当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第4回JBCレディスクラシック(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2014年10月31日
第4回JBCレディスクラシック(JpnⅠ)
2014年11月3日(祝・月)盛岡競馬場 1,800m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

ブリーダーズゴールドカップJpnⅢ(14年8月14日|門別)
 1着サンビスタ
 2着ワイルドフラッパー
 13着フラッシュモブ
 断然人気に支持されたワイルドフラッパーが好スタートから逃げ、4番手を追走していたサンビスタは3コーナーでラチ沿いに進路を変えて前に迫っていった。4コーナーを回り、押していたワイルドフラッパーに対し、内から並びかけたサンビスタの手ごたえは楽なまま。サンビスタは、残り200メートルで振り切って、徐々にその差を広げると、3馬身差をつけての圧勝。ワイルドフラッパーは、追ってきたマーチャンテイマーをなんとかクビ差で振り切って2着を確保した。

オークランドレーシンググラブトロフィー(14年9月20日|JRA阪神)
 1着ブルーチッパー
 好スタートから先頭に立ったブルーチッパーがマイペースの逃げに持ち込み、残り800メートルからペースアップ。後続に脚を使わせる流れとなって、2、3番手を追走して馬が後退するなか、ブルーチッパーはそのまま後続を振り切り、見事に逃げ切り勝ちで1番人気にこたえた。

 1着コウギョウデジタル
 2着カミノマーチ
 3着マムティ
 断然人気に支持されたコウギョウデジタルはスローな流れの3番手に控えたが、向正面では早くも2番手に進出。カミノマーチも直後でぴたりとマークした。絶好の手ごたえのまま4コーナーで先頭に立ったコウギョウデジタルは、直線を向いて追い出されると、そのまま後続を寄せつけずの完勝。カミノマーチも懸命に追ったが、差を詰めることはできず2馬身差の2着。4コーナーを後方2番手で回ったマムティがメンバー中唯一の上がり36秒台の脚で直線迫って2馬身差の3着に入った。

 1着ワイルドフラッパー
 2着サンビスタ
 4着アクティビューティ
 5着ピッチシフター
 9着フラッシュモブ
 サウンドガガが単騎の逃げで、やや離れてカチューシャが2番手、そのうしろ3番手にワイルドフラッパーが続き、サンビスタはこれをぴたりとマークする位置、アクティビューティはそのうしろ5番手を追走した。4コーナー手前でムチが入ったワイルドフラッパーが直線を向いて前をとらえにかかり、残り200メートルを切って先頭へ。サンビスタもラチ沿いから追ってきた。しかしワイルドフラッパーが後続を振り切って完勝。サンビスタは差を詰めることができず1馬身3/4差で2着。アクティビューティは4着。ピッチシフターは、直線でアクティビューティに並びかけようとする場面もあったが、最後は差を広げられての5着だった。

柳都ステークス(14年10月5日|JRA新潟)
 1着トロワボヌール
 トロワボヌールは、スローな流れでやや馬群がばらけた6番手を追走。3コーナーあたりで馬群が凝縮したところでは内を追走していたが、直線を向いて外に持ち出されると、前を行く馬たちを一瞬にしてとらえ、そのまま後続を突き放しての完勝となった。

埼玉新聞栄冠賞(14年10月8日|浦和)
 1着マイネエレーナ
 好スタートから先頭に立ったマイネエレーナがスローに落としての逃げ。後続勢は動けず、向正面半ばからペースアップすると、3コーナーから楽な手ごたえのまま徐々に後続との差を広げた。直線を向いて追い出されるとさらに突き放し、2着のカキツバタロイヤルに9馬身差をつける圧勝で、重賞初制覇となった。



<注目馬解説>

コーリンベリー(JRA)
 芝のデビュー戦で大敗したあと、ダートで3連勝。賞金を加算して桜花賞に出走したものの最下位だった。ダートに戻って端午ステークス2着のあと、断然人気のアジアエクスプレスが凡走となったユニコーンステークスGⅢでも、勝ったレッドアルヴィスから2馬身半差の2着と好走した。初めての古馬との対戦となったプロキオンステークスGⅢは、直線まで逃げ粘ったものの9着。とはいえ勝ったのは、その後に南部杯JpnⅠを制することになるベストウォーリアで、タイム差はわずか0秒4差だった。距離経験が1600メートルまでで、勝ち星は1400メートルまで。今回は1800メートルという距離が課題になりそう。

ピッチシフター(愛知)
 昨年3歳時に挑戦したJBCレディスクラシックで、地方馬最先着となる5着と健闘の走りを見せた。4歳になった今年、地方同士では5戦4勝、2着1回と圧倒的な成績を残しており、ダートグレードでもかきつばた記念JpnⅢ・4着、サマーチャンピオンJpnⅢ・2着と、牡馬相手でも互角のレースを見せている。レディスプレリュードJpnⅡでも地方最先着の5着で、勝ったワイルドフラッパーからは0秒7差。今回、勝つまでは相当な上積みが必要だが、中央勢上位独占の一角を崩す可能性は十分にある。

ワイルドフラッパー(JRA)
 デビューからダートのみを使われ、ダートグレード初参戦となったのは、今年1月のTCK女王盃JpnⅢ。逃げたものの、前年のダート女王メーデイアに2馬身半差をつけられての2着と完敗だった。しかしメーデイアが引退して女王不在となると、エンプレス杯JpnⅡ、マリーンカップJpnⅢをいずれも圧勝という内容で連勝し、一躍ダート女王候補の筆頭に踊り出た。その後の平安ステークスGⅢは3着だったが、牡馬相手ならむしろ評価できる内容。ブリーダーズゴールドカップJpnⅢではサンビスタに完敗の2着だったが、仕上げの段階で想定外のことがあっての結果。そのとおり、レディスプレリュードJpnⅡではあらためて他馬を圧倒する走りを見せた。牝馬限定のダートグレードで5戦3勝、2着2回は、今回のメンバーでは断然の実績。

マイネエレーナ(浦和)
 中央所属として最後のレースとなった、昨年11月の浦和の条件交流(中央500万下)を勝ち、そのまま浦和に移籍して、さらに2連勝。重賞初挑戦となった4月のしらさぎ賞は、後方から位置取りを上げただけの6着だったが、ダートグレード初挑戦となった7月のスパーキングレディーカップJpnⅢでは、サウンドガガ、カチューシャのクビ差接戦からは7馬身離されたものの3着と好走。前走、埼玉新聞栄冠賞は、58キロを背負った有力牡馬に対し、恵まれた54キロで思い切って逃げると、直線では後続突き放し、好タイムでの圧勝となった。中央から浦和に移籍して1年弱、格段に力をつけていることは間違いない。

トロワボヌール(JRA)
 芝の新馬戦を勝ったため、その後もしばらく芝を使われていたものの500万下で苦戦。しかし4歳になった今年、ダートに路線変更すると一変。東京ダート1600メートルの1000万特別では、不良馬場とはいえコースレコードでの勝利があり、前走準オープンの柳都ステークスでは、直線で馬群から一瞬にして抜け出しての快勝。ダートでは6戦4勝、2着2回とオール連対で勝ち上がった。その4勝は、いずれも盛岡と同じ左回りの東京と新潟。ダートではまだ底を見せていない。

アクティビューティ(JRA)
 昨年はJBCレディスクラシックJpnⅠを含めメーデイアの2着が3度あり、JBC後のクイーン賞JpnⅢで念願のダートグレード初制覇。そして今年は5戦のうちワイルドフラッパーと4度の対戦があって、いずれもその後塵を拝している。2年連続でダート女王級の高い壁が眼前にそびえ立つという状況。とはいえ前走レディスプレリュードJpnⅡでは、勝ったワイルドフラッパーから0秒3差と、今年一番ともいえる好走を見せた。地方のダートグレードでは、初参戦だった一昨年のクイーン賞で8着だった以外は掲示板を外したことがなく、常に持てる能力は発揮する。

サンビスタ(JRA)
 デビューから1700メートル以上のダートのみを使われ、準オープンを勝ったのが今年2月。地方のダートグレード初参戦となったエンプレス杯JpnⅡは3着だが、勝ったワイルドフラッパーからは2秒2も離された。ただデビューからの2戦が重馬場で苦戦していたように、エンプレス杯は雨の不良馬場の影響もあったかもしれない。牡馬相手の函館・マリーンステークスでは53キロのハンデを生かして僅差の2着と好走。今年から牝馬限定のJpnⅢとなったブリーダーズゴールドカップでは、断然人気のワイルドフラッパーを3馬身ちぎって見せた。レディスプレリュードJpnⅡではワイルドフラッパーに敗れたが、着差は1馬身3/4。再度の逆転を狙う。

コウギョウデジタル(岩手)
 岩手の生え抜きで、昨年3歳時には不来方賞を含め重賞3勝。今シーズンは7戦3勝で、勝ったのはいずれも盛岡ダートの重賞と、盛岡コースを得意としている。JBCレディスクラシックチャレンジとして行われたOROカップディスタフも断然人気にこたえての完勝。中央馬への挑戦は今回が初めて。盛岡ダート1800メートルの持ちタイム1分52秒9(あすなろ賞1着、良馬場)は優秀だが、中央馬相手となると、さらに速いタイムでの決着に対応できるかどうか。

ブルーチッパー(JRA)
 デビューから一貫してダートの1700、1800メートルのみを使われている。デビューが昨年3歳の2月で、初勝利が3戦目。その後もやや足踏みはあったが、11月に牝馬限定の500万下を勝つと、続く1000万下では2着だったものの、途中7カ月の休養を挟んでの3連勝で、オークランドレーシングクラブトロフィーを逃げ切った。直前は栗東のポリトラックで強めに追われ、前回以上の好タイムをマーク。ここまで二桁着順の大敗は一度だけで、大外枠ゆえ逃げられなかったため。今回、15番枠に入ったが、この馬がどんなペースを演出するは、ひとつポイントになりそう。


文・構成:斎藤修(サイツ)
写真:いちかんぽ



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(10月31日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。