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JBCレディスクラシック~兵庫ジュニアグランプリ(第74回)
JBCレディスクラシックJpnⅠ
勝ったサンビスタは、向正面ではワイルドフラッパーより前にいましたが、そのまま早めには動かず、3~4コーナーでは先に動いたワイルドフラッパーを前に見る形になって、目標にすることができました。そして岩田騎手は、直線を向くまで追い出しを我慢していました。勝因は、人気のワイルドフラッパーを目標に、余裕を持って追い出せたことではないでしょうか。それだけ馬にも余裕がありました。2着のトロワボヌールは、最後によく伸びていました。2着でしたが、いい脚を使って見どころがありました。
人気のワイルドフラッパーは先行集団のうしろからの追走で、向正面からずっと追い通しでした。それで勢いがついてしまったのか、3~4コーナーでは早めに3番手まで進出して、直線では一旦先頭に立ちかける場面がありました。ただ早めに仕掛けて追い通しですから、さすがに最後まではもちませんでした。早めに動いたのは手ごたえがイマイチだったのかもしれません。今までのレースぶりからすると、本来のデキにはなかったのかもしれません。
JBCスプリントJpnⅠ
ドリームバレンチノはダッシュよくスタートを決めて、一旦は6番手あたりまで位置取りを下げましたが、3~4コーナーで外から絶好の手ごたえで外から進出しました。4コーナーを回ったあたりでもまだ追い出していません。馬の状態もよかったと思いますが、岩田騎手はひとつ前のレディスクラシックを勝っていたので、余裕を持って乗れたと思います。短距離戦では、スタートダッシュのいい馬は有利です。吉原騎手のサトノタイガーは惜しいレースをしました。逃げたタイセイレジェンドを前に見て3番手を追走。手ごたえにも余裕がありました。吉原騎手もおそらく勝てるような感触はあったと思います。直線では外から勝ち馬に並びかけられての追い比べになりました。最後はクビ差で2着でしたが、これで負けたのでは仕方ありません。最高のレースをしました。
タイセイレジェンドは、逃げて自分の形に持ち込みました。最後まで粘っての3着は、よく走ったと思います。
人気のノーザンリバーは、スタートでダッシュがつきませんでした。最内枠ですから置かれてしまうと包まれてしまう可能性があり、外に持ち出すにはロスがありますから、気合を入れて好位を取りに行きました。ただそこで脚を使ってしまった可能性はあります。ずっと追い通しでしたから、今回は厳しいレースになりました。
JBCクラシックJpnⅠ
コパノリッキーの田辺騎手は、ほかに行く馬がいないと見て、ハナをとりに行ったのはよかったと思います。無理せず先頭に立って、マイペースでレースがすすめられました。そのぶん追い出しをギリギリまで我慢できたし、追い出してからの反応は素晴らしかったです。かしわ記念では出負けして4、5番手からの追走でも楽勝でしたから、今回も必ずしも逃げなくても、たとえば他に行く馬がいれば先に行かせて、2、3番手からの追走でもおそらく勝っていたと思います。クリソライトは、一時期落ち込んでいましたが、だいぶよくなってきました。ジャパンダートダービーのころの調子が戻ってきたのではないでしょうか。
ワンダーアキュートはよく折り合っていました。道中で十分に溜められたぶん、最後の伸びにつながったと思います。
対照的に、ベストウォーリアは2番手でもずっと掛かっていました。ホッコータルマエも久々の影響があったのか、行きたがっているようでした。2頭とも最後まで息がもちませんでした。ただホッコータルマエは、ここを使ったことで、次はよくなってくるのではないでしょうか。ドバイでのダメージから、よく立て直してきたと思います。
浦和記念JpnⅡ
展開的にはエーシンモアオバーがいいペースで逃げていました。向正面でややペースアップして、中団からトーセンアレスが動いて行ったことで一気にペースが上がりました。その後、エーシンモアオバーは3~4コーナーで勢いをなくし、直後にいたサミットストーンにとっては、すぐ外にもグランドシチーがいたことで行き場が完全になくなってしまい、手綱を引かざるをえなくなりました。それにしてもサミットストーンはよく勝ちました。大型馬は一旦勢いを止めてしまうと、立て直すのがなかなか難しいです。早めにグランディオーソが先頭に立って、外から来たトーセンアレスと併せての追い比べになって、それで内が完全に空いたことで、サミットストーンは直線ではラチ沿いを伸びてくることができました。仮に4コーナーで手綱を引く場面がなくて、すんなり外に持ち出せていれば、少なくとも2馬身は差をつけて勝っていたと思います。それにしても直線を向いたところでは3、4馬身ほども差があったところから、浦和の短い直線でよく追い込んできました。
グランディオーソの御神本騎手にしても、外から勢い良く来た馬に併せて行くのは当然ですから、サミットストーンに内から差されたのはしかたなかったと思います。
兵庫ジュニアグランプリJpnⅡ
ジャジャウマナラシは、南関東の重賞ではあまり目立っていませんでしたが、今回は中央馬を相手によく勝ちました。いいスタートを切って、すぐに抑えて好位につけました。4コーナーでは馬の間の狭いところをついて、トーコーヴィーナスと接触したところは少し危なかったですが、よほど力のある馬でないと普通はあの狭いところを抜けてくることはできません。相当に根性がある強い馬だと思います。ただあの勢いならオヤコダカの外を回しても勝っていたかもしれません。田中学騎手は全国リーディングでトップに立っている勢いもあったのではないでしょうか。来年、大井でのクラシック路線が楽しみです。オヤコダカは積極的に仕掛けていって2着でした。3~4コーナーでは勝つような勢いでしたが、今回は勝ち馬にあの強いレースをされてしまっては仕方ありません。
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佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。