当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第65回全日本2歳優駿(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2014年12月15日
第65回全日本2歳優駿(JpnⅠ)
2014年12月17日(水)川崎競馬場 1,600m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

サンライズカップ(14年10月9日|門別)
 1着タケルオウジ
 3着クラバズーカー
 9着アロマベール
 5番手あたりを追走したクラバズーカーがラチ沿いからコーナーワークで位置取りを上げ、直線を向いて先頭へ。中団を追走していたタケルオウジは4コーナーで外を回して進出した。そして直線半ば、タケルオウジがクラバズーカーをとらえると、そのまま突き放しての勝利。外から伸びたハニームーンが1馬身半差で2着に入り、クラバズーカーは1馬身差の3着だった。

プラタナス賞(14年10月18日|JRA東京)
 1着タップザット
 5着ディアドムス
 ディアドムスは好位の4番手、絶好のスタートを切った人気のタップザットは控えて6番手の外を追走した。タップザットは4コーナーで外に張って追いづらそうなところはあったが、直線を向いての追い比べとなり、ゴール前で一瞬の脚を使って抜け出した。ディドムスは直線、馬群の中で伸びあぐねる感じでの5着。それでも勝ったタップザットからは0秒3差と着差はわずかだった。

なでしこ賞(14年10月26日|JRA京都)
 1着ワンダフルラスター
 断然人気に支持され、2番手につけたワンダフルラスターは、最初こそかかり気味だったものの、3コーナーあたりでは折り合いがついての追走。抜群の手ごたえのまま4コーナーで外から逃げ馬に並びかけると直線で先頭に立ち、ブルドッグボスが外から迫ったものの、これをクビ差で振り切っての勝利。3着馬には3馬身半差をつけた。1、2着馬の強さが際立つレースだった。

北海道2歳優駿JpnⅢ(14年11月6日|門別)
 1着ディアドムス
 3着クラバズーカー
 11着タケルオウジ
 差のない4番手の外を追走していたクラバズーカーが4コーナーで前に並びかけると、直後の馬群の中で機をうかがっていたディアドムスはさらにその外に持ち出して追い出された。直線ではディアドムスが1頭だけ際立った脚色で抜け出し、そのまま後続を突き放して圧勝。中団から伸びてきたカラパナビーチに4馬身差をつけた。先行勢が崩れるなか、クラバズーカーは2馬身半差で3着に粘った。勝ち馬の直後を追走したタケルオウジは見せ場なく11着だった。

ダート1600m 500万下(14年11月29日|JRA東京)
 1着タイセイラビッシュ
 9番人気のタイセイラビッシュは外枠から絶好のスタートで先頭に立ったが、すぐに控えて2番手を追走。直線を向いて、逃げていたレザントゥオールに並びかけ、残り200メートルで交わして先頭に立つと、馬場の真ん中から追い込んできたフクノグリュックをクビ差で抑えての勝利となった。

金沢ヤングチャンピオン(14年11月30日|金沢)
 1着アロマベール
 スタート一息だったアロマベールだが、最初の3~4コーナーでは内枠を利して先頭へ。エムザックサンダーが外をぴたりと併走していたが、アロマベールが向正面でみずからペースアップすると、エムザックサンダーは徐々に後退。代わって外からはハッピールミーエルが迫り、直線では2頭の一騎打ち。一旦はハッピールミエールが前に出たかという場面もあったが、アロマベールがゴール前で差し返し、クビ差での勝利となった。



<注目馬解説>

タケルオウジ(北海道)
 デビューから2連勝で、夏のJRA北海道開催では芝に直線したが残念ながら結果を残せず。門別のダートに戻ってのサンライズカップでは、好位追走から3~4コーナーでは大外を回して直線抜け出すという強い勝ち方を見せた。北海道2歳優駿JpnⅢでは見せ場をつくれず11着だったが、たとえばクラバズーカーとの比較でも実力を出し切れなかったことは確か。函館3歳ステークスを制したエンゼルカロの孫という血統で、シーズン終了後もホッカイドウ競馬に留まってということでも注目の存在。

ワンダフルラスター(JRA)
 デビューからダート1400メートル戦のみを使われて3戦2勝、2着1回。前走なでしこ賞は、最後、ブルドッグボスにクビ差まで迫られたが、3着以下には差をつけていた。そのブルドッグボスが、その後のオキザリス賞では1番人気に支持されて快勝していることでも、この馬の強さを示している。今回、左回り、川崎の小回りのコーナー、ナイターなど、克服しなければならない要素は少なくないが、ダートでの能力は高そう。

クラバズーカー(北海道)
 倉見牧場の自家生産馬らしく地味な血統ゆえかこれまで1番人気になったことは一度もないが、フレッシュチャレンジ、2歳オープン、ウィナーズチャレンジと、JRA認定競走を3勝。例年2歳の素質馬が出走するサンライズカップでは3着、そして先行勢のほとんどが崩れた北海道2歳優駿でも、3~4コーナーで先頭をうかがうところから3着に粘って見せた。相手なりに好走できるしぶとさはあり、初めての左回りと小回りの川崎コースに対応できれば上位争いも。

タイセイラビッシュ(JRA)
 デビューから3戦は芝を使われ3着2回があったものの勝ち上がれず。初ダートとなった4戦目、ハナ、クビという接戦を制して未勝利を脱出した。続く5戦目は東京ダート1600メートル戦で、9番人気という低評価ながら、2番手追走から直線先頭に立ってここも接戦を制した。母ギンザフローラルは、中央デビューも大井に移籍し、08年のロジータ記念3着、東京シンデレラマイル4着。父カンパニーの産駒も重賞で勝ち負けしているのは地方のみという成績だけに、地方のダートでこそという可能性はある。

ディアドムス(JRA)
 デビューから2戦の芝ではともに勝ち馬から1秒以上離され見せ場をつくれなかったが、初ダートとなった3戦目の札幌ダート1700メートル戦では好位から抜け出し2着に5馬身差、2歳のコースレコードでの勝利で、まさに一変という強さを見せた。プラタナス賞では直線馬群の中で伸びあぐねて5着だったが、北海道2歳優駿JpnⅢは直線弾けて2着に4馬身差をつける圧勝。そのレースぶりから、プラタナス賞5着は力を出し切っていなかったと見るべきだろう。

パーティメーカー(浦和)
 ホッカイドウ競馬から盛岡の芝に挑戦したジュニアグランプリで重賞初制覇。その後、浦和に移籍し、中央の芝(百日草特別)にも挑戦したが、相手が強かったこと以上にイレ込んでしまい勝負にならなかった。浦和での初戦となったJRA認定の新番特別では、3コーナーで後方まで位置取りを下げる場面があり、しかし浦和の短い直線だけの競馬で差し切った。中央馬とはダートでは初めての対戦となり、能力的に未知数な部分はある。

タップザット(JRA)
 デビューからダートで2連勝中。デビュー戦は2番手追走から4コーナー手前で先頭に立って後続を寄せつけずという強い勝ち方。2戦目のプラタナス賞は、ゴール前一瞬だけ脚を使って振り切ったが、3~4コーナーでは外に張って鞍上は苦労していた。それが広い東京競馬場でのことで、同じ左回りながらコーナーがきつい川崎コースに対応できるかどうか。ただデビュー戦のレースぶりからもダートでの潜在能力は高そう。

ラッキープリンス(浦和)
 デビューから他馬を寄せつけず圧倒的なレースぶりで4連勝。重賞初挑戦となった鎌倉記念では当然のように1番人気の支持を受けたものの結果は3着。ただこのときは3コーナーで挟まれるような場面があり、いったん位置取りを下げ、それでも直線では盛り返していた。ハイセイコー記念の7着は、イレ込んだこともあって向正面からすでに追い通しだった。重賞では2戦続けて力を発揮できなかったが、ここは巻き返しがかかる一戦。

タケデンタイガー(JRA)
 函館2歳ステークスで2着と好走したが、そのときの勝ち馬アクティブミノルはその後京王杯2歳ステークスで6着、この馬自身もいちょうステークスで9着と苦戦。ダート初挑戦となった前走兵庫ジュニアグランプリJpnⅡは、行き脚がつかず馬群のうしろから追い通し。バテた馬を交わしただけの5着で、勝ち馬からは1秒6離された。距離延長も微妙かもしれない。

アロマベール(金沢)
 デビューした北海道ではアタックチャレンジで挙げた1勝のみだが、シーズン終了を前に金沢に移籍すると、兼六園ジュニアカップ、金沢ヤングチャンピオンと重賞を2連勝。いきなり金沢のこの世代のトップに立った。ここはあらためて全国のトップクラスとの対戦で、どこまでやれるか。


文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(12月15日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。