本年8月27日および28日にJRA札幌競馬場で実施される「2016ワールドオールスタージョッキーズ」への出場をかけて地方競馬のトップジョッキーが争う「ワールドオールスタージョッキーズ地方競馬代表騎手選定競走」がSJTです。SJT本戦(第1ステージ、第2ステージ)の計4レースにおける着順に応じた得点の合計により、地方競馬代表騎手が選ばれます。
また、SJT本戦に先がけて、各地方競馬場リーディング次位の騎手等による、本戦への出場をかけた『SJTワイルドカード』が実施されます。
また、SJT本戦に先がけて、各地方競馬場リーディング次位の騎手等による、本戦への出場をかけた『SJTワイルドカード』が実施されます。
※2016ワールドオールスタージョッキーズの地方競馬代表騎手は、地方競馬全国協会が代表騎手1名、補欠騎手1名を日本中央競馬会に推薦し、同会が決定します。
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トップジョッキーの争いは激戦 運も味方につけた2名が本選へ
昨年のスーパージョッキーズトライアル(SJT)は、金沢1位の吉田晃浩騎手が負傷のため金沢2位ながら繰り上がりで本選から出場した藤田弘治騎手が、一気の下剋上でJRAのワールドオールスタージョッキーズへの出場権を獲得。今年も夢の舞台を目指す戦いはワイルドカードからスタートしたが、そのレースはとてもエキサイティングなものだった。
昨年のワイルドカードでは次のステージに進めるのが3名だったが、今年は2名に変更となった。これは、昨年は用意されていたワールドオールスタージョッキーズのホッカイドウ競馬所属騎手の枠がなくなったことに伴うもの。また、安部幸夫騎手(愛知)が負傷のため辞退し、代わりに岩手の山本政聡騎手が出場することになった。
そして騎手紹介式には12名の騎手がそろった。長崎県出身の左海誠二騎手(船橋)は「実家の近くですからね」と、佐賀遠征を楽しみにしていた様子。向山牧騎手(笠松)は大ベテランながら「佐賀で乗るのは初めてなんです」と、馬場の感触を心待ちにしていた。
また、赤岡修次騎手(高知)は「今年は佐賀で重賞(はがくれ大賞典)を勝ちましたからね」と言い、大畑雅章騎手(愛知)は「ピッチシフターで好走した場所ですから、いいイメージしかありません」と、ゲンのよさを後押しに。桑村真明騎手(北海道)は2013年に1ポイント差で総合2位だった、それ以来のSJT出場に気合が入っているようだった。
そして阿部龍騎手(北海道)、山本騎手、下原理騎手(兵庫)、吉村智洋騎手(兵庫)はSJT(ワイルドカードも含めて)への出場が初めて。そういうメンバーでは、第1戦ブロンズサドル賞のペースが速くなったのは必然だろう。
逃げ争いこそ1コーナーではおさまったが、スタンドに陣取る地元ファンが「速いよ」と口々にするような流れ。そのなかを逃げたプリエールエスペレは、この馬場を熟知している地元の鮫島克也騎手でも最後は苦しくなったようで、ゴール手前で代わって先頭に立ったのは、下原騎手のカシノレントだった。
鮫島騎手が2着に粘り、その後ろの3着には、差し脚を長く使った山本騎手のシゲルワッショイが入線。インコースに潜り込んで伸びてきた吉村騎手は、10番人気馬を4着に導いた。
続く第2戦までのレース間隔は30分。ズボンに付いた泥を拭き、新しい勝負服に着替えると、もう騎手待機所への移動時刻。パトロールビデオを見る余裕がないほど慌ただしかったが、まだ全員に2位以内のチャンスがある舞台へと気持ちは向かっているようだった。
1800メートルで行われる第2戦は、赤岡騎手のコウザンゴールドが1.5倍と断然の支持を集めていた。そのコウザンゴールドがスタート直後に先手を取ったのだが、そこは鮫島騎手が黙っていなかった。鮫島騎手は前走までコウザンゴールドに乗り、5連勝していたのだ。その強さを知っているからこそ、赤岡騎手の背後から執拗に競りかけていった。
それでも結果としては、コウザンゴールドが2周めの向正面で得たリードを守って勝利。そして2着に後方集団から上昇した山本騎手が入り、3着には村上忍騎手(岩手)が追い込むという展開に、スタンドからは大きな歓声が上がった。3着まで単勝人気順どおりの入線でも、その内容はさすが名手たちの戦いというべきものだった。
ポイント争いのほうは、3着、2着と好成績を残した山本騎手が第1位。第2戦を制した赤岡騎手が第2位となり、下原騎手は赤岡騎手と1ポイント差の第3位だった。
惜しくも次への出場権を逃した下原騎手は、「もったいないとは思いますが、1つ勝ちましたからね。初めてでしたが、いい経験になりました」と言い残して帰宅の途についた。そのほかの騎手も、結果はともあれ笑顔が多く見られたのが印象的で、普段と違う競馬場でのトップジョッキー同士の戦いに、大いに刺激を受けているようだった。
当日の様子はこちら
(YouTube地方競馬チャンネル内)
昨年のワイルドカードでは次のステージに進めるのが3名だったが、今年は2名に変更となった。これは、昨年は用意されていたワールドオールスタージョッキーズのホッカイドウ競馬所属騎手の枠がなくなったことに伴うもの。また、安部幸夫騎手(愛知)が負傷のため辞退し、代わりに岩手の山本政聡騎手が出場することになった。
そして騎手紹介式には12名の騎手がそろった。長崎県出身の左海誠二騎手(船橋)は「実家の近くですからね」と、佐賀遠征を楽しみにしていた様子。向山牧騎手(笠松)は大ベテランながら「佐賀で乗るのは初めてなんです」と、馬場の感触を心待ちにしていた。
また、赤岡修次騎手(高知)は「今年は佐賀で重賞(はがくれ大賞典)を勝ちましたからね」と言い、大畑雅章騎手(愛知)は「ピッチシフターで好走した場所ですから、いいイメージしかありません」と、ゲンのよさを後押しに。桑村真明騎手(北海道)は2013年に1ポイント差で総合2位だった、それ以来のSJT出場に気合が入っているようだった。
そして阿部龍騎手(北海道)、山本騎手、下原理騎手(兵庫)、吉村智洋騎手(兵庫)はSJT(ワイルドカードも含めて)への出場が初めて。そういうメンバーでは、第1戦ブロンズサドル賞のペースが速くなったのは必然だろう。
逃げ争いこそ1コーナーではおさまったが、スタンドに陣取る地元ファンが「速いよ」と口々にするような流れ。そのなかを逃げたプリエールエスペレは、この馬場を熟知している地元の鮫島克也騎手でも最後は苦しくなったようで、ゴール手前で代わって先頭に立ったのは、下原騎手のカシノレントだった。
鮫島騎手が2着に粘り、その後ろの3着には、差し脚を長く使った山本騎手のシゲルワッショイが入線。インコースに潜り込んで伸びてきた吉村騎手は、10番人気馬を4着に導いた。
続く第2戦までのレース間隔は30分。ズボンに付いた泥を拭き、新しい勝負服に着替えると、もう騎手待機所への移動時刻。パトロールビデオを見る余裕がないほど慌ただしかったが、まだ全員に2位以内のチャンスがある舞台へと気持ちは向かっているようだった。
1800メートルで行われる第2戦は、赤岡騎手のコウザンゴールドが1.5倍と断然の支持を集めていた。そのコウザンゴールドがスタート直後に先手を取ったのだが、そこは鮫島騎手が黙っていなかった。鮫島騎手は前走までコウザンゴールドに乗り、5連勝していたのだ。その強さを知っているからこそ、赤岡騎手の背後から執拗に競りかけていった。
それでも結果としては、コウザンゴールドが2周めの向正面で得たリードを守って勝利。そして2着に後方集団から上昇した山本騎手が入り、3着には村上忍騎手(岩手)が追い込むという展開に、スタンドからは大きな歓声が上がった。3着まで単勝人気順どおりの入線でも、その内容はさすが名手たちの戦いというべきものだった。
ポイント争いのほうは、3着、2着と好成績を残した山本騎手が第1位。第2戦を制した赤岡騎手が第2位となり、下原騎手は赤岡騎手と1ポイント差の第3位だった。
惜しくも次への出場権を逃した下原騎手は、「もったいないとは思いますが、1つ勝ちましたからね。初めてでしたが、いい経験になりました」と言い残して帰宅の途についた。そのほかの騎手も、結果はともあれ笑顔が多く見られたのが印象的で、普段と違う競馬場でのトップジョッキー同士の戦いに、大いに刺激を受けているようだった。
当日の様子はこちら
(YouTube地方競馬チャンネル内)
優勝
山本政聡騎手
(岩手)
2位
赤岡修次騎手
(高知)