2009年6月2日(火) 門別競馬場 2,000m
遅れてきた大物2頭の叩き合い、アタマ差制し勇躍大井へ
「ダービー」といえば、2歳時から重賞戦線でしのぎを削ってきた馬たちの争いとなるのが普通だが、ホッカイドウ競馬だけはやや状況が異なる。レベルの高い2歳戦線で活躍した馬たちの多くが、中央や南関東に移籍してしまうからだ。
実際に、このレースの翌日に行われる東京ダービーでは、ネフェルメモリーをはじめとする昨年のホッカイドウ競馬での活躍馬が、レースの鍵を握る中心的存在となっている。
そうした状況で行われた一冠目の北斗盃は、今シーズン開幕初日だったこともあり、波乱の結果。しかし開幕から1カ月余りが過ぎた二冠目のここは力関係もはっきりし、9頭立てという少頭数も、実力馬のサバイバルレースとなった。
後続を離して逃げていたムサシに、2、3番手のサンサンヒカリ、アラベスクシーズが並びかけ、スタート後は後方だったフーガも徐々に追い上げてきた。4コーナーで横一線に並んだこの4頭は、北斗盃の1、2着馬、そしてその後に行われた3歳オープン戦の1、2着馬だ。
直線を向くと、フーガ、アラベスクシーズが他の2頭を振り切り、馬体を併せての叩き合い。一旦はフーガが前に出る場面もあったが、最後はアラベスクシーズがぐいっと前に出てアタマ差先着した。
アラベスクシーズは、重賞初挑戦が昨年11月、岩手に遠征しての南部駒賞で3着と好走。以来、約5カ月ぶりとなった北斗盃では1番人気に支持されながらもサンサンヒカリの2着に敗れていた。今回は、距離延長、直線の長い門別コースで持ち味を発揮し、念願のタイトル奪取となった。このあとは北海道代表としてジャパンダートダービーJpnIへ挑戦する。
1番人気に推されていたのはキャリア3戦のフーガだったが、最後は経験の差が出たのかもしれない。勝ったアラベスクシーズの堂山芳則調教師は「フーガはこれからまだまだ強くなる馬だと思いますよ」とライバルにエールを贈った。
ホッカイドウ競馬の2歳シーズン終盤から力をつけ、3歳になってようやく頭角を現してきた2頭での決着だった。
取材・文:斎藤修
写真:三戸森弘康(いちかんぽ)
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堂山芳則調教師 |
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