未来優駿2015・第2戦は、門別競馬場で行われた1200メートルのサッポロクラシックカップ。今年は6頭立てという少頭数で争われた。その中で、断然の注目を集めたのが角川秀樹厩舎の牝馬リンダリンダだ。夏場はJRAの芝に挑戦して良い結果が出なかったが、地元に戻った前走のイノセントカップでは、好位から楽に抜け出し快勝。同じ舞台のこのレースに重賞2連勝を狙って参戦してきた。メンバー比較からも当然の人気で、単勝は1.1倍。レース前の心境を「特に何も心配していませんでした」と語った鞍上の桑村真明騎手。その言葉通り、楽勝と言えるパフォーマンスを披露した。
　ゲートが開くと、スピードの違いでリンダリンダがすんなりハナに立った。同厩舎のサムバディトゥラブが外から2番手につけ、3番手の内にサーラジャー。その後ろに2番人気のユアザスター、シュネルバレイと続き、スタートで出遅れたリコーヴィッカースは離れた最後方を追走していた。
　軽快に飛ばすリンダリンダは3～4コーナーから少しずつ差を広げ、直線に入って追い出されると、楽々と後続を突き離し5馬身差でゴールイン。力の違いをまざまざと見せつけて2つ目のタイトルを獲得した。2着は、外から脚を伸ばしたユアザスター、1馬身差の3着にサーラジャーが入った。
　他馬に競りかけられることもなく、淀みのないペースで完勝したリンダリンダの姿に「まさに、テンよし、中よし、終いよし、という馬ですね」と角川調教師は褒め称えた。当初、鎌倉記念（川崎）への出走も考えていたそうで、レースぶりからも距離は伸びても良さそうとのことだ。
　リンダリンダの母クリムゾンルージュは角川厩舎でデビューし、2歳シーズン終了後に船橋・岡林光浩厩舎に移籍。2007年のマリーンカップJpnⅢ・2着など、牝馬交流重賞でも好成績を残した南関東を代表する馬だった。角川調教師によるとリンダリンダは、「レースに行って素直なところ」を母から受け継いでいるとのこと。ちなみに、リンダリンダの1歳上の姉ルージュロワイヤルも、現在同厩舎所属で今年5月のヒダカソウカップを優勝するなど活躍している。
　その角川厩舎の勢いが止まらない。今年のホッカイドウ競馬の2歳重賞で、ここまでなんと9戦中7勝をマーク。10月15日に行われたエーデルワイスJpnⅢでは、1着タイニーダンサー、2着モダンウーマンとワンツーフィニッシュでJRA勢を撃破。今回のサッポロクラシックカップも3頭出しで1、2着を独占した。この近況に「今年は出来すぎだと思いますよ」と角川調教師はにっこり。リンダリンダの次走はローレル賞（11月17日・川崎）の予定で、結果次第で暮れの東京2歳優駿牝馬（12月31日・大井）を目指すことになりそうだ。タイニーダンサーとモダンウーマンは、兵庫ジュニアグランプリJpnⅡ（11月25日・園田）や全日本2歳優駿JpnⅠ（12月16日・川崎）を視野に入れているとのこと。これから年末に向けて、角川厩舎の頼もしい牝馬たちが全国を賑わせてくれそうだ。