昨年、重賞に昇格しスーパースプリントシリーズに加わった佐賀がばいダッシュ。初年度はB級からの挑戦馬のワン・ツーだった。2年目となる今年の出走馬9頭の中で俄然注目が集まるのがドラゴンゲート。JRAオープンから大井を経て佐賀に転入し、昨年7月の初戦からここまで10戦10勝(うち重賞2勝)と完璧な成績を残している。一方、近走で同馬から僅差の2着に健闘していたハッピーハッピーが回避し、重賞勝ち馬(旧S2重賞除く)がドラゴンゲート1頭のみとあっては、同馬が単勝1.0倍の元返しに支持されるのも納得ということろ。
佐賀競馬では4月より最終レースが19時台のイブニングレースを開催しているが、この日は夏至にあたり、日の入りは19時半ごろ。この週末は好天に恵まれたこともあり、最終レースから2つ前の佐賀がばいダッシュ(18時00分発走)の時間帯はまだまだ昼開催と変わらない明るさだ。
好スタートを決めたのは昨年も逃げを打って2着を確保していたエリザベスセーラと、ドラゴンゲートの外枠2頭。両馬が後ろを大きく引き離してのハナ争いはエリザベスセーラがなんとか制したが、ドラゴンゲートは悠々と外を併走。3コーナーでドラゴンゲートが先頭を奪うとエリザベスセーラとの差を広げ、同馬に5馬身差を付けての11連勝達成。直線でも鞍上の田中純騎手は手を動かさず、持ったままで楽々と圧勝。勝ち時計52秒2は昨年のこのレースで出た佐賀900メートルのレコードをコンマ3秒更新と、ドラゴンゲートの強さだけが際立つレースだった。
以下、昨年同様に2着を確保したエリザベスセーラ、オイカケマショウ、イザ、ハクユウスターダムと入り、掲示板内はいずれも900メートル戦で実績を残している馬たちだった。
ドラゴンゲートは昨年11月の佐賀オータムスプリント、今年1月のウインターチャンピオンに続く重賞3勝目。今回の勝利で習志野きらっとスプリント(7月22日・船橋)への優先出走権を確保したが、「馬主さんは地元をゆっくり使ってくれればいいと言ってくれているし、JRA時代に2度骨折しているので、馬に負担のかかる遠征は避けたい」(三小田幸人調教師)とのことで、吉野ヶ里記念(7月19日)からサマーチャンピオンJpnⅢ(8月12日)の地元重賞が目標となりそうだ。
このまま吉野ヶ里記念、サマーチャンピオンJpnⅢまで連勝すれば、佐賀の古馬短距離重賞で、限定戦(牝馬の佐賀ヴィーナスカップ、九州産馬の霧島賞)を除く5重賞の完全制覇となる。サマーチャンピオンJpnⅢでのJRA・他地区勢の壁は高いが、今の勢いなら同レースの佐賀勢初勝利の偉業達成の期待も大きく膨らんでいきそうだ。
Comment
田中純 騎手
レースは出たなりということで、馬の邪魔をしないように、ゲートを無事にしっかり出してというのが第一でした。気性的にかかる馬なので、じわっと行くつもりだったのですが、道中でハミを噛んでしまって早く行くことになりましたが、手応えはよかったです。
三小田幸人 調教師
枠も一番外で無理することなく行けるので、今日が(これまでで)一番楽かなとは思っていました。応援してくれるファンも多いので、末永く無事に走ってくれればいいと思います。船橋遠征までは考えてませんが、サマーチャンピオンは使いたいですね。