データ分析
JBC2歳カテゴリーの新設競走
2019年まで、北海道2歳優駿として46回の歴史を重ねてきたが、今年からJBCの2歳カテゴリーの競走「JBC2歳優駿」としてリニューアルされての実施となる。JRA交流になった1997年以降の23回ではJRA12勝に対し、地元北海道が11勝と互角に渡り合っている。16年の勝ち馬エピカリスはのちに、UAEダービーGⅡに遠征し2着。13年のハッピースプリントは、全日本2歳優駿JpnⅠや南関東3歳二冠など多くの重賞を制しており、出世レースと呼ぶのにふさわしい。ここでは過去10回の北海道2歳優駿の結果から傾向を探っていく。
5番人気以下が5勝
過去10年の単勝人気別成績では、1番人気は4勝、2、3着各1回だが、2、3番人気で3着以内は各3頭のみ。1番人気でも4回馬券圏内を外しているため、人気はあまり気にしないほうがよい。12年にはアルムダプタ(JRA)が7番人気で勝利し、18、19年と6番人気が連勝。5番人気以下が16頭も3着以内に入っているように人気薄の食い込みにも警戒が必要。
[表1]単勝人気別成績(過去10回)
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 4-1-1-4 | 40.0% | 50.0% | 60.0% |
2番人気 | 0-1-2-7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
3番人気 | 1-2-0-7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
4番人気 | 0-2-0-8 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気以下 | 5-4-7-63 | 6.3% | 11.4% | 20.3% |
中枠の馬が好走
3着以内馬の馬番内訳は、中ほどの6~9番が3着以内に12頭入っており、過去2回(各13、14頭立て)では4頭が3着以内と近年好相性をみせている。出走頭数にもよるが、中央に近い枠の馬に注目したい。また1~3番も10頭馬券に絡んでいる。
[表2]3着以内馬の馬番(過去10回)
年 | 10年 | 11年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
頭数 | 12頭 | 14頭 | 10頭 | 12頭 | 12頭 | 10頭 | 13頭 | 9頭 | 13頭 | 14頭 |
1着 | 3 | 13 | 6 | 5 | 3 | 8 | 13 | 7 | 2 | 6 |
2着 | 11 | 7 | 1 | 1 | 11 | 1 | 3 | 2 | 7 | 8 |
3着 | 5 | 9 | 4 | 3 | 12 | 9 | 8 | 6 | 9 | 2 |
※4番は取消 |
少数精鋭のJRA優勢
過去10回の出走馬119頭の所属は、JRA39頭、北海道79頭、その他は岩手の1頭だけで、毎年ほぼJRAと北海道の対決となる。3着以内馬の数では、JRA、北海道とも15頭ずつ。3着内率では38.5%とJRAが優勢だが、3着以内を独占したことはない。なお1番人気の北海道馬が馬券に絡んだのは13年・1着ハッピースプリントと18年・2着ウィンターフェルの2頭。基本的に、JRAは1~3番人気、北海道は4番人気以下が馬券に絡む傾向が強い。
[表3]所属別成績(過去10回)
所属 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA | 6-6-3-24 | 15.4% | 30.8% | 38.5% |
北海道 | 4-4-7-64 | 5.1% | 10.1% | 19.0% |
その他(岩手) | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
牝馬は10頭中4頭が3着以内
過去10回の性別成績では、牝馬の3着以内は4頭だけだが、出走が10頭と少なく3着内率では40%。ただし牝馬で勝った15年のタイニーダンサー(北海道)は、エーデルワイス賞JpnⅢも制しており、実績上位でないと、勝ち切るのは容易ではない。
[表4]性別成績(過去10回)
性別 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡 | 9-9-8-83 | 8.3% | 16.5% | 23.9% |
牝 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
JRAの2勝馬は3着内率100%
過去10回のJRA馬の勝利数別成績では、2勝馬の出走は5頭と少ないが、3勝、2、3着各1回と3着内率100%の好成績を残している。中でもここまでダート2戦2勝で、いずれも2着に5馬身以上の差をつけて勝ってきた11年のオーブルチェフ、16年のエピカリスは、ここも制してダート3戦3勝とした。ただ5頭のうち10年2着ビッグロマンス(2番人気)以外はすべて1番人気で配当的な妙味は少ない。
[表5]JRA馬の勝利数別成績(過去10回)
勝利数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2勝 | 3-1-1-0 | 60.0% | 80.0% | 100.0% |
1勝 | 3-5-2-24 | 8.8% | 23.5% | 29.4% |
サンライズC 1~3着馬が好相性
過去10回、北海道所属馬では、サンライズカップ1~3着馬が29頭が出走し、約1/3の9頭が馬券に絡んでいる。同4着以下から3着以内に入ったのは、10年に4着から参戦し3着に入ったエバーオンワードが唯一だ。同レース不出走だった北海道所属馬で3着以内に入った5頭は、エーデルワイス賞JpnⅢ・1、2着馬、フローラルカップ1着馬、川崎・鎌倉記念2着馬、JRA札幌芝のすずらん賞4着馬といずれも重賞かJRAでの実績があった。
[表6]北海道所属馬のサンライズカップ着順別成績(過去10回)
着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1~3着 | 2-3-4-20 | 6.9% | 17.2% | 31.0% |
4着以下 | 0-0-1-21 | 0.0% | 0.0% | 4.5% |
不出走 | 2-1-2-23 | 6.9% | 10.3% | 17.2% |
勝つのはこういう馬!
【JRA】JRAの勝ち馬6頭のうち、12年を除く5頭には、『牡馬』『初勝利は2走前』『前走(1勝クラス)が5着以内』という共通項があった。初勝利の勢いがあり、1勝クラス昇級戦で通用のメドを立てていた馬を信頼したい。なお12年1着アルムダプタと同様の1戦1勝馬は7頭出走し、ほかに馬券に絡んだのは11年2着ベルモントレーサーのみ。
[表7]JRA優勝馬の『初勝利したレース』と『前走着順』
年 | 優勝馬 | 初勝利 | 前走着順 |
---|---|---|---|
11年 | オーブルチェフ | 2走前 | 1着 |
12年 | アルムダプタ | 前走 | 1着(※1戦1勝) |
14年 | ディアドムス | 2走前 | 5着 |
16年 | エピカリス | 2走前 | 1着 |
17年 | ドンフォルティス | 2走前 | 1着 |
19年 | キメラヴェリテ | 2走前 | 3着 |
【地方】地方所属の勝ち馬4頭は、『サンライズカップで3着以内』の馬か、サンライズカップ不出走でも『JRA馬が相手の前走で掲示板内を確保』していた馬。サンライズカップ上位馬や、強い相手に揉まれていた馬に注目。
[表8]地方優勝馬の『前走・着順』
年 | 優勝馬 | 前走・着順 |
---|---|---|
10年 | カネマサコンコルド | JRA札幌すずらん賞・4着 |
13年 | ハッピースプリント | サンライズカップ・1着 |
15年 | タイニーダンサー | エーデルワイス賞・1着 |
18年 | イグナシオドーロ | サンライズカップ・3着 |
(栗田勇人)
注記
当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。