当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。
第27回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説
2014年10月10日
第27回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ)
2014年10月13日(月)盛岡競馬場 1,600m
2014年10月13日(月)盛岡競馬場 1,600m
(出走表はこちらをご覧ください)
<参考レース>
■天王山ステークス(14年5月3日|JRA京都)
1着ナガラオリオン常に末脚勝負のナガラオリオンは、1200メートルのこのレースでも後方2番手を追走。外枠からのスタートで、そのまま外々をまわり、4コーナーでもまだ12番手。直線でもそのまま他馬に遮られない大外から並ぶ間もなく交わしていき、単独で抜け出していたサウンドガガをゴール前で測ったように差し切ってクビ差での勝利となった。乾いたダートで上り35秒1というメンバー中ダントツの末脚は圧巻だった。
■一條記念みちのく大賞典(14年6月22日|水沢)
1着ナムラタイタン中止コミュニティ
ナムラタイタンとコミュニティの初対戦が注目となった一戦だが、ゲートを出てすぐにコミュニティがバランスを崩して落馬、競走中止。隣の枠で目標を失ったナムラタイタンだが、すんなりと先頭に立つと、2番手以下を離してマイペースでの逃げ。向正面からは徐々にその差がひろがり、直線を向いて鞍上に気合をつけられるとその差はさらに開いて、2着のミカエルビスティーに2秒4の大差をつけての勝利となった。
■プロキオンステークスGⅢ(14年7月13日|JRA中京)
1着ベストウォーリア10着キョウエイアシュラ
14着アドマイヤロイヤル
単勝1.9倍の断然人気に支持されたベストウォーリアは中団のややうしろ10番手あたりを追走。直線を向いて外に持ち出されると、前をとらえにかかり、ゴール前で抜け出していたキョウワダッフィーをゴール前でクビ差とらえての勝利となった。後方集団を併走するように追走していたキョウエイアシュラ、アドマイヤロイヤルは、ペースが上がると追走一杯で、直線見せ場をつくれず、それぞれ10着、14着だった。
■オーバルスプリントJpnⅢ(14年9月11日|浦和)
1着キョウエイアシュラスタート後は中団よりうしろだったアドマイヤサガスが向正面で仕掛けて一気に先頭へ。これを追うように進出したのがキョウエイアシュラ。直線を向いてアドマイヤサガスを交わして先頭に立つと、追ってきた1番人気エーシンビートロンを2馬身差で振り切っての重賞初勝利となった。
■エニフステークス(14年9月13日|JRA阪神)
1着ポアゾンブラック休み明け3走目、前年12月以来久々のダートとなったポアゾンブラックは単勝25.2倍の7番人気。スタート後の芝の部分でじわじとハナに立ち、後続を引きつけての逃げに持ち込んだ。4コーナー手前から追い出されると、直線では後続との差を広げ、2着ワイドバッハに1馬身1/4差をつけての逃げ切り勝ち。最後の1ハロンは13秒かかったが、3ハロン目から6ハロン目は11秒台のラップを続ける緩みのないペースに持ち込んで押し切った。
■青藍賞(14年9月14日|水沢)
1着コミュニティ2着ドリームクラフト
3着ランドオウジ
4着マイネルバルビゾン
スタートして最初の4コーナーを回るところで断然人気のコミュニティがハナを奪うとすぐにペースが落ち着いた。ぴたりと2番手を追走していたランドオウジが3コーナー手前で並びかけようとするも、コミュニティは意に介さず。3コーナー過ぎから徐々に差を広げ、そのまま後続を寄せ付けず逃げ切った。直線での2着争いが接戦となり、後方から徐々に位置取りを上げてきたドリームクラフトが、ランドオウジを交わして2着を確保した。
■栗駒賞【JBCスプリントチャレンジ】(14年9月27日|盛岡)
1着ランドオウジ3着マイネルバルビゾン
青藍賞から中1週で臨んだランドオウジが単勝1.6倍の断然人気。逃げたマイネヴァイザーの2番手を追走すると、楽な手ごたえのまま4コーナーで先頭へ。コスモフィナンシェがぴたりと追走してきたが、直線では徐々にその差を広げ、4馬身差をつけて圧勝。2番人気のマイネルバルビゾンが徐々に脚を伸ばしてきたが、コスモフィナンシェをとらえきれず3/4馬身差で3着だった。
■ 絆カップ【JBCクラシックチャレンジ】(14年9月28日|盛岡)
1着コミュニティそれまでスピードの違いで逃げることが多かったコミュニティだが、このときは1番枠にもかかわらず5番手から。「逃げようかとも思いましたが、腹をくくって控えました」と山本政聡騎手。3コーナーから軽く追い出されると、4コーナー手前で早くも先頭へ。直線であっという間に差を広げると、ゴール前では手綱を抑える余裕を見せ、中団から伸びてきたザドライブに2馬身半差をつけての勝利となった。
<注目馬解説>
● ランドオウジ(JRA)
中央ではデビュー2戦目の未勝利戦を勝ったのみで、中央最終出走から1年9カ月のブランクがあって、岩手初出走となったのは昨年6月。それでも徐々に力をつけ、今年6月の早池峰賞で重賞初制覇を果たすと、その後、すずらん賞、そして前走栗駒賞と3つのタイトルを重ねた。特筆すべきは盛岡ダートへのコース適性で、今シーズンは5戦4勝。一度の敗戦は、中央馬相手のクラスターカップJpnⅢ(8着)だが、岩手所属馬では最先着だった。盛岡1600メートルのすずらん賞の勝ちタイム1分36秒7(良馬場)は、時計が速くなっている近年の南部杯でも掲示板内を狙える時計ではある。
● キョウエイアシュラ(JRA)
デビューから一貫して芝を使われ、3歳時にはNHKマイルカップGⅠ・5着、古馬相手の京成杯オータムハンデGⅢで3着などがあった。7歳になった今年5月、ダートに矛先を変えると、2戦目の準オープンを勝利。初めてのダート重賞挑戦となったプロキオンステークスGⅢは10着だったが、それでも勝ったベストウォーリアからはコンマ4秒差。続くNST賞で4着と好走し、地方初参戦となったオーバルスプリントJpnⅢで重賞初制覇。直線の短い浦和コースゆえ早めに仕掛けたが、末脚勝負のこの馬に直線の長い盛岡コースは味方になりそう。
● アドマイヤロイヤル(JRA)
2~3歳時の2勝は芝だったが、4歳春以降はダート1400~1600メートルを中心に使われ、1000万条件以降の勝利はすべてダートでのもの。唯一の勲章は昨年のプロキオンステークスGⅢで、セイクリムズン、ダノンカモンとの接戦を制して、コースレコードでの勝利。南部杯JpnⅠは、一昨年がエスポワールシチーの3着、昨年が同じくエスポワールシチーの5着だが、いずれも1秒以上の差をつけられていた。ただ今年はGⅠ/JpnⅠ級が不在というメンバーだけに、さらに上をという期待はある。
● ナガラオリオン(JRA)
デビューからダート1200~1400メートルを中心に使われ、今年4月のオープン・コーラルステークスで2着に好走。このときは、その後サマーチャンピオンJpnⅢを制するエーシンビートロン(3着)に先着。そして5月の天王山ステークスでは、後方から直線一気を決めて、オープン初勝利となった。1600メートル戦は、昨年4月のオアシスステークス(4着)以来2度目、天王山ステークス以来5カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。
● コミュニティ(岩手)
昨年夏に中央未勝利から岩手に転入し、今年4月のA二組戦まで破竹の12連勝。スタート直後に落馬した一条記念みちのく大賞典のあとは順調さを欠いたが、9月の青藍賞を逃げ切って、あらためて重賞級の力があるところを見せた。続く絆カップでは、中団に控える競馬でも早めの仕掛けから力の違いを見せつけた。ダートグレード初挑戦だった7月のマーキュリーカップJpnⅢは結果的に12着惨敗だったが、果敢にハナを奪ってハイペースで飛ばし、レコード決着を演出した。再び中央馬相手に逃げの手に出るのかどうかも注目されるところ。
● ポアゾンブラック(JRA)
兵庫でデビューし、無敗のまま5連勝で一冠目の菊水賞を制した。兵庫ダービーでは牝馬のメイレディの2着と初の敗戦を喫したあと、中央に移籍。中央では芝・ダート問わず短距離を中心に使われ、ここまでダートで3勝、芝で1勝。9月のエニフステークス(ダート1400メートル)を逃げ切ってオープンでの初勝利となった。今回が兵庫ダービー以来の地方参戦となる。
● ベストウォーリア(JRA)
現4歳世代のダート路線を代表する1頭。3歳時の兵庫チャンピオンシップJpnⅡではコパノリッキーに6馬身差をつけられての2着だったが、ユニコーンステークスGⅢを勝利。4歳の今年は5戦して、すばるステークスのレコード勝ちを含めて3勝、2着1回。前走、プロキオンステークスGⅢは中団から差し切っての勝利で、その後東京盃JpnⅡを制するノーザンリバー(4着)や、オーバルスプリントJpnⅢを制するキョウエイアシュラ(10着)らを問題にしなかった。盛岡と同じ左回りで坂のある東京ダート1600メートルで6戦3勝、2着1回というコース適性もアドバンテージになりそう。
● グレートチャールズ(JRA)
デビューからほぼダート1800メートル戦のみを使われてきた。未勝利から500万で2着が8回もあり、やや勝ちきれない印象もあったが、今年2月から3月に1000万下、準オープンと連勝。オープンではここまで3戦して、前走のラジオ日本賞での4着(勝ったインカンテーションから0秒8差)が最高という成績。重賞クラスが相手となると、まだ少し壁が高いかもしれない。
● ナムラタイタン(岩手)
中央時は3歳時の遅いデビューだったが、オープンまで破竹の6連勝で注目となった。中央では2011年の武蔵野ステークスGⅢが唯一のタイトルだが、中央所属としての最終戦となった佐賀記念JpnⅢではランフォルセ、ソリタリーキングと接戦の3着で、依然としてダートグレードを狙える力があることを示していた。そのとおり、岩手転入後は一方的なレースばかりで3連勝。2着との差も、1秒9、2秒2、2秒4と徐々に広げた。マーキュリーカップJpnⅢに出走予定だったものの軽い夏負けで回避。今回は6月の一条記念みちのく大賞典以来4カ月ぶりとなるのがどうか。南部杯のみならず、JBCクラシックでも地方代表としての期待を背負うことになりそう。
文・構成:斎藤修(サイツ)
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※ 当コンテンツの内容は、編集時点(10月10日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。
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