スタートダッシュで他馬を圧倒
人気馬を寄せ付けず重賞連勝

　2011年の2歳ダートグレード戦線は、残念ながら地方所属馬が勝利を挙げることができず。しかし地方競馬全体を見渡すと牝馬の活躍が目立った。そしてグランダム・ジャパン2歳シーズンの最終戦として行われた東京2歳優駿牝馬には、活躍馬が全国から集結した。
　断然人気となったエミーズパラダイスは北海道から船橋に移籍し、初戦の大井・2歳特別を圧勝。エンジェルツイートは北海道からの遠征で平和賞を制し、今回は大井に転厩しての出走。ほかに北海道からの転入組では、リリーカップを勝って川崎へ転厩したレイモニや、同3着で船橋に移籍のリカチャンス。アスカリーブルは兵庫で4戦4勝、園田プリンセスカップを制し、大井に転入した。
　南関東の生え抜きでは、船橋のドラゴンシップがハイセイコー記念からローレル賞を連勝。大井のアイキャンデイは、ハイセイコー記念、平和賞でともに2着。
　遠征組では、エーデルワイス賞Jpn�V3着に兵庫ジュニアグランプリJpn�U4着のロクイチスマイルがシーズン終了後も北海道に所属したままでの挑戦。北海道から笠松に移籍したタッチデュールは、地元笠松で重賞を2勝してきた。
　こうしたレベルの高いメンバーが揃っての2歳女王決定戦を制したのは、エンジェルツイートだった。
　エンジェルツイートは、とにかくスタートダッシュが速い。ゲートが開いた瞬間、他馬より1馬身ほど前に出たかと思えば、あっという間に後続に3馬身ほどの差をつけた。これを追ったのが断然人気のエミーズパラダイスで、4コーナー手前ではクビ差くらいまで迫った。しかしエンジェルツイートは直線を向いて差を広げ、エミーズパラダイスも食い下がったものの、再び並びかけることは許さず1馬身差で逃げ切った。
　3馬身差3着には大井デビューのショコラヴェリーヌが入り、4着にはレイモニ。上位4頭のうち3頭が北海道デビュー馬で、今年もレベルの高さを見せつける結果となった。
　エンジェルツイートは、前走平和賞で急きょの乗り替わりとなった森泰斗騎手が引き続いて勝利に導いた。管理する森下淳平調教師は前年10月が初出走で、今回は重賞初挑戦での勝利となった。今後の目標は浦和・桜花賞となるが、2012年の南関東牝馬三冠路線はレベルの高い争いとなりそうだ。
　そしてグランダム・ジャパン2歳シーズンの結果は果たして……。1、2着馬は今回がシリーズ初出走のため資格要件を満たしておらず、3着のショコラヴェリーヌが、ローレル賞での2着と併せ17ポイントで優勝。続いて12ポイントで4頭が並んだが、同ポイントの場合は東京2歳優駿牝馬での着順が優先されるため、アスカリーブルが2位、タッチデュールが3位という結果となった。