佐賀競馬ではここ数年の間に、番組面では通年薄暮開催の実施や、2歳、3歳、古馬の各重賞路線の大幅な再編。設備面では馬場改装工事や照明施設の新設、スタンド耐震化工事などが行われてきたが、9月にパッカルビジョンの設備更新と、JRA発売を行うJ-PLACE鳥栖(WINS佐賀から移管)の開設が完了。まだ場内でいくつかの工事が継続中だが、大きな変革もようやくひと区切りついたところ。
2歳戦は5月18日に今年最初の新馬戦が組まれ、そこを勝ったミスカゴシマがその後も勝ち星を積み重ね、JRA小倉のフェニックス賞遠征での6着を除く佐賀4戦はいずれも勝利と他馬を圧倒。九州ジュニアチャンピオンの前哨戦となるシリウス特別(9月23日、1400メートル)には出走しなかったが、勝ったヘンシンの勝ち時計(1分32秒9)は、自身の持ち時計(1分27秒8)に遠く及ばず、九州ジュニアチャンピオンでは単勝元返しの支持を集めることとなった。
好スタートからミスカゴシマが先頭を奪うも、1コーナーでカミノメグミが内から交わして逃げに持ち込こんだ。しかし、ミスカゴシマ鞍上の石川慎将騎手は、道中では「前の馬も後ろの馬もあまり気にしていなかった」と、自分の競馬に徹していた。向正面で先頭を奪い返すと、あとは後続を突き放す一方となり、ゴール前では大きく左手を上げてガッツポーズ。ミヤノクリステンに2秒1の大差をつける圧勝劇となった。
一方、2着のミヤノクリステンから最下位(9着)のエアーポケットまでは1秒7差と、こちらは実力伯仲の印象。佐賀若駒賞など、今後の佐賀デビュー馬限定戦での序列争いは激化していきそうだ。
ミスカゴシマは前走のJRA認定2歳1組(9月8日)では、門別で1勝を挙げ佐賀転入初戦だったエムティリンドや、JRAから転入後3連勝中だったトーセンザゲームを相手に勝利している。管理する平山宏秀調教師は、2018年1月の初出走から1年9カ月で重賞初制覇を達成。JRA遠征経験もあり、すでに他地区デビュー馬相手に勝利を挙げているミスカゴシマには大きな期待がかかるところで、今後は遠征再挑戦のプランもあるとのこと。
ここ2年は九州ジュニアチャンピオンの勝ち馬がその後は不振で、3歳重賞では昨年はスーパージェットが二冠、今年はスーパージンガが三冠を達成と、北海道デビュー馬が世代をリードしていた。この世代はミスカゴシマと他馬との実力差が大きく離れていることが鮮明となっただけに、佐賀デビュー組の復権なるかの可否は同馬が一身に背負っていくことになりそうだ。
Comment
石川慎将 騎手
一戦ごとに強くなっているので、今日はどんな競馬をするかなという感じで乗っていました。相手がいるとその馬についていく勝負根性がありますが、今日は一頭で悠々と走っていました。元々の能力が高いと思いますが、そこを自分がうまく引き出せればと思います。
平山宏秀 調教師
前走までいい勝ち方をしてくれていたので、今日は冷静に見ていられました。今日の疲れはそれほどないと思うんで、今後は長い距離のレースにも挑戦していきたいです。具体的なレースはまだありませんが、よそへ遠征ということも考えています。