好スタートから堂々逃げ切り
3歳シーズン首位に躍り出る

　グランダム・ジャパン2012の3歳シーズンは、今年は若草賞（3月19日、福山）が開幕戦となり、桜花賞（3月21日、浦和）に続いてこのル・プランタン賞が3戦目。しかし、若草賞と桜花賞は日程が近接しているため両レースともに出走した馬はいなかった。若草賞からは勝ち馬のキミニコイシテは不在ながら、僅差で優勝争いに加わったメイレディ（2着、兵庫）、クーヨシン（4着、福山）らの4頭が出走。桜花賞からの出走馬はおらず、実質的には西日本のシリーズ2戦目という位置づけといえるだろう。
　メイレディが好スタートから他馬を引き離して先頭に立ち、トリックトリートやクーヨシンらがすぐに詰め寄ったものの、若草賞と同様にメイレディが逃げる展開に。若草賞では最後方からの競馬となったガイヤクインも地元に戻った今回は先行集団でレースを進め、この集団の後方に付けたレコパンが向正面で内を突いて上昇。佐賀期待の2頭が前へと進出したものの、メイレディはまだまだ楽に逃げていた。4コーナーでようやくレコパンが2番手まで進出し、メイレディとの一騎打ちに持ち込むかと思われたが、余力十分のメイレディが直線で突き放すとそのまま後続との差を広げて勝利。大外から追い込んできたガルシーズンが2番手争いの集団を一気に交わして2着を確保したが、メイレディとの差は4馬身差と開いていた。
　メイレディは昨年10月に未来優駿2011・兵庫若駒賞（園田）で重賞初制覇。しかし、その後は前走の若草賞まで重賞に4度出走したものの2着3回とあと一歩及ばないレースが続いていたが、若草賞の1、3着馬が抜けたここでは力量上位。「ハナにはこだわってなかったんですけど、スタートが良かったんで行きました。直線でも結構馬が動いていたので、負けないと思いました」と木村健騎手が語ったように、スタートからゴールまで完璧なレース運びでの快勝となった。
　今年はル・プランタン賞が3歳牝馬限定戦となって節目の10回目（第1回は牡牝混合戦で施行）。レコパン、ガイヤクインが単勝2、3番人気に評価され、佐賀所属馬の優勝も期待されていた。残念ながら優勝には届かなかったが、直線で大外強襲のガルシーズンが2着、4コーナーでメイレディに迫ったレコパンが3着と、ともに見せ場を作って上位を確保。今年の佐賀3歳は牡馬優勢で推移しているだけに、今回の上位馬の九州ダービー栄城賞（6月1日）での活躍に期待したいところだ。
　3歳シーズンのポイント争いは若草賞2着、ル・プランタン賞1着のメイレディが22ポイントとなり、若草賞優勝のキミニコイシテ（10ポイント）、桜花賞優勝のコテキタイ（10ポイント）を抜いてトップに立った。メイレディのこの2戦の着順は昨年のマンボビーンと同じもので、同馬はその後のじぎく賞も勝利して3歳シーズンを制している。メイレディも次走はのじぎく賞とのことで、昨年のマンボビーンに続き、兵庫勢によるタイトル獲得の可能性も高そうだ。
　3歳シーズンには今年から東海クイーンカップ（5月1日、名古屋1600メートル）が加わった。しかし、メイレディには同レースへの出走予定はない。そこで上位に食い込みポイントを加算してきた馬との対決となるのじぎく賞が、3歳シーズンの行方を大きく左右することになりそうだ。