地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で6年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2015(グランダム・ジャパン2015)」を実施します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
2番手から直線突き放す
2年連続女王へ視界良好
2010年に始まり、今年で6年目を迎えたグランダム・ジャパン。地方最強牝馬を決めるべく、2015年のグランダム・ジャパン3歳シーズンが3月24日、名古屋の若草賞で開幕。3歳女王を目指して地元・名古屋のみならず、川崎、兵庫、高知、佐賀から素質豊かな馬たちが集結して行われた。そんなハイレベルなメンバーの中、優勝したのは1番人気に推されたジュエルクイーン。前走は中央・芝のクイーンカップGⅢに挑戦したが、結果はしんがり負け。その後は「ハリをして2週間ほど楽をさせた」とのことだが、「毛づやはちょっと前よりグンと良くなっているし、力関係からみても大丈夫だと思うよ」とレース前の川西毅調教師は強気で、事実、パドックでの気配も気合がのって好ムードに見えた。
レースは大方の予想通り、逃げれば4戦4勝のハナノパレードが果敢にハナへ。積極的に押してジュエルクイーンはこれをマークする形の2番手。道中はこの2頭が後続を離し、最後はどちらも脚いろが鈍ったものの、直線半ばからジュエルクイーンが突き放し、結果的に前2頭での決着。直線追い込んだメモリードルマンが3着に入った。
2着の戸部尚実騎手が「もっと離して逃げるつもりのペースだった。それにぴったりマークして、直線で突き放すんだから、今日のところは勝った馬が一枚上だった」と語り、3着の東川公則騎手は「まだ、跳びが本当じゃないけど、前2頭が飛ばして速い流れだったから、何とか届かないかなと思ったけどダメだったね」と振り返った通り、現段階においてジュエルクイーンがこのメンバーでの力上位ぶりを示す内容となった。
しかし、勝った岡部誠騎手は浮かぬ表情。この馬の素質を高く評価しているからこそと前置きしたあと、「見た目ほどペースが速い印象はなかった。それでも(ハナノパレードを)抜かしに行った時には一杯に近い感じの脚いろだったからね。本来ならあっさり突き放すくらいの力があると思うんだけどなあ。まあ、今回は砂が入って力のいる馬場になっていたし、前走で減らしていたとはいえ、プラス22キロで少し太かったぶんもあるかもしれないね」と分析。見ている方としては、2番人気のライバルを3馬身競り落とした強い競馬に思えるが、求めているものが高いぶん簡単に満足するわけにはいかないのだろう。とはいえ、芝のレースを使って2週間ほど楽をさせた経緯を考えると今後の上積みは大きいだろうし、初の名古屋コース、そして忙しい1400メートルに対応できたなど収穫も多かった。
なにはともあれ、ポイントはしっかりゲットできた。これでグランダム・ジャパン3歳シーズンの有力候補に挙がったのは間違いないし、約1カ月後には再度、地元名古屋の東海クイーンカップ(4月21日・1600メートル)が行われ、さらにポイントを上積みできる可能性が高い。史上初の2歳・3歳シーズン連覇へ向けての視界は良好といえる。
岡部誠騎手
ちょっと太かったせいもあるだろうけど、道中の反応がひと息だったし、ちょっとつかみづらいところはあります。ポジティブに考えれば、現状でこれだけ走れたのは奥のある証拠ともいえる。もっとやれる馬だと思っているし、グランダム・ジャパンに向けて今後も頑張っていきたいです。
川西毅調教師
6~8キロくらいは戻して(増えて)いると思っていたけど、22キロ増は意外だった。ただ、2週間ほど楽をさせたけど、仕上げにはそれなりに自信はあった。まだまだ課題はあるけど、グランダム・ジャパンへ向けて次は東海クイーンカップを目標にしています。