2020年12月4日(金)
第110回 JBC2020
JBCレディスクラシック JpnⅠ
逃げたサルサディオーネは、競りかけてくる馬もなく、平均的なペースで進めました。勝ったファッショニスタは、すぐに2番手の外目につけての追走。直線はマドラスチェックと追い比べとなりましたが、長く脚を使って最後に競り勝ちました。併せ馬の追い比べになったのがよかったかもしれません。ブリンカーを付けていますし、単独先頭で抜け出してしまったら、マルシュロレーヌに差されたということもあったかもしれません。JBCでは2年連続で3着でしたから、ここを勝って繁殖に上がれるということでは、関係者にはよかったと思います。
マドラスチェックは、逃げ馬のうしろ、一番いい位置を追走しました。4コーナーを回ったところで前の進路が開けて、絶好の展開にもなりました。これで負けたのでは仕方ありません。
マルシュロレーヌは外枠もあって中団からの追走になりました。あまり無理して行っても、ということでの追走だったと思います。これでもう少しペースが速くなれば差し切れる展開になったと思いますが、差を詰めることができませんでした。今回は前で追い比べになった2頭がよく走りました。
JBCスプリント JpnⅠ
サブノジュニアはスタートこそ五分に出ましたが、前のペースが速くなったこともあって、中団からじっくり脚を溜めて行きました。おそらく勝つまでとは思っていなかったでしょうから、結果的にそれが勝ちにつながりました。それにしても残り200mからの脚色が際立っていました。矢野騎手も落ち着いてうまく乗りましたが、それ以上に馬が強くなっていました。
内枠3頭の先行争いが激しくなったぶん、マテラスカイは4番手からの追走でした。逃げが予想された馬の中で、すぐに抑えたのは武豊騎手だけでした。スピードのある馬ですが、無理に競り合って行かなかったのが好走の要因でしょう。しかも外目の枠でしたから、砂をかぶらない位置をすすめたのもよかった。直線で先頭に抜け出しかけたところでサブノジュニアに交わされてしまいましたが、これで負けたのでは仕方ありません。勝った馬を褒めるべきでしょう。
ブルドッグボスはスタートで大きく出遅れたのが残念でした。普通にスタートを切って、サブノジュニアと同じような位置を追走できていれば、もっときわどいレースになっていたかもしれません。
コパノキッキングは、4コーナーでは勝ち馬と同じような位置でしたが、案外伸びませんでした。
JBCクラシック JpnⅠ
このレースは3頭の力が抜けていました。中でもクリソベリルの川田騎手は落ち着いていました。2頭を前に行かせて3番手で折り合いました。うしろから来るのは、おそらくオメガパフュームだけで、来ればそのぶんだけ前に行ってと思って乗っていたと思います。直線は並びかけられる場面もないまま、余裕で抜け出しました。レース自体の上りが(4ハロン)49秒4、(3ハロン)37秒3と速かったですが、クリソベリルは36秒8。この脚を使われては、かなう馬はいません。馬場自体も速かったと思いますが、勝ちタイムの2分2秒5は、近年では破格の時計です。
オメガパフュームはクリソベリルをマークする位置で4番手。普段はもう少しうしろからレースをしていますが、クリソベリルを負かそうと思えばこの位置しかありません。直線ではこの馬も伸びてはいましたが、差を詰めることができませんでした。
チュウワウィザードは積極的に2番手に行って、クリソベリルが来る前にどれだけ差を広げられるかというレースをしました。ただ、先着された2頭は強かった。
JBC2歳優駿 JpnⅢ
勝ったラッキードリームは、スタート直後こそ好位につけていましたが、1コーナーを回るところで馬群の中で揉まれるような感じになって、中団まで位置取りを下げることになりました。次から次へと外から来られて、外に持ち出すこともできませんでした。ただ、前が競り合ってペースが速くなりましたから、むしろその位置取りでよかったのかもしれません。それにしてもよく勝ったと思います。馬ごみに入っても我慢できるし、たとえば大井の広い馬場で直線の長いコースなら、また強いレースをするかもしれません。馬も強かったですが、石川騎手も馬群をうまくさばいてきました。2年連続で北海道リーディングになっただけのことはあります。
2着のトランセンデンスは1~2コーナーを最後方で回っていました。前が速かったとはいえ、それにしても直線は勝ち馬以上の勢いで伸びてきました。クビ差ですから、惜しかった。