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『 栄城賞 レース中盤からゴールまで 』




レースも半ばを過ぎる頃、橙色の帽子を被った男は、又しても後ろを振り向きました。この時、彼の視線の先には、間違いなく桃色の帽子を被った男がいました。そしてメイオウセイの山口勲騎手は、二度目の向正面に入る頃、三番手まで位置を上げました。更にその数秒後、桃色の帽子を被った吉田順治騎手の位置を確認、一気に仕掛けました。

メイオウセイ 山口勲


しかし山口勲騎手の一気の仕掛けにも慌てることなく、ゴールドセントの吉田順治騎手は即座に反応しました。まるで互いが、少し長めの紐で繋がれているかの動きでした。吉田順治騎手は、コースを外に持ち出して、メイオウセイの後方2馬身差で追走します。春の飛燕賞の優勝馬が、荒尾ダービーの優勝馬を追いかける展開になりました。

ゴールドセント 吉田順治


ダンツウォッチの新原健伸騎手は、向正面の左端にある第2コーナー後方ポケット地点でのスタートから、二度目の向正面の中間地点に到るまで、終始一貫ゴールドセントを右斜め前に見ています。そして常にその2馬身差前方には、メイオウセイの姿がありました。当然のように、ダンツウォッチと新原健伸騎手も追撃開始です。

ダンツウォッチ 新原健伸


同じくゴールドセントの後ろ姿を、眼前に置き続けて来たのは、リワードシャンヴルと寺地誠一騎手でした。高知からの遠征馬、荒尾ダービーへの挑戦に続いて、二度目の海峡越えを敢行して臨むリワードシャンヴル。そして今回の鞍上は、寺地誠一騎手。彼の決断には、迷いが全くありませんでした。ゴーサインは、既に出ています。

リワードシャンヴル 寺地誠一


一方でこれらの中段グループとは違い、上位人気馬を気にすることもなく、終始十番手でレース中盤を迎えたのは、ウインクルムと吉留孝司騎手でした。ウインクルムは、古馬達との対戦でも上位争いを繰り返すなど、その末脚には定評があります。ウインクルムの剛脚に吉留孝司騎手の手綱捌き、この組合わせは、最後まで目が離せませんでした。

ウインクルム 吉留孝司


第3コーナーを回る頃、メイオウセイとゴールドセントの両馬は、三番手以降の集団を突き放し始めます。そして直線に向いた時点では、完全に一騎打ちとなりました。果たして、「守るが勝ちか、攻めるが勝ちか」。



1着 メイオウセイ    山口勲
2着 ゴールドセント   吉田順治
3着 リワードシャンヴル 寺地誠一
4着 ウインクルム    吉留孝司
5着 ダンツウォッチ   新原健伸

メイオウセイは、体半分差だけ残して、ゴールドセントの追撃を凌ぎました。相棒を勝利に導こうと、持てる力を出し尽くして闘った、山口勲騎手と吉田順治騎手。いずれも幾多の大舞台を経験してきた、腕自慢の両者です。壮絶な直線の追い比べは、迫力満点でした。さすがに実況席から彼らの表情まで見ることは出来ませんが、もしかすると二人とも、鬼のような形相だったかもしれません。この日の最終レースの出走馬紹介後、表彰式の前に行なわれたインタビューで、山口勲騎手は「最後の直線が、長く感じた」と語りました。追われる立場になっていた山口勲騎手にとっては、やはり「いつもより、ゴールが遠く思えた」ようです。そして逆に、追う立場だった吉田順治騎手は、おそらく「今日だけは、ゴールがもう少し遠くにあって欲しかった」と想ったことでしょう。

ところで両者が、後続集団を突き放した頃。私は、最悪の事態に陥ります。自分で勝手に最後の直線の激しい攻防を想像して、興奮してしまったのです。このため実況放送員として必要な冷静さを欠いた状態になり、場景を表現することに集中出来ていませんでした。そして自分の感情を制御していない愚か者の仕事は、お聴き頂いたとおり不様なものです。申し訳ございませんでした。この場をお借りして、お詫び申し上げます。



メイオウセイの手綱を捌いた山口勲騎手は、九州リーディングジョッキーの地位を不動のものにし始めています。今回もメイオウセイに初めて騎乗しましたが、非の打ち所がありませんでした。私は彼のことを、「任せて安心、ミスターほとんどパーフェクト」と呼んでいます。ただ意外だったのは、数多くの重賞競走の優勝実績に加えて、ダートグレードレースの優勝経験もある山口勲騎手が、栄城賞をこれまで勝っていなかったことでした。彼ほどの名手を以ってしても、このタイトルと出逢うのは、容易なことではなかったようです。

メイオウセイを管理している三小田幸人調教師は、荒尾ダービーに続いて、栄城賞も制しました。いずれのレースも、今回が初めての優勝です。これで「九州三冠」のタイトルのうち二つを、わずか一ヶ月の間に獲得したことになりました。残す一つは、秋に行なわれるロータスクラウン賞です。既にご紹介しましたが、これまで全てを制覇したのは、「王様」と呼ばれたカシノオウサマだけです。メイオウセイには、8年ぶりの九州三冠馬誕生に向けて、順調に成長してくれることを願います。「メイオウセイよ見えるか、あれが九州の星じゃ」。

さて優駿達にとっては、生涯で一度しか経験出来ない重賞競走、栄城賞。多くの試練を乗り越え、戦い抜いた優駿。持てる技術を駆使して、相棒を導いた騎手。万全の態勢を以って、愛馬を送り出した陣営。彼らが栄の国で演じた夢舞台、お楽しみ頂けましたでしょうか。ただ若き優駿達の物語は、まだ始まったばかりです。彼らの挑戦は、これからも続きます。どうぞ皆様、ご声援をよろしくお願いします。それでは北は北海道から南は沖縄まで、日本全国の競馬ファンの皆様、今週も地方競馬でごゆっくりとお楽しみ下さい。





第56回東京ダービー

こんにちは。東京ダービーの実況を担当した大川充夫です。

みなさまダービーウィークはご堪能いただけたでしょうか?今年も各地の頂上決戦が全国的な注目のもとに6日連続でおこなわれました。


2日・水曜日にTCK大井競馬でおこなわれた、ダービーウィーク2010第56回東京ダービー、優勝馬はマカニビスティーでした。1冠目の羽田盃で2着(ハナ差)に敗れても陰ることなく集めた圧倒的な支持にこたえました。



第56回東京ダービー、レースは、東京湾カップで復活Vをはたしたマグニフィカの逃げ、羽田盃勝ち馬のシーズザゴールドは好位から、マカニビスティーは後方グループ(うしろから5頭目)からの競馬。隊列全体は縦長になりました。

マカニビスティーは4コーナーでもまだ後方でしたが、そこからの伸び脚は見事のひと言。素晴らしい差し切りを演じて見せてくれました。


わたくしがレースを見ながら何を思いつつ実況していたかというと、


(1コーナー)あれあれ、マカニビスティー、えらく後ろにいるなあ

(向正面)あれあれ、マカニビスティー、まだ後ろにいるなあ

(3コーナー)あれあれ、マカニビスティー、動いていかないなあ

(4コーナー)後続、ちっとも来ないなあ

(直線入り口)逃げ馬=マグニフィカ、残るかもなあ

(直線なかば)あ、マカニビスティー来た、こりゃ差し切るなあ


以上です(非常にカンタンに言えば、ですよ。もちろんほかのことも考えてます。いやホントに)。





マカニビスティーは、ここまで大敗したのは芝生のレース2回のみ。2月におこなわれたJRAヒヤシンスSでは5着に敗れているものの、勝ち馬(バーディバーディ)との差は0秒3。ダート路線では(JRA勢もふくめて)トップレベルの実力保持者と言えます。


東京ダービーの勝ちっぷりは、まさにその実力を見せつけたものでした。


JRA、全国から、実力馬が顔をそろえてさらにハイレベルな戦いになるジャパンダートダービー=JDDは、7月14日、大井競馬場でおこなわれます。たくさんのご来場とご参加をお待ちしています。






協賛JBCsss(順不同)
主催さがけいばみちのくホッカイドウ競馬tck 姫路名古屋(開催日順)