2009年10月20日(火) 門別競馬場 1200m
直線力強く抜け出し、期待馬が能力開花
昨年、全5戦でスタートした未来優駿だが、今年はさらに2戦が加わり、そのうちのひとつが、このサッポロクラシックカップ。当初は「アグネスタキオン・スーパープレミアム」として、同馬の種付料から賞金の一部が提供される形で行われる予定だった。しかしそのアグネスタキオンが今年6月に急死。急遽レース名が変更されることとなった。
2日後に牝馬によるエーデルワイス賞JpnIIIが行われ、北海道2歳優駿JpnIII(11月5日)の登録馬もすでに発表されていることから、いわばここをステップにホッカイドウ競馬のトップグループに加わろうという2歳馬たちが顔を揃えた。
注目は、7月のJRA認定フレッシュチャレンジを9馬身差で圧勝して以来、これがデビュー2戦目というなるバックアタック。ここまで3勝を挙げているモエレクリューガーが単勝3.2倍の同オッズで並び、票数の差でわずかに上回った後者が1番人気となった。
しかし勝ったのは、バックアタックと同厩舎、4番人気のモエレデフィニットだった。
大外枠から好スタートをきったモエレデフィニットは、控えて4、5番手を追走。直線を向くと前をとらえにかかり、逃げ粘っていたサンサンフロアをゴール前で抜き去った。
2番手を追走したモエレクリューガーは直線後退して6着。スタートでダッシュがつかず後方からとなったバックアタックは、それでも二の脚を使ってすぐに好位にとりついたものの、直線後退して9着だった。
勝ったモエレデフィニットは、デビュー2戦目のJRA認定ルーキーチャレンジを勝ち、続く重賞・イノセントカップは惜しくもクビ+クビ差の3着。中央の芝に挑戦したすずらん賞は、結果的に10着だったものの、4コーナーまでは先行集団にとりつくスピードを見せた。おそらくそこで速いペースを経験したことも生きたのだろう。その後も順調に来られたことが今回の勝利につながったようだ。
血統を見れば、母アヤノミドリは兵庫にサラブレッドが導入された最初の世代で、2000年の第1回園田ダービーを制している。そして3歳上の全兄デスモゾームは、下級条件から7連勝で昨年の大井・マイルグランプリを制した快速馬。3/4馬身差で2着にしりぞけたのは、前年にJBCスプリントJpnIの覇者となったフジノウェーブだった。
今回初騎乗となった坂下秀樹騎手によると、「完成度は70%くらい」とのこと。まさに未来が楽しみになる駿馬の勝利だった。
取材・文:斎藤修
写真:三戸森弘康(いちかんぽ)
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村上正和調教師 |
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