ディアマルコがグランダム・ジャパン(GDJ)に、そして園田に帰ってきた。高知生え抜きだけに“帰ってきた”という表現は語弊があるかもしれないが、ここまで重賞9勝のうち4勝が園田でのもの。そしてこのレースには4連覇がかかる。またGDJでは、2016年の3歳時には、3歳シーズンで2位、古馬シーズンで3位、そして昨年はついに古馬シーズンで優勝を果たした。
しかしディアマルコは、不振に陥っての休み明けだけに4番人気。単勝2.5倍の1番人気に支持されたのは、一昨年のGDJ3歳シーズン女王で、その後も古馬シーズンに挑戦を続けている大井のステップオブダンス。船橋のオルキスリアンと地元のエイシンエールが4.9倍で並んだが、票数の差でオルキスリアンが2番人気だった。
レースは、それら人気を集めた有力馬それぞれに厳しいものとなった。エイシンエールはスタートでタイミングが合わず大きく出遅れて離れた最後方から。ステップオブダンスは1番枠にもかかわらずダッシュがつかず中団よりうしろからの追走となった。
逃げたのはヴェルジェーズで、ディアマルコがぴたりと外の3番手、スタート後やや行きたがる素振りを見せたオルキスリアンはそのうしろの馬群の中で折り合いをつけた。
向正面で外に持ち出したステップオブダンスが位置どりを上げていくと、3~4コーナーでは一気に先頭へ。そのまま突き抜けるような勢いだったが、直線半ばでばったり。代わってオルキスリアンが先頭に立ったところ、馬群をかき分けるように一気に進出したエイシンエールが内から馬体を併せると、クビ差とらえたところがゴール。大外を伸びてきたエイシンミノアカが2馬身半差で3着に入った。
惜しくも2着に敗れたオルキスリアンの佐藤友則騎手は、直線で他馬に何度かぶつけられたと納得のいかない表情。道中、中団馬群の中を進んでいたエイシンミノアカは向正面で行き場をなくすような場面があり、3コーナーでようやく外に持ち出したものの、4コーナーで大きく外に振られるロスがあった。直線での伸びを見ると残念な着差だった。
人気のステップオブダンスは4着。「小回りなので押し切れるかと思ったけど、直線を向いて遊んでしまうのか、止まってしまった。追い出すタイミングが難しい」と吉原寛人騎手。
ディアマルコは好位3番手で余裕の手応えに見えたが5着。馬体重マイナス20キロは地元で太めだったのを戻しての出走だったが、「トモの蹴りがまだよくないので出脚がつかない。本来の調子だったら逃げられていたはず」と佐原秀泰騎手。
勝ったエイシンエールは、デビュー以来手綱をとってきた鴨宮祥行騎手が負傷療養中のため、今回は田中学騎手が初騎乗。これまで逃げ・先行で結果を残していたが、出遅れても落ち着いていた。3コーナーまで仕掛けを待ったぶん直線で伸び、思い切って内を突いたことで僅差の勝利につながった。
また管理する渡瀬寛彰調教師は、2017年の佐賀ヴィーナスカップをエイシンアトロポスで勝っていたが、地元兵庫ではこれが重賞初制覇。「短距離も視野にありますが、グランダムを狙うなら、次は読売レディス杯になると思います」とのことだった。
Comment
田中学 騎手
出遅れて最悪の展開になりましたが、ひとつでも着順が上がればと思って切り替え、今日は馬に助けられました。4コーナーから直線では手応えがあったので、勝つまではいかなくても3着くらいはあるかなという感じでした。無様なレースだったんですが、(脚質に)引き出しが増えたかなと思います。
渡瀬寛彰 調教師
スタートで終わったと思いました(笑)。勝負どころでは脚を使うので、ある程度上の着順にはと思いましたが、まさか突き抜けるとは思いませんでした。暑い時期も得意で、とにかく調子はよかったです。前回オープンで勝ったといっても52キロ、今回プラス3キロでしたが、すべて克服してくれました。