直線は南関東2頭の叩き合い
好位で溜めゴール前競り落とす

　グランダム・ジャパン2013の古馬シーズンは、この読売レディス杯からスタート。地元金沢勢6頭は残念ながらやや劣勢という人気で、対する遠征馬6頭のうち、センゲンコスモ（川崎）、エーシンアガペー（兵庫）、デジタルゴールド（名古屋）、アドマイヤインディ（高知）が単勝2～4倍台の拮抗した人気。4頭それぞれが異なる地区の所属であり、古馬女王の座を賭けた争いは、その初戦から興味深い対戦となった。また今年はここ金沢でのJBCを控え、新たにJpnⅠに格付けされたJBCレディスクラシックと同じ舞台で争われるという点でも注目の一戦となった。
　1番人気のセンゲンコスモがつまづいた感じのスタートで、ハナを奪ったのはデジタルゴールド。すぐ外の2番手に大井のメビュースラブがつけ、センゲンコスモはそれでもすぐに内の3番手をキープ。アドマイヤインディも差なく4番手。スタート後は中団だったエーシンアガペーも徐々に位置取りを上げ、3コーナーあたりでは人気4頭に6番人気のメビュースラブを加えた遠征勢5頭の争いに絞られた。
　4コーナーを回ってメビュースラブが先頭に立ち、外に持ち出したセンゲンコスモが並びかけると、直線は南関東2頭の叩き合い。金沢コースを誰よりもよく知る吉原寛人騎手が手綱をとったセンゲンコスモが、アタマ差でメビュースラブを競り落とした。
　直線外から追ってきたエーシンアガペーが2馬身差の3着に入り、「勝負どころでついていけなくなった」（宮川実騎手）というアドマイヤインディは、さらに離されての4着だった。
　「つまづいて出遅れたぶん、気合をつけたので少し掛かってしまいました。スムーズに3番手につけていれば、もう少し楽な競馬になったと思います」とは、勝ったセンゲンコスモの吉原騎手。昨年のこのレースではエーシンクールディの2着に敗れていたが、相手は違うとはいえ、その借りを返すべく結果を出した。またこれまで岩手、笠松などにも遠征し、地元南関東も含めて重賞にはもう少しのところで手が届かないでいたが、そうした遠征競馬で力をつけ、念願のタイトル奪取ともなった。