向正面進出から直線突き放す
福山の敗戦を糧に佐賀で雪辱

　グランダム・ジャパン2011の3歳シーズンは、震災の影響により初戦の桜花賞（浦和）が中止、今年からシリーズに加わった若草賞（3月28日、福山）が開幕戦となり、ル・プランタン賞はシリーズ第2戦として行われることとなった。
　その若草賞を勝利したリジョウクラウンを筆頭に、同レースの1〜4、6着馬の上位陣が出走。5月に予定されていた留守杯日高賞（水沢）もすでに中止が決まっており、若草賞上位馬にとっては、ここでのポイント上積みがシリーズ優勝争いにとって大きな意味を持つ一戦となった。
　タキノナアチャンとのスタート争いを制したリリーが先頭に立つと、ほどなく隊列が収まって、ヒシダイアナ、マンボビーン、リジョウクラウンらは中団から後方につけて若草賞同様の位置取り。向正面に入ってマンボビーンが進出を開始すると、ヒシダイアナ、リジョウクラウンもこれを追って位置取りを上げてきたものの、マンボビーンの行き脚がよく、3コーナーで先頭のリリーに並びかける勢い。そのまま2頭が後続に差をつけ、リリーもよく粘ったものの、マンボビーンが直線突き放して勝利。一方、ヒシダイアナ、リジョウクラウンは2着争いには加わってきたものの、前を行くリリーをとらえることはできずに3、4着に敗れた。
　マンボビーンは若草賞では後方の位置取りから早めに動き、一旦は先頭を奪ったものの、直線でリジョウクラウンに差されての2着。今回も若草賞と同じような展開ながら、「前回はゆっくりしていては間に合わないというのが頭にあったので、早仕掛けで行きましたが、今回は4コーナーまでは馬にまかせて行きました。前回の上がりの競馬がかえって活きていました」（松浦政宏騎手）と、前走の敗戦を糧にしての勝利で、2着リリーとは2馬身差ながら、着差以上の完勝となった。
　グランダム・ジャパンのポイント争いは、他地区レースで優勝（15ポイント）のマンボビーンが合計22ポイントと、若草賞優勝のリジョウクラウンに7ポイント差をつけて逆転し、トップに立った。表彰式のインタビューで松浦騎手は「これから馬と一緒に僕も成長していきたいですね」と語り、今後のグランダム・ジャパンでの活躍にも注目していきたいところだ。
　九州勢も、花吹雪賞、飛燕賞でヒシダイアナの後塵を拝していたリリーが2着を確保。両重賞を制したヒシダイアナは、若草賞と同じく3着ながら、勝ち馬との差は詰めている。昨年は笠松勢に1〜3着を独占されたが、今年は大きく躍進。牡馬の大将格ウルトラカイザーとともに、九州ダービー栄城賞へむけて九州3歳重賞戦線も盛り上がっていきそうだ。