グランダム・ジャパン2歳シーズンは今年もここからスタート。台風12号が心配されたが、関西地区にはほとんど影響がなく良馬場での実施。園田競馬場では翌週30日(水)からファンの入場再開が発表された。無観客での開催は、これで最後となることを願いたい。
近年は、シーズン終盤に向かうホッカイドウ競馬からの出走が目立ち、今年も4頭が遠征。人気面でも、展開的にも、その北海道勢が主導権を握ることとなった。
好スタートから先頭に立ったのは単勝1.7倍の断然人気に支持されたラジアントエンティで、デスブロー、マイハンプスと雁行状態で北海道勢が前を固めた。内で地元のアイルビーゼアもラジアントエンティをすぐ前に見る位置を追走した。
向正面中間を過ぎると、この4頭が後続との差を広げた。3コーナーを回ると、先頭のラジアントエンティが2番手以下との差を広げにかかり、鞍上の吉村智洋騎手はうしろを振り返る余裕の手応え。ムチを入れて気合をつけながら4コーナーを回ると、直線ではあっという間に後続を突き放しての圧勝となった。
5馬身差がついての2着は地元のアイルビーゼアだが、この馬も北海道デビュー馬。デビュー5戦目の未勝利戦を勝って兵庫に移籍。初戦のJRA認定アッパートライを快勝したことで、2番人気に支持されていた。
1馬身半差で3着に、前走リリーカップで3着に好走していた北海道のマイハンプス。園田デビューで2戦2勝のフセノチェリーは4着だった。
人気にこたえたラジアントエンティを管理するのは角川秀樹調教師で、鞍上の吉村騎手とは、3年前にこのレースを制したサラヒメと同じコンビ。その吉村騎手は、「道中は馬が物見して、ずっと外に張っていたので、今回はたぶん五分くらいしか能力を出せていないと思います。伸びシロしかないんじゃないかと思います」と、ここでは能力が一枚も二枚も抜けていた。
なお角川調教師はこの日、地元門別のイノセントカップにも管理馬が出走していたため、門別競馬場でレースを見守った。次走について、「エーデルワイス賞には、ほかにも(自厩舎から)出走予定馬がいるので、そこも視野に入れながら、グランダム・ジャパンのローレル賞か金沢シンデレラカップか、馬が(厩舎に)戻ってきてからの相談になると思います」とのこと。
ラジアントエンティはデビューから2連勝のあと、栄冠賞は6着。中央の芝に挑戦したが2戦とも結果を残せず、ダートに戻って遠征しての初タイトルとなった。北海道デビューの2歳馬の層の厚さをあらためて感じさせる一戦だった。
Comment
吉村智洋 騎手
行けるのであれば行ってもいいとのことだったので、そのほうが不利もなく十分に力を発揮できると思ったので逃げました。厩舎スタッフのみなさんがしっかり仕上げてくれて、乗った感じでは2歳にしてはしっかりしていたし、返し馬の感じでも、ここでは力が抜けてるかなという感じでした。
角川秀樹 調教師
内枠に入ったので、もしかしたら逃げることになるかと思って見ていましたが、3コーナーから後続を離して思った以上に楽に勝てました。小回りコースだからか、外に張り気味だったのが気になりましたが、それを解消できれば、距離が長くなっても問題ないかと思います。