5月31日の九州ダービー栄城賞(佐賀)から、6月18日の北海優駿(門別)までの約3週間で全国8つのダービーが行われるダービーシリーズ2020。例年同様に佐賀が初戦となったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月下旬からの無観客開催が継続中で、静寂に包まれての開幕となった。
佐賀の2、3歳戦線はミスカゴシマが遠征2戦(JRA小倉、金沢)以外の佐賀での10戦は負けなしで重賞5勝と、この馬のほぼ独壇場。当地無敗の3歳二冠達成に大きな期待が掛かっていた。
そのミスカゴシマが好スタートを決めスタート直後に先頭に立ち、一気にこのまま行くかと思われたが、内からアイノウィステリアとスターオブグリーンの2頭が先頭を奪いにかかる。逃げるのはアイノウィステリアとなり、ミスカゴシマは4番手に控える形となった。
2コーナーで前の4頭からやや離れた5番手に後退していたミスカゴシマは、向正面に入り前との差を詰めにかかった。しかし、道中は中団うしろにいたトップレベルがいい脚で上がってきていた。
3コーナーで、逃げるアイノウィステリアをエアーポケットとミスカゴシマがとらえようかというところをトップレベルがまとめて交わして先頭を奪取すると、直線でさらに後続を突き放してエアーポケットに6馬身差を付ける圧勝。ミスカゴシマはエアーポケットから2馬身半差の3着に終わり、4着にはオドルキツネ。佐賀皐月賞の上位4頭がここでも1~4着を占める結果となった。
九州ダービー栄城賞はここ2年は他地区デビュー馬が勝利していたが、今年は17年のスーパーマックス以来となる佐賀デビュー馬の勝利。しかし同馬は栄城賞前に大井への転出経験があり、佐賀生え抜き馬の勝利としては15年のキングプライド以来となった。
勝ったトップレベルはここまで重賞では2着3回、3着2回。6度目の挑戦での初制覇となった。また、ミスカゴシマとは初対戦の九州ジュニアチャンピオンでは2秒3差の3着で、3歳戦では4戦連続2着だったが、佐賀皐月賞ではその差をクビまで詰めており、今回は3着の同馬に1秒6差を付けての初勝利。それだけに管理する三小田幸人調教師は「嬉しいですね。調子もピークに上がっていて、やれるんじゃないかなと思っていましたが、こんなに強いとは思わなかった」と喜びもひとしお。今後については「夏も迎えるし、ここまで頑張ってきているのでゆっくりさせるかもしれない」とのこと。
一方、ミスカゴシマは、地方のレースではこれまで逃げか2番手で進めていたが、今回は4番手からと不慣れな競馬に。また、勝ち馬に一気に交わされ競り合う展開にも持ち込めずと、持ち味を発揮できずの敗戦だった。力負けとは言い切れないだけに、三冠最終戦のロータスクラウン賞(8月16日)での巻き返しが期待されるところだ。
Comment
兒島真二 騎手
ミスカゴシマを目標にして、(同馬との)距離を測っていました。手応えはよかったですが、3コーナーで早めに先頭に立っていたので、ひょっとしたらゴール前でやられるかも?と思って目一杯追いました。今日はダービーを勝ててとてもうれしいです。
三小田幸人 調教師
距離が長いから期待は大きかったですね。ジリジリと上がっていったらミスカゴシマは根性があるので交わし切れないので、一気に交わさないといけないと、自分の描いていたとおりの競馬をしてくれました。今後は休ませるかもしれませんが、今のところは未定です。