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第11回 2012年8月10日(金) オムカレー(姫路競馬場)

姫路競馬場
「白井売店」 オムカレー(600円)

 2年ぶりの開催が8月末まで続く姫路競馬場。正式名称である「姫路公園競馬場」の文字がデカデカと表示されているアーチの下を通って入場ゲートを通ると、左側に食堂街が見えてくる。ガラス扉をガラガラと開けて中に入れば、そこは昭和な雰囲気が残るフードコート。いや、「お好み大食堂」というほうがより近いかも。広い空間に並ぶ店とテーブル席を見回していると、「こっちに座って!」とおばちゃんが誘いの言葉をかけてきた。
多様なメニューが揃う白井売店
 うーん、でもそこに座ると、その店のものを注文せざるをえなくなるような気がするからなあ。どんなラインナップになっているのか、ひととおり見させてくださいな。
 というオーラを発散させておばちゃんの誘導をやんわりと断り、スタンド寄りの店から一軒一軒覗いていく。選択肢がたくさんあって、迷うくらいのラインナップ。そのなかから、煮物揚げ物焼き物が中心のラインナップとは一戦を画す「オムカレー」を選んでみた。
オムカレー
 注文してからおよそ5分。カレーライスの上にふわふわトロトロの卵が乗っかっているその見た目で、当たりを確信!
 では、さっそくカレーから食べてみよう。あまり脂っぽさがなくて、十二分に煮込まれていることがわかる上品な味。そして、そこに卵をアレンジしてみると、おお、卵が見た目どおりのやわらかさ。こういう感じに仕上げるのは難しいんだよなあ。
「そうなんですよ。このメニューは姫路競馬場でJRAの馬券を売ることになったときに始めました。土日だと若い人がたくさん来ますからね。それで調理師をしているウチの息子にアドバイスされて、それまでのカレーライスに卵を足してみたんです」
 最初のころはなかなか商品にできるレベルの「ふわトロ感」にならなかったそうだが、だんだん上達して今に至っているとのこと。なるほど、やっぱりなにごとも練習と経験が重要なんですね。
 「ウチも含めて、ここにある店は姫路競馬ができた当初からあって、今は2代目とか3代目とか。最初のころはどの店も同じようなメニューでしたが、だんだん独自性を出すようになってきましたね。ここは客寄せの声がけっこう激しいですけれど、それに負けないでウチの店に来てくださいね(笑)」
 でも、基本的にはどこに座っても何を注文するかはこちらの自由。いくつかの店から持ち寄ってもいいし、グループなら食べ比べをしても問題ない。ということで、オムカレーに隣の店の「牛すじ煮込み串」をトッピングしたら……と思って実行してみると、これがなかなかいい感じ。いろいろなお店からの組み合わせを試してみるというのも面白いかも!

文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。


※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。