JBC2020

11月3日(祝火)大井競馬場

JBCスプリントJpnⅠ

大井9R 17:10発走 右1200m

注目馬情報

ジャスティン

牡4 JRA 矢作芳人厩舎 通算18戦7勝

父: オルフェーヴル
母: シナスタジア
母の父: Gone West

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今年4月に地方初参戦となった東京スプリントを逃げ切って重賞初制覇。続くさきたま杯はスタートで躓いたこともあって5着に敗れたが、約4カ月の休養を挟んだ前走の東京盃を勝利。大井1200mは2戦2勝となり、大一番でも要注目の存在だ。

昨年秋にダートの短距離に路線変更すると、それまでとは違った走りでオープンまで駆け上がった。4月の東京スプリントでダートグレードに初参戦し、初めての地方の馬場で鮮やかな逃走劇。最後はサブノジュニアの猛追を振り切った。オープン特別を勝ったばかりの新星とのコンビで優勝したのはともに大井育ちの矢作芳人調教師と坂井瑠星騎手。「一歩目で躓いたにもかかわらずそこからの脚が速くラクに前へ行くことができた。昨年12月頃から馬がグンと良くなっています」と坂井騎手がコメント。その後、小回り1400mのさきたま杯に臨んだが結果5着で、やはりベストはワンターンの1200mか。前走の東京盃では3番手に控える競馬で快勝できた収穫は大きく、一躍有力候補に。

ブルドッグボス

牡8 浦和 小久保智厩舎 通算43戦13勝

父: ダイワメジャー
母: リファールカンヌ
母の父: デインヒル

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昨年浦和で行われたJBCスプリントを6番人気ながら差し切ってJpnI初制覇。8歳になった今年はオープン特別での1勝のみだが、クラスターカップ3着、東京盃2着では差し脚を武器に善戦を続けている。地方馬初のJBC連覇も十分可能だ。

昨年のJBCスプリントは巧みな立ち回りで堂々たる優勝。地元浦和JBCを最高に盛り上げた。続くゴールドカップは過去最高体重の532キロだったが、キッチリ捕らえて重賞連勝。その後は中央入りするもフェブラリーステークス1走でUターンし、短距離戦線を賑わしてきた。大井の1200mでは、17年東京盃2着、JBCスプリントで3着し、昨年の東京盃でも2着はあるものの、まだ勝ち星がないのが不思議なくらいだ。クラスターカップでは重い負担重量59キロを背負ったこともあり、「定量57キロで走れるのはプラス。できれば内枠を引きたい」と御神本訓史騎手が言えば、小久保智調教師は「JBC連覇が目標。大井の長い直線を生かして差し切りたい」と連覇ムードは高まっている。

コパノキッキング

セ5 JRA 村山明厩舎 通算19戦9勝

父: Spring At Last
母: セラドン
母の父: ゴールドヘイロー

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昨年は東京盃を4馬身差で快勝し、浦和1400mのJBCスプリントではクビ差の2着に惜敗。今年は4戦して未勝利も、連覇を狙った前走の東京盃では追い込んで0秒1差3着と好内容。ダート1200mの重賞で3勝の実績は上位だけにJpnI初制覇に期待がかかる。

昨年は悔しいクビ差の2着。早めに逃げ馬に並びかけて先頭に立つと、このまま優勝かと思われたゴール前でブルドッグボスの猛追に屈した。鬱憤を晴らすかのようにカペラステークスを勝利し、春には昨年2着だった東京スプリント制覇を狙ったが、ジャスティンを追いかけるかたちで2番手を追走し、捕らえるどころか直線では脚いろが鈍って5着が精一杯。「終いは脚がなくなってしまった。かみ合わなかった」という藤田菜七子騎手のコメントが印象的だ。前走の東京盃では直線鋭く伸びたが3着。それでも「ためた分しっかり伸びて、負けはしてもJBCスプリントへのイメージをつかむことができた」とコメントは前向き。勝ち馬との着差もコンマ1秒と逆転可能で、昨年の雪辱を果たしJpnI制覇へ。

マテラスカイ

牡6 JRA 森秀行厩舎 通算31戦7勝(内海外4戦0勝)

父: Speightstown
母: Mostaqeleh
母の父: Rahy

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18年のプロキオンステークス、今年のクラスターカップと重賞2勝は、ともに日本レコード。中央、地方、海外で積んだ実績は上位だが、前走の東京盃では11着と敗れたことから時計が掛かる馬場への対応がカギになりそうだ。

米GIのブリーダーズカップスプリントに出走予定で輸出検疫所に滞在していたが、目標を切り替えて国内のJBCスプリント出走。「検疫のため美浦で調整していましたが、オーナーの意向もあってJBCへ。前走は出遅れがすべてで、五分に出て自分の競馬さえできればと思っている」と清水亮助手。その前走東京盃はまさかの11着。ぬかるんだ馬場のなかスタートで躓いて後方からの競馬となり、流れに乗れずじまいでリベンジ必至だ。ドバイ、アメリカ、サウジアラビアと海外経験豊富で世界に通用するスピードは証明済み。3月のドバイが中止となって帰国後は北海道スプリントカップ2着、盛岡のクラスターカップではダート1200mで日本レコードを弾き出している。

モズスーパーフレア

牝5 JRA 音無秀孝厩舎 通算22戦7勝

父: Speightstown
母: Christies Treasure
母の父: Belong to Me

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昨年のオーシャンステークスを制し、今年は高松宮記念を9番人気ながら逃げてJpnI初制覇(1位入線馬降着による繰り上がり)。通算7勝はいずれも芝1200mで、今回は初のダート戦。父はマテラスカイと同じSpeightstownだけに血統的には対応できそうだ。

高松宮記念勝ちのGI馬が初めてのダート、初めての地方の馬場、初めてのナイター競馬と初物尽くしで出走してくる。今年の高松宮記念は1位入線馬が降着のため繰り上がり優勝ではあるが、9番人気でダッシュよく逃げ、深い追いしてくる馬もなく3馬身のリード。粘っているところで、切れ込んできた馬の被害を受けた結果の優勝だった。「ダートは未知数だが、大型馬でパワーは十分なのでいい方に出るのではないかと思っている。ここも持ち前のスピードを生かしたい」と音無秀孝調教師は適性を感じている。自分のかたちに持ち込めるかどうかだが、スピード勝負型が揃ってスタートから一寸の隙もない。大井のタフなダートでアメリカ血統が開花するか。

サクセスエナジー

牡6 JRA 北出成人厩舎 通算29戦11勝

父: キンシャサノキセキ
母: サクセスアイニー
母の父: ジャングルポケット

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地方のダートグレード4勝はすべて1400m。前走のテレ玉杯オーバルスプリントでは他馬より3kg以上重い58kgながら4コーナー先頭から押し切って快勝。昨年浦和で行われたJBCスプリントは11着だったが、ダート1200mでも6戦3勝という成績を残している。

秋初戦のテレ玉杯オーバルスプリントでは、58キロの重い負担重量を背負いながらも3~4コーナーで先頭に立ち、直線力強く押し切る堂々たるレース運びでまさしく完勝。これがダートグレード4勝目となったが、すべて1400m戦。昨年の東京盃出走時にはブリンカーを着用して臨み、好位の外め追走から直線もよく伸びているがゴール前でブルドッグボスに差されて3着。1200mの忙しい競馬は不向きな印象も受けた。「休み明けの前走でいい勝ち方をしてくれた。もともと叩き良化型なので状態は上向き。追い切りで気合いを入れておけば1200mでも問題ないはず」と北出成人調教師。対策も万全で6ハロン戦に臨む。

サブノジュニア

牡6 大井 堀千亜樹厩舎 通算35戦11勝

父: サウスヴィグラス
母: サブノイナズマ
母の父: カコイーシーズ

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今年4月の東京スプリントではジャスティンに1馬身1/4差と迫る2着。その後は3連勝でアフター5スター賞を制し重賞初制覇。前走東京盃は追い込み届かず5着に敗れたが、通算11勝のうち10勝を挙げる大井1200mはベストな舞台だ。

6歳になる今まで様々な距離を探ってきたが、「1200mがベストだね。今年はJBCを目標にして1200m戦に絞って使ってきた。集中力を欠くような気性面の課題も年齢とともに解消。エンジンの掛かりがゆっくりなタイプだから前がもつれてくれるほどいい」と堀千亜樹調教師。昨年暮れから使用しているホライゾネットの効果もあって安定した走りができるようになり、春には東京スプリントでジャスティンの2着とダートグレードでも通用することを証明済。2度の骨折を乗り越えて復帰するごとにパワーアップしている印象だ。アフター5スター賞では待望の初タイトル。前走の東京盃では差し馬には不向きな馬場ながら5着まで迫った。強烈な決め手を発揮できるか。

ノブワイルド

牡8 浦和 小久保智厩舎 通算36戦13勝

父: ヴァーミリアン
母: コウエイベスト
母の父: アンバーシヤダイ

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昨年は重賞3連勝でテレ玉杯オーバルスプリント連覇を達成したが、続く浦和のJBCスプリントでは5着。今年のテレ玉杯オーバルスプリントでは3着と3連覇はならなかったが、直線でしぶとい面を見せただけに楽に先行できれば見せ場は作れそう。

8歳になる今年も超電撃1000mの習志野きらっとスプリントを連覇しているように、南関東きっての韋駄天。昨年は重賞3連勝したのちJBCスプリントに挑み、楽な逃げではなかったが5着に粘ったのは健闘と言える。前走のテレ玉杯オーバルスプリントでは3連覇が懸かっていたが、押して押してという逃げで、残り400mで交わされていったん下がったところからもう一度盛り返して3着。3連覇は叶わなかったが、粘り強い先行力を見せつけた。「右回りは問題ないと思うし、自分のかたちでレースができさえすれば」と左海誠二騎手。前走後はひと息入れた調整で、強力な同型馬相手にどこまでスピードを発揮できるか。とにかく逃げが必須条件。

メイショウアイアン

牡10 北海道 田中淳司厩舎 通算56戦11勝

父: マヤノトップガン
母: デヒアバーズ
母の父: デヒア

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10歳を迎えた今年、6月の北海道スプリントカップでは、逃げ込みを図るマテラスカイをハナ差ながら差し切って悲願のダートグレード初制覇。前走のウポポイオータムスプリントも勝って弾みをつけた。昨年は9着だったが、今年こそ上位を狙う。

昨年のJBCスプリントは後方のまま9着に終わったが、今年は5戦して2勝、着外は1度もない走りを続けている驚異の10歳馬。北海道スプリントカップでは昨年2着のリベンジをするかのようにマテラスカイをハナ差捕らえての勝利(2着は同着)。クラスターカップでは砂をかぶりながらも5着。「クラスターカップの盛岡は軽いダートでマテラスカイの競馬になってしまったが、大井のタフな馬場なら動けるはず。今年は本当に調子が落ちずに良さを維持している。去年、一昨年と詰めて使っていた時とは違う」と田中淳司調教師。大井コースは初めてになるが馬場のタフさは門別と同様。前走は第1回ウポポイオータムスプリントを勝って勢いをつけ大井にやって来る。

ベストマッチョ

セ7 川崎 佐々木仁厩舎 通算28戦7勝

父: Macho Uno
母: Encore
母の父: Storm Cat

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JRAではダート1200mのオープン勝ちの実績。今年7月、浦和に移籍し、2戦目のプラチナカップで重賞初制覇。続くテレ玉杯オーバルスプリントでは、3コーナーからサクセスエナジーと競り合って2着に善戦。好位で粘りを発揮すれば上位食い込みも。

中央時代にはダート短距離オープンで好走していた7歳セン馬が今夏に南関東移籍。初戦のオープン特別ではブルドックボス相手に半馬身差の2着。最後迫られてからも食い下がる勝負根性も見せた。2戦目はプラチナカップで5歳時以来の重賞出走。早めに先頭に立って押し切り、圧倒的1番人気に応え重賞制覇。左回りの1400mを得意としていたイメージもあるが、「右回りは中山でオープン勝ちがあるし心配ない。むしろ広い大井コースは合うはず」と佐々木仁調教師。前走のテレ玉杯オーバルスプリントでは2番手に控えると、優勝馬サクセスエナジーに食い下がって2着に粘りきった。レース後の森泰斗騎手は「今なら1200mでもいいかもしれない」とコメント。大井1200mで進境あるかも。

(吉田総一郎)
(金子正彦・中川明美(協力:競馬ブック))

注記

当ページは、10月23日発表の選定馬情報に基づき作成しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性があります。また、当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。