま。そのせいか、ほとんどのレースで逃げた馬が勝ち、配当も堅いという状況が続いていた。
となると、東海クイーンカップも前残りとなるのだろうか。しかしこのレースには逃げたほうがベターであろうという馬が多く出走していた。最内枠を引いた兵庫のトーコーニーケ、2番枠の高知のクーファシーズンズは、逃げ先行で結果を残してきた。5番枠のホウライナデシコも前に行ったほうがいいタイプ。外枠のラブセレクター、ナムラショコラはともに重賞初挑戦だが、先行して力を試したいところだろう。
それでも内枠の逃げ先行馬に人気は集中。なかでもトーコーニーケは単勝1.4倍と支持を集め、3連単の上位人気も同馬からがほとんどとなっていた。クーファシーズンズは地元の岡部誠騎手が騎乗するということもあってか単勝5.5倍と人気を伸ばしたが、レースで主導権を握ったのはトーコーニーケだった。
最内枠の利をいかし、最初のコーナーワークで楽に先手を奪ったトーコーニーケ。そこにもう1頭、木之前葵騎手のナムラショコラが積極的に先行争いに加わっていった。その姿にスタンドからは「葵!行け!」の大声も。しかしコーナーをロスなく回る大ベテランの川原正一騎手には、そのチャレンジは通用しなかった。ナムラショコラは3コーナー付近から徐々に失速。代わって笠松のリックタラキチが先頭を狙いに動き出したが、トーコーニーケの勢いはさらに増して、最後まで鞍上がムチを使わないまま、余裕たっぷりの逃げ切り勝ちを披露することになった。
その結果にリックタラキチの吉井友彦騎手は「相手が悪かったですね……。レース前は逃げられたらと思っていましたが、そうもいかなくて」と、悔しいながらも納得の表情。それほどまでに1頭の実力が抜きん出ていたということなのだろう。
トーコーニーケの次の予定は、ちょうど2週間後にある、のじぎく賞。「最初から決めていたローテーションですからね。地元の強みもありますし、グランダムが目標ですから狙っていきますよ」と、吉行龍穂調教師は話すが、このレースが終了した時点では、大井のコパノバウンシが24ポイントと、トーコーニーケを4ポイント上回ってトップに立っている。トーコーニーケはその馬を若草賞で負かしているが、もし同馬がのじぎく賞に出てくることになれば、他ブロックからの出走ということでポイントの加算条件が有利になる。さらには高知のクロスオーバーも15ポイントからの逆転を狙って虎視眈々。
ほぼ三つ巴の様相となった今年のグランダム・ジャパン3歳シーズンは、第7戦、のじぎく賞の結果が大きなカギを握ることになりそうだ。
川原正一騎手
最内枠でしたし、逃げられたら逃げようと考えていました。今後のために、馬に教えたいことはいろいろあるんですが、今回は勝つことを優先させました。ただ、最後まで馬には余裕がありましたし、1戦ごとに強くなっているような感じがします。今日の内容なら、レース後のダメージも少ないと思いますよ。
吉行龍穂調教師
デビュー前はウチの同世代のなかで一番と言われていたくらいなんですよ。兵庫若駒賞のときにハミを替えてからは成績が安定していますし、賢い馬なので輸送も問題ないですね。のじぎく賞には強い馬が来るかもしれないですが、こちらは地元ですから、いい結果を残したいと思います。
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