地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、昨年に引き続き、世代別牝馬重賞シリーズ「GRANDAME-JAPAN(グランダム・ジャパン)」を実施します(創設2010年)。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から(社)日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から(社)日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
スローな流れを理想の2番手から
早めに前をとらえ4馬身差完勝
グランダム・ジャパン3歳シーズンのポイント表を眺めると、昨年ほどにポイントを重ねている馬が少ない。スケジュールか、開催地の変更の影響なのか。シーズンをリードする存在がまだ見えてこない状況だが、この日の遠征馬の中にその候補が1頭いた。名古屋の若草賞を2着したコパノバウンシがそれで、北に矛先を転じてポイント加算を狙ってきた。他の遠征馬は入着してのポイントを持っておらず、コパノバウンシと地元岩手勢との力量比較が分析のカギとなった。
一方、今年の岩手競馬には冬期休催の間に大挙して移籍馬が入厩。先に行われた4月6日のトライアル・あやめ賞は、出走12頭中7頭までが冬休みの間の転入で、すでに交流重賞のような雰囲気を呈していた。勝ったアイスカチャン(佐賀からの転入馬)は残念ながらその後故障が判明して戦線離脱したが、留守杯日高賞に出走の6頭の中にも4頭の転入馬が名を連ねた。
レースはコパノバウンシが2番手確保からアッサリと抜け出した。名古屋遠征を経験し、「そのあとうまく回復して、良い状態だった」と松浦裕之調教師が言うように、初めての水沢コースでもさほど戸惑う様子もなく力を出し切った。
ジャリーヴが先手をとり、コパノバウンシ、パドドゥという並びは、1周目のスタンド前からはっきり分かるほどのスローペース。矢野貴之騎手も「これで前を捕まえられなかったら……」と、3コーナーからは逃げるジャリーヴに目標を絞って動いていった。水沢コースは好天続きで乾ききっており、最後の直線はさすがに一杯一杯の脚色だったが、着差は4馬身、完勝のゴールインだった。
逆に、岩手勢で人気を集めていたフラッシュモブは末脚勝負タイプ。「メンバー構成を見たときから、ペースが遅くなるような気はしていた」と苦い表情の関本浩司調教師。上り600メートルで最速の脚は使ったが、前とは遠く離れた4着が精一杯。あやめ賞2着時とはまったく逆の展開に泣く形となった。代わって差を詰めていったのはターントゥタイド。こちらはひと叩きされての良化が顕著であやめ賞5着から巻き返しての2着。グランダム・ジャパン2歳シーズンのプリンセスカップでもシーズン優勝馬カクシアジの3着があり、再び地元トップのポジションを確保した。
コパノバウンシは、岩手で昨年度の3歳最優秀馬&最優秀ターフホースとなったハカタドンタク(父フレンチデピュティ)の妹。また1歳下の妹キモンイーグル(父コパノフウジン)もすでに水沢へ入厩してデビューを目指しており、すっかり岩手でも馴染みの血統。また父サウスヴィグラスはミスシナノ、ハードデイズナイトに続いて本レース3年連続制覇となり、終わってみればコパノバウンシには勝つために最適の条件が揃っていたともいえる。留守杯日高賞を終えた時点でポイントトップに立ったが、距離適性を考えて最終戦の関東オークスJpnⅡへの出走はない模様。可能性があれば、のじぎく賞(園田)であり、もし出走となれば西日本のポイント上位勢も揃う重要な一戦となりそうだ。
矢野貴之騎手
無理して前へは行きたくなかったのですが、2番手がうまく取れ、道中はこの馬の気分に合わせて進めました。追い切りでも1頭ではフワフワしていましたし、(今日も)初コースでそういうところはありましたが、ペースが遅く、手応えは良かったですから、3~4コーナーで仕掛けていきました。
松浦裕之調教師
2番手に行ってくれという作戦で、うまく矢野騎手がレースを進めてくれました。小回りが良いんじゃないかということで、この路線を選びましたが、前走後うまく回復して良い状態でした。普段からおとなしいし、場慣れして利口です。次走は未定ですが、この路線か優駿スプリント(大井)を考えています。
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