当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第14回JBCクラシック(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2014年10月31日
第14回JBCクラシック(JpnⅠ)
2014年11月3日(祝・月)盛岡競馬場 2,000m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

帝王賞JpnⅠ(14年6月25日|大井)
 1着ワンダーアキュート
 2着コパノリッキー
 逃げたのはニホンピロアワーズだったが、向正面に入ってコパノリッキーが掛かり気味に先頭に立ち、ワンダーアキュートは好スタートも控えて3番手を追走した。4コーナーからはこのGⅠ/JpnⅠ勝ち馬3頭が横一線となって、直線を向いての追い比べ。直線半ばで、まずニホンピロアワーズが脱落。ゴール前では、ワンダーアキュートがコパノリッキーとの差をじわじわと広げ、2馬身差をつけての勝利。2年前のJBCクラシック以来1年半ぶり、2度めのJpnⅠ制覇となった。

ジャパンダートダービーJpnⅠ(14年7月9日|大井)
 1着カゼノコ
 8着オールラウンド
 南関東三冠がかかったハッピースプリントが単勝1.4倍の断然人気で注目となった一戦。そのハッピースプリントは3番手からの追走。直線半ばを過ぎ、中央勢を振り切って先頭に立ったところ、ゴール前で襲いかかったのが、1コーナーを最後方で回って徐々に位置取りを上げてきたカゼノコだった。内外離れてのゴールは写真判定となり、カゼノコがハナ差先着。重賞初勝利がJpnⅠ制覇となった。

日本テレビ盃JpnⅡ【Road to JBC】(14年9月23日|船橋)
 1着クリソライト
 6着トウホクビジン
 内枠からグラッツィアが逃げ、単勝1.4倍の断然人気となったクリソライトはピタリと2番手を追走。ほか2頭の中央馬と、地元のトーセンアレスも差なく続き、5頭が集団となってレースは進んだ。4コーナー手前で、3番手以下がすでにおっつけ通しなのに対し、クリソライトの手ごたえはまだ楽なまま。直線を向いて、前のグラッツィアをとらえ、そして追い出されると、あっという間にその差は広がり、4頭による2着争いに7馬身差をつけ、クリソライトの圧勝となった。

 1着コミュニティ
 今年はJBCクラシックチャレンジとして、2000メートルに距離延長となって争われた一戦。前走、青藍賞を逃げ切っていたコミュニティだが、このときは1番枠にもかかわらず中団5番手まで控えての競馬。3コーナー過ぎから一気に進出すると、4コーナーで先頭に立ったときもまだ手ごたえは楽なまま。直線では後続を寄せつけず、最後は差を詰められたものの、余裕を持ってのゴールだった。

 1着ベストウォーリア
 6着ナムラタイタン
 7着コミュニティ
 9着トウホクビジン
 14着エイシンナナツボシ
 コパノリッキーが回避したことで、GⅠ/JpnⅠ勝ち馬がいないメンバーでの争いとなった。断然人気に支持されたベストウォーリアは、予想どおり先頭に立ったポアゾンブラックの直後、2番手を追走。地元のナムラタイタンほか中央勢が3番手集団を形成した。ベストウォーリアは直線を向いても手ごたえは楽なまま。坂を上がったあたりで追い出されると、あっという間に後続を突き放して力の違いを見せつけた。ナムラタイタンは直線で徐々に置かれて6着だが、それでも地方最先着。コミュニティは4コーナーで先頭に並びかけようかという勢いで見せ場をつくったが7着だった。



<注目馬解説>

カゼノコ(JRA)
 デビュー当初は芝を使われて勝ち上がれず、初勝利はダートに路線を変更して3戦目、デビューからは8戦目、3歳の3月だった。そして毎日杯に挑戦したものの10着。再びダートに戻り、後方から末脚勝負の競馬で500万下からオープンの鳳雛ステークスを連勝。そして2番人気で臨んだジャパンダートダービーJpnⅠでは、4コーナーを先頭から7~8馬身ほど離れた8番手で大外をまわって追い込み、残り100メートルで先頭に立っていたハッピースプリントに並んだところでのゴールは、ハナ差での勝利となった。今回、初めての古馬一線級都の対戦でどうか。

ワンダーアキュート(JRA)
 帝王賞JpnⅠの勝利が、2012年のJBCクラシック(川崎)以来のJpnⅠ制覇。今年8歳で、さすがに成長はないだろうが衰えもない。なにしろ、その川崎でのJBCを勝って以来、3着以内を外したのは今年のフェブラリーステークスGⅠのみで、それも6着とはいえ勝ったコパノリッキーからわずか0秒5差。今回、JRA勢がこの馬以外すべて5歳以下と一気に若返った中で、唯一古豪健在といったところ。今回は帝王賞以来4カ月ぶりとなるが、2年前にJBCクラシックを勝ったときが5カ月半ぶりの実戦で、休み明けでも問題ない。今回もここを目標に早くから乗り込まれている。ときに馬体重の変動が大きいことがあるが、それがレース結果に影響することもないようで、輸送も苦にすることがない。前走帝王賞が513キロで、±10キロ程度の増減なら気にしなくてよさそう。地方のダートグレードへの参戦では、とにかく不安となる要素が少ない。

クリソライト(JRA)
 昨年のジャパンダートダービーJpnⅠを7馬身差で圧勝したときは、ダートの新星誕生かと期待されたが、秋のJBCクラシックでは馬群の中で掛かりまくって5着、ジャパンカップダートGⅠも大敗。「休養から戻って馬がまったくよくなくなっていた」と音無調教師。「1年かけてようやく立て直した」というのがマーキュリーカップJpnⅢでの2着で、日本テレビ盃JpnⅡは格下相手ということもあったが、4コーナーあたりでの他馬との手ごたえの差ですでに勝負はあったというレースで完全復活。レコード決着となったマーキュリーカップで盛岡ダート2000メートルを経験しているということもプラスになりそう。

ホッコータルマエ(JRA)
 昨年は10戦7勝、2着1回、3着2回で、そのうちJBCクラシックを含めGⅠ/JpnⅠを4勝と、ダートグレード戦線の中心にあった。今年も川崎記念JpnⅠを勝って、フェブラリーステークスGⅠでもコパノリッキーの2着と、その勢いに衰えはなかったが、遠征したドバイワールドカップでは2番手を追走したものの早めに一杯になってしまい、最下位の16着。精神的なダメージもあったと言われており、その後は放牧に出された。10月に入ってから坂路で乗り込まれているが、ドバイ以来の休養明けでどこまで仕上がっているか。また、全盛時の能力を発揮できる状態にあるのかがポイントにもなりそう。

ナムラタイタナン(岩手)
 今春、中央から岩手に転入し、重賞3連勝はいずれも2着に大差をつけた。しかも、1秒9、2秒2、2秒4と、レースごとにその差を広げ、岩手では圧倒的な実力差を示していた。7月にはマーキュリーカップJpnⅢに出走予定だったが、軽い夏負けがあって回避。約4カ月ぶりの実戦となったマイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠは3番手集団の好位を追走したが、直線ではじわじわと差を広げられて6着。地方最先着ではあったが、勝ち馬からは2秒1差をつけられた。中央所属として最後のレースとなった、今年2月の佐賀記念JpnⅢでは、ランフォルセ、ソリタリーキングと差のない3着で、GⅠ級が相手となる今回、地元代表としてどんなレースを見せるか。

ベストウォーリア(JRA)
 昨年3歳時にはユニコーンステークスGⅢを制し、4歳になった今年はフェブラリーステークスGⅠで着外があったものの、それ以外はオール連対と、ダートでは世代を代表する1頭。単勝1.2倍の断然人気に支持されたマイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠでは、直線で軽く追われただけで他馬をあっという間に突き放しての圧勝だった。ただ2000メートルはジャパンダートダービーJpnⅠで差のある5着だったように、南部杯後にも「1800がギリギリかも」と石坂正調教師が話していた。今回は距離が課題となりそう。

コミュニティ(岩手)
 ナムラタイタンとの初対戦で注目となった一條記念みちのく大賞典ではスタート直後に落馬。その後は順調さを欠いたが、9月の青藍賞を逃げ切って、あらためて力のあるところを見せた。JBCクラシックチャレンジとして行われた絆カップは、一転、中団に控える競馬。それでも早め先頭から力の違いを見せた。マイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠでは、4コーナーで先頭に並びかけようかという勢いで迫って見せ場をつくったが、結果は7着。多彩なレースぶりが持ち味で、強力なメンバーを相手にどんなレースを見せるか。

コパノリッキー(JRA)
 フェブラリーステークスGⅠは最低人気での勝利だったが、その後2カ月半ぶりとなったかしわ記念JpnⅠでは、セイクリムズン、ワンダーアキュートらの実績馬を完封しての勝利。帝王賞JpnⅠでは、最後ワンダーアキュートと競り合って2馬身差の2着に敗れたものの、向正面では抑えきれない感じで先頭に立つ場面があっての結果。秋はマイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠで復帰予定だったが、帝王賞後にやや体調を崩したこともあって回避。JBCにはぶっつけで臨むことになった。10月上旬から順調に乗り込まれており、どこまで仕上がっているかがポイントになりそう。昨年終盤の2戦惨敗は砂をかぶった影響と言われており、15番枠に入ったのはプラスになりそう。


文・構成:斎藤修(サイツ)
写真:いちかんぽ



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(10月31日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。