本年8月27日および28日にJRA札幌競馬場で実施される「2016ワールドオールスタージョッキーズ」への出場をかけて地方競馬のトップジョッキーが争う「ワールドオールスタージョッキーズ地方競馬代表騎手選定競走」がSJTです。SJT本戦(第1ステージ、第2ステージ)の計4レースにおける着順に応じた得点の合計により、地方競馬代表騎手が選ばれます。
また、SJT本戦に先がけて、各地方競馬場リーディング次位の騎手等による、本戦への出場をかけた『SJTワイルドカード』が実施されます。
また、SJT本戦に先がけて、各地方競馬場リーディング次位の騎手等による、本戦への出場をかけた『SJTワイルドカード』が実施されます。
※2016ワールドオールスタージョッキーズの地方競馬代表騎手は、地方競馬全国協会が代表騎手1名、補欠騎手1名を日本中央競馬会に推薦し、同会が決定します。
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2戦とも8番人気を勝利に導く 出場2度目の永森騎手に栄冠
スーパージョッキーズトライアル(SJT)2016・第2ステージの舞台は名古屋競馬場。世界の名手たちとの競演、ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)への1枚の切符を賭けて全国から12名のジョッキーが集結した。
当日の名古屋市内は今季一番の暑さを記録。雨天だった第1ステージ(盛岡)とは打って変わって、焼けつくような日差しが騎手たちを迎えた。北海道の五十嵐冬樹騎手からは「今朝の調教の時より20度くらい高いですよ」という話も聞かれ、岩手の山本聡哉騎手、山本政聡騎手も汗でびっしょりになりながらレースの準備をしていた。
第1ステージが終了した時点で、トップは矢野貴之騎手(大井)が26ポイント、2位は山本聡哉騎手で22ポイントと続き、3位から10位までが10ポイント台と全体的に大きな差はない状況。昨年、金沢の藤田騎手が2連勝で優勝したことからも、「大逆転を狙います」という声が多く聞かれた。
第3戦シルバーブーツ賞(1400メートル)は逃げたい馬が数頭いて、まずは先行争いに注目。ゲートが開くと、1番人気馬の田知弘久騎手(金沢)が先手を取りきった。2番手に矢野騎手がつけ、3番手に山口勲騎手(佐賀)、この先行勢がハイペースでレースを引っ張った。
向正面を過ぎると、後方にいた永森大智騎手(高知)が外から上がっていき、その他の騎手たちも手を動かしながら前を追いかけた。3~4コーナーで先行した2頭が失速すると、山口騎手が先頭、そこに永森騎手が2番手まで迫っていた。直線半ばで抜け出したのは永森騎手。ゴール前では、外から的場文男騎手(大井)と、吉井友彦騎手(笠松)が豪快に追い込んで3頭の接戦となったが、クビ差粘った永森騎手が勝利を掴み、2着は的場騎手、3着に吉井騎手という結果。
この日の名古屋競馬はほとんどが前残りの競馬となっていたのだが、このレースは、道中後方にいた3頭での決着。先行した2頭は、11着と12着に敗れた。上位を狙って積極的な騎乗で流れが早くなるという、騎手対抗戦らしい展開だった。
気になるポイント争いだが、20ポイントを獲得した永森騎手が34ポイントでトップに踊り出た。しかし、2位は27ポイントで3人並ぶという大混戦。やはり今年も第4戦が終わるまで全く分からなくなった。そしてほとんどの騎手がポイント差を気にしながら次のレースに向かうものなのだが、1位の永森騎手は順位もポイントも知らずに最終戦を迎えたそうだ。
第4戦シルバーホイップ賞(1900メートル)は、最内枠を利して吉井騎手が先手を取った。2番手に田知騎手が続き各馬は一団。最後方を追走していた川原騎手が2周目の向正面で外から進出を開始。中団の永森騎手も仕掛けて、3コーナー過ぎでは2頭が外から前に迫った。そして直線に入って先頭に立ったのは永森騎手。最後は2馬身半の差をつける快勝となった。2着は、最後に末脚を伸ばした山本聡哉騎手、ハナ差の3着に川原騎手が入った。
なんと、昨年に続き、第2ステージ2連勝で優勝が決まり、その栄冠は永森騎手。第1ステージでは「とりあえず1勝してみたいですね」と言っていたのだが、2戦とも8番人気馬を1着に導いたのだから見事としか言いようがない。「ゴールした瞬間、優勝したんじゃないかとは思いましたが、僕がJRAで乗っていいなのかな、とも思いました(笑)」と、嬉しさと驚きが混同しているような表情を見せた。
永森騎手は、昨年に続いてSJTは2度目の出場。所属する高知競馬では、赤岡修次騎手という大きな存在がいるが、その中で近年ぐんぐんと勝ち鞍を伸ばし、赤岡騎手からリーディングを奪うところまできた。「成績が上がってきた頃はまだ全然余裕がなくて、そこを上位の騎手に付け入られていたのですが、今年に入って馬に無駄な力を使わせないレースができるようになってきました。少し余裕ができたのだと思います」と永森騎手。自身も感じているその成長が今回の2勝に繋がったのだろう。
8月27・28日に札幌競馬場で行われるWASJで、永森騎手はJRA初騎乗となる予定。「未知数ですし、普段通りの精神状態とはいかないと思いますが、しっかり勉強したいと思います。優勝なんて大きなこと言えません。でも優勝めざしてがんばります」。最後まで謙遜気味の永森騎手だったが、札幌競馬場では世界のトップジョッキー相手に、土佐魂をいかんなく発揮してほしい。
当日の名古屋市内は今季一番の暑さを記録。雨天だった第1ステージ(盛岡)とは打って変わって、焼けつくような日差しが騎手たちを迎えた。北海道の五十嵐冬樹騎手からは「今朝の調教の時より20度くらい高いですよ」という話も聞かれ、岩手の山本聡哉騎手、山本政聡騎手も汗でびっしょりになりながらレースの準備をしていた。
第1ステージが終了した時点で、トップは矢野貴之騎手(大井)が26ポイント、2位は山本聡哉騎手で22ポイントと続き、3位から10位までが10ポイント台と全体的に大きな差はない状況。昨年、金沢の藤田騎手が2連勝で優勝したことからも、「大逆転を狙います」という声が多く聞かれた。
第3戦シルバーブーツ賞(1400メートル)は逃げたい馬が数頭いて、まずは先行争いに注目。ゲートが開くと、1番人気馬の田知弘久騎手(金沢)が先手を取りきった。2番手に矢野騎手がつけ、3番手に山口勲騎手(佐賀)、この先行勢がハイペースでレースを引っ張った。
向正面を過ぎると、後方にいた永森大智騎手(高知)が外から上がっていき、その他の騎手たちも手を動かしながら前を追いかけた。3~4コーナーで先行した2頭が失速すると、山口騎手が先頭、そこに永森騎手が2番手まで迫っていた。直線半ばで抜け出したのは永森騎手。ゴール前では、外から的場文男騎手(大井)と、吉井友彦騎手(笠松)が豪快に追い込んで3頭の接戦となったが、クビ差粘った永森騎手が勝利を掴み、2着は的場騎手、3着に吉井騎手という結果。
この日の名古屋競馬はほとんどが前残りの競馬となっていたのだが、このレースは、道中後方にいた3頭での決着。先行した2頭は、11着と12着に敗れた。上位を狙って積極的な騎乗で流れが早くなるという、騎手対抗戦らしい展開だった。
気になるポイント争いだが、20ポイントを獲得した永森騎手が34ポイントでトップに踊り出た。しかし、2位は27ポイントで3人並ぶという大混戦。やはり今年も第4戦が終わるまで全く分からなくなった。そしてほとんどの騎手がポイント差を気にしながら次のレースに向かうものなのだが、1位の永森騎手は順位もポイントも知らずに最終戦を迎えたそうだ。
第4戦シルバーホイップ賞(1900メートル)は、最内枠を利して吉井騎手が先手を取った。2番手に田知騎手が続き各馬は一団。最後方を追走していた川原騎手が2周目の向正面で外から進出を開始。中団の永森騎手も仕掛けて、3コーナー過ぎでは2頭が外から前に迫った。そして直線に入って先頭に立ったのは永森騎手。最後は2馬身半の差をつける快勝となった。2着は、最後に末脚を伸ばした山本聡哉騎手、ハナ差の3着に川原騎手が入った。
なんと、昨年に続き、第2ステージ2連勝で優勝が決まり、その栄冠は永森騎手。第1ステージでは「とりあえず1勝してみたいですね」と言っていたのだが、2戦とも8番人気馬を1着に導いたのだから見事としか言いようがない。「ゴールした瞬間、優勝したんじゃないかとは思いましたが、僕がJRAで乗っていいなのかな、とも思いました(笑)」と、嬉しさと驚きが混同しているような表情を見せた。
永森騎手は、昨年に続いてSJTは2度目の出場。所属する高知競馬では、赤岡修次騎手という大きな存在がいるが、その中で近年ぐんぐんと勝ち鞍を伸ばし、赤岡騎手からリーディングを奪うところまできた。「成績が上がってきた頃はまだ全然余裕がなくて、そこを上位の騎手に付け入られていたのですが、今年に入って馬に無駄な力を使わせないレースができるようになってきました。少し余裕ができたのだと思います」と永森騎手。自身も感じているその成長が今回の2勝に繋がったのだろう。
8月27・28日に札幌競馬場で行われるWASJで、永森騎手はJRA初騎乗となる予定。「未知数ですし、普段通りの精神状態とはいかないと思いますが、しっかり勉強したいと思います。優勝なんて大きなこと言えません。でも優勝めざしてがんばります」。最後まで謙遜気味の永森騎手だったが、札幌競馬場では世界のトップジョッキー相手に、土佐魂をいかんなく発揮してほしい。
総合優勝
永森大智騎手
(高知)
永森大智騎手
(高知)
自分でも驚きの結果です。この舞台で勝てたということはとても良い経験になりました。SJTに出場できたのはやはり雑賀調教師のおかげなので、すぐに報告したいです。まさか自分がWASJに行けるなんて考えてもみませんでしたが、(赤岡)修次さんと同じ心境を味わえるんだなと思うと楽しみです。
総合2位
山本聡哉騎手
(岩手)
山本聡哉騎手
(岩手)
悔いはありません。2連勝されたら仕方ない。でも正直悔しいです。4戦目は1900メートルでしたし、なるべく経済コースを回りました。タイミングや流れのポイントなど永森さんの方が一枚上手でしたね。腕の差が出たのだと思います。まずは地元でがんばってリーディングを獲って、また来年出場したいです。
総合3位
矢野貴之騎手
(大井)
矢野貴之騎手
(大井)
第1ステージで良い位置につけすぎましたね。人間が浮足立ってしまいました。3戦目はペース配分が間違っていたのとコースにとまどったのもあります。トップジョッキー相手ですからさすがに厳しいです。今回初出場で、勉強になりましたし刺激にもなりました。まだまだ勉強しないといけないですね。