本年11月30日および12月1日にJRA阪神競馬場で実施される第27回ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)には、地方競馬から代表騎手1名が参加しますが、この出場権を地方競馬トップジョッキーが競う「ワールドスーパージョッキーズシリーズ地方競馬代表騎手選定競走」の呼称です。下記に示しました、SJT本戦(第1ステージ、第2ステージ)の4レースにおける着順に応じた得点の合計により、WSJSの(※)地方競馬代表騎手(第2位の者が補欠騎手)が選ばれます。
また、本年もSJT本戦に先がけて、各地方競馬場リーディング2位(南関東地区は5位)の騎手等による、本戦への出場を懸けた『SJTワイルドカード』が実施されます。
※ 地方競馬代表騎手については、地方競馬全国協会から代表騎手1名、補欠騎手1名を日本中央競馬会に推薦し、同会が決定します。
また、本年もSJT本戦に先がけて、各地方競馬場リーディング2位(南関東地区は5位)の騎手等による、本戦への出場を懸けた『SJTワイルドカード』が実施されます。
※ 地方競馬代表騎手については、地方競馬全国協会から代表騎手1名、補欠騎手1名を日本中央競馬会に推薦し、同会が決定します。
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人気薄での好走が結果につながる
愛知・金沢所属の2名が本戦進出
昨年に続いて行われることになった『SJTワイルドカード』。今年は北海道、岩手、金沢、名古屋、笠松、高知、佐賀のリーディング(8月18日現在)2位の騎手、兵庫は第2位の木村健騎手が出場を辞退したため、第3位の田中学騎手、そして南関東総合第5位の坂井英光騎手、加えて『委員会選定騎手』として、川崎の山崎誠士騎手と愛知の大畑雅章騎手が参加することとなった。
11名の出場騎手のなかにはリーディング経験者が4名いる反面、大舞台に続くスタートラインに初めて立つ騎手も複数。実績十分のベテランと、これから上を目指す若手との戦いであるともいえた。
その舞台は、広大な門別競馬場。多くの騎手が主戦場とする競馬場とはあまりに違う条件だ。そのためか、第1戦のブロンズサドル賞はハイペースとなる展開に。先行争いをした4頭は、いずれも引くに引けないという雰囲気で固まったまま最後の直線に入り、そのなかで3番手をキープしていた向山牧騎手(笠松)が直線半ばで抜け出して勝利した。
「うまく流れに乗れたけど、直線は長かったね」とは、向山騎手。そのほかの先行勢で上位に踏みとどまったのは、1番人気馬に騎乗していた村上忍騎手(岩手)が4着に入っただけで、2着の岩橋勇二騎手(北海道)、3着の坂井英光騎手(大井)は、中団から末脚を伸ばしての上位食い込み。全体的にはいわゆる「前崩れ」という競馬だった。
「こういうレースでは速いペースになりがちですし、案の定という感じですね」と、レースの感想を述べたのは、この日の特別ゲストとしてパドック解説を務めた、元騎手の吉田稔氏。村上騎手も「下げたら中途半端になってしまいますし……」と、厳しい展開に巻き込まれたことを敗因に挙げていた。
第1戦の結果を踏まえつつ、11名の騎手が臨む第2戦は1800メートルの距離。今度は競り合うこともなく、スタートしてすぐに隊列が落ち着いた。しかしポイントを争うのがこの舞台。初戦で4着だった村上騎手が向正面で一気に位置取りを上げて、1着の20ポイントを取りに行く競馬をしたのは、当然のことといえるだろう。ただ、第2戦は前残りの展開。2番人気馬に騎乗した大畑騎手が先行抜け出しの形で勝利し、1番人気馬で中団から差を詰めた青柳正義騎手(金沢)が2着。逃げた山崎騎手が8番人気馬ながら3着に逃げ粘った。
ポイント争いのレースを制するために必要なことは、とにかく大きい着順を取らないこと。スーパージョッキーズトライアルは、ワイルドカードの戦いから、まさにそのとおりの結果になった。
第2戦で1、2着となった両名は、第1戦でブービー人気、最低人気の馬に騎乗して、それぞれ6着、5着に入っていたのである。対して、第1戦を制した向山騎手は、第2戦で8着。各着順に設定されたポイントは、絶妙なサジ加減を発揮することとなり、大畑騎手が26ポイントで第1位。青柳騎手が25ポイントで第2位となって、向山騎手は24ポイントで第3位。門別競馬場での表彰対象は第3位までではあるものの、本戦出場権を得られるのは上位2名だけだ。なんと厳しいギリギリの勝負。向山騎手が「表彰しなくていいよ」と苦笑いしながらやるせない気持ちを声にしたのとは対照的に、『本戦出場権』のボードを手にした大畑騎手、青柳騎手は、次のステージに進める喜びで一杯の笑顔を弾けさせていた。
さあ、これでスーパージョッキーズトライアル2013の役者が揃った。9月25日の船橋競馬場からは、さらに激しい戦いがスタートする。
11名の出場騎手のなかにはリーディング経験者が4名いる反面、大舞台に続くスタートラインに初めて立つ騎手も複数。実績十分のベテランと、これから上を目指す若手との戦いであるともいえた。
その舞台は、広大な門別競馬場。多くの騎手が主戦場とする競馬場とはあまりに違う条件だ。そのためか、第1戦のブロンズサドル賞はハイペースとなる展開に。先行争いをした4頭は、いずれも引くに引けないという雰囲気で固まったまま最後の直線に入り、そのなかで3番手をキープしていた向山牧騎手(笠松)が直線半ばで抜け出して勝利した。
「うまく流れに乗れたけど、直線は長かったね」とは、向山騎手。そのほかの先行勢で上位に踏みとどまったのは、1番人気馬に騎乗していた村上忍騎手(岩手)が4着に入っただけで、2着の岩橋勇二騎手(北海道)、3着の坂井英光騎手(大井)は、中団から末脚を伸ばしての上位食い込み。全体的にはいわゆる「前崩れ」という競馬だった。
「こういうレースでは速いペースになりがちですし、案の定という感じですね」と、レースの感想を述べたのは、この日の特別ゲストとしてパドック解説を務めた、元騎手の吉田稔氏。村上騎手も「下げたら中途半端になってしまいますし……」と、厳しい展開に巻き込まれたことを敗因に挙げていた。
第1戦の結果を踏まえつつ、11名の騎手が臨む第2戦は1800メートルの距離。今度は競り合うこともなく、スタートしてすぐに隊列が落ち着いた。しかしポイントを争うのがこの舞台。初戦で4着だった村上騎手が向正面で一気に位置取りを上げて、1着の20ポイントを取りに行く競馬をしたのは、当然のことといえるだろう。ただ、第2戦は前残りの展開。2番人気馬に騎乗した大畑騎手が先行抜け出しの形で勝利し、1番人気馬で中団から差を詰めた青柳正義騎手(金沢)が2着。逃げた山崎騎手が8番人気馬ながら3着に逃げ粘った。
ポイント争いのレースを制するために必要なことは、とにかく大きい着順を取らないこと。スーパージョッキーズトライアルは、ワイルドカードの戦いから、まさにそのとおりの結果になった。
第2戦で1、2着となった両名は、第1戦でブービー人気、最低人気の馬に騎乗して、それぞれ6着、5着に入っていたのである。対して、第1戦を制した向山騎手は、第2戦で8着。各着順に設定されたポイントは、絶妙なサジ加減を発揮することとなり、大畑騎手が26ポイントで第1位。青柳騎手が25ポイントで第2位となって、向山騎手は24ポイントで第3位。門別競馬場での表彰対象は第3位までではあるものの、本戦出場権を得られるのは上位2名だけだ。なんと厳しいギリギリの勝負。向山騎手が「表彰しなくていいよ」と苦笑いしながらやるせない気持ちを声にしたのとは対照的に、『本戦出場権』のボードを手にした大畑騎手、青柳騎手は、次のステージに進める喜びで一杯の笑顔を弾けさせていた。
さあ、これでスーパージョッキーズトライアル2013の役者が揃った。9月25日の船橋競馬場からは、さらに激しい戦いがスタートする。
ブロンズサドル賞は前の馬には厳しい展開に
結果的にブロンズホイップ賞の1,2着が優勝、準優勝となった。
取材・文:浅野靖典
写真:中地広大(いちかんぽ)、NAR
写真:中地広大(いちかんぽ)、NAR
当日の様子はこちら
(YouTube地方競馬チャンネル内)
優勝
大畑雅章騎手
準優勝
青柳正義騎手