ウェブハロン

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佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!

2020年6月5日(金)

第107回 マリーンカップ~さきたま杯

マリーンカップ JpnⅢ

報知グランプリカップを逃げ切っていたサルサディオーネが、ここも逃げ切りました。矢野貴之騎手は出ムチを入れて、逃げるつもりだったのでしょう。外枠(14頭立て12番)だったので先頭に立つまでに少し無理をしましたが、内から行く気を見せる馬もいませんでした。ハナを取りきって1コーナーに入れたことが、ひとつ勝因でしょう。マイペースで逃げられたので、直線では差してくる馬もいませんでした。

3番手で直線を向いた的場騎手のメモリーコウが、前のストロングハートをとらえて2着に入りました。前半は中団でしたが、平均ペースの流れで、徐々に位置取りを上げていったのが良かったと思います。

武騎手のスマートフルーレは、メモリーコウよりさらにうしろから。同じように位置取りを上げてきていましたが、メモリーコウとの1馬身半差は、道中の位置取りの差だったと思います。

1番人気のパッシングスルーも中団から。向正面で早めに位置取りを上げていきましたが、3コーナーですでにムチが入って見せ場をつくれませんでした。

かしわ記念 JpnⅠ

中央馬では一番人気がなかったワイドファラオの逃げ切りました。ワイドファラオはスタートダッシュもよかったですが、こういう少頭数のときは思い切って逃げてしまうのもひとつの作戦です。有力馬が躓いて出遅れたことも、この馬にとっては運が良かった。枠順(1番)にも恵まれて、かなり楽なペースでの逃げに持ち込むことができました。3コーナーあたりからペースアップして、上がり3ハロン36秒3で走られては、うしろから差してくるのも難しいです。

ケイティブレイブは、先行しても控えてもいい競馬をします。直線でしっかり脚を使いましたが、今回は逃げ切った勝ち馬を褒めるべきでしょう。7歳でもよく走っています。

サンライズノヴァは直線での伸びがよかっただけに、スタートで躓いたのが残念でした。トモまで落としてしまった感じだったので、相当ロスがありました。スタートを普通に出ていれば3番手あたりにつけられて、もっといい勝負になったかもしれません。

ルヴァンスレーヴは2番手につけましたが、久々だったこともあったのでしょう。あまり積極的にはワイドファラオに競りかけていきませんでした。楽に追走していましたが、追ってからまったく反応しなかったのは休み明けの影響でしょう。

モズアスコットもスタートで躓いて出遅れました。ペースアップした3コーナーから置かれてしまいましたが、地方のダートが合わなかったのかもしれません。

さきたま杯 JpnⅡ

勝ったノボバカラ、2着のブルドッグボスは、スタートしてすぐに内目のいい位置を取りました。3~4コーナーの勝負どころでほかの有力馬が外目を回っているところ、この2頭はぴったりラチ沿いを回ってきました。このあたりはさすがに地元のトップジョッキーです。勝ったノボバカラは、森泰斗騎手の好判断、好騎乗でしょう。御神本訓史騎手もうまく乗りましたが、ブルドッグボスは今回58キロを背負って、それでも最後によく伸びてきました。今回は浦和の小回りコースで、鞍上の騎乗ぶりによるところが大きかったと思います。

ノブワイルドは直線を向いたあたりでは逃げ切ったかと思いましたが、残り50メートルで止まってしまいまいた。相変わらずテンのスピードは速い。ただ先頭に立ってからもう少しリラックスして行ければいいのですが、出ムチを入れていくので、どうしても勢いがついて行きたがってしまいます。このときも1コーナーあたりで口を割っていました。先頭に立ったあと、もう少しなだめていければ、最後まで粘れるのでしょうが、それが逃げ馬の宿命で、競馬の難しいところでもあります。

1番人気のジャスティンは、控える形になって囲まれたら砂をかぶって行く気をなくしているように見えました。向正面ですでに追走に一杯でした

ゴールドクイーンはスタートで躓いてしまいました。よく落馬しなかったというほどです。逃げ馬が外枠で出遅れてしまっては厳しいです。

佐々木竹見(ささきたけみ)

元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。