2009年5月31日(日) 佐賀競馬場 2,000m
内枠で厳しい展開も、ゴール前突き放して二冠制覇
今年もダービーウイークの幕開けとして行われた九州ダービー栄城賞は、単勝支持率75.1%という圧倒的な支持を受けたギオンゴールドが勝利。額にある扇の流星でも注目されているが、このタイトルを制したことで、まさに「栄の国の扇の舞姫」となった。前走の荒尾ダービーに続く九州二冠制覇で、3歳春のこの時期にして早くも5つ目のタイトルを獲得することとなった。
ギオンゴールドは、2歳7月のデビューから通算11戦10勝、2着1回。その数字だけを見れば圧倒的な強さだが、ここまで楽なレースばかりで勝ち進んできたわけではない。今回も馬群に揉まれる厳しいレースとなった。
グレートトップガンがハナを奪い、1周目の3〜4コーナーでタソガレノビギーンが外から一気に進出して2番手、ギオンゴールドはキタサンアースと併走するように3〜4番手のラチ沿いを進んだ。
「山口さんの馬(グレートトップガン)が速いことはわかっていたので、理想は2番手だったんですけど……」とギオンゴールドの倉富隆一郎騎手。佐賀競馬場は馬場の内側が深いため、早めに外に持ち出したかったのだろう。しかし向正面では後続が次々と外から進出してきたため外に持ち出すことができず、3コーナー過ぎではそのまま内から先頭に立った。
そこにラチ沿いぴったりを回って一気に追い上げてきたのが、黒潮皐月賞を圧勝してここに遠征してきた高知のグランシング。直線を向くと2頭の一騎打ちとなったが、最後はギオンゴールドが2馬身突き放した。
「1枠だけは引かないでと調教師に言っておいたんですが(笑)。また(花吹雪賞と)同じ1番枠で、展開も似たような難しいレースになったんですが、馬が強かった」と倉富騎手。
最後に力尽き、2着に敗れたグランシングの中西達也騎手は検量室前に戻ってくるなり「ゴメン」と厩務員に一言。「ごちゃついたところに入っちゃって……」と悔しそうな表情を見せた。
九州ではあらためて抜けた存在であることを示したのはギオンゴールドだが、負けたとはいえ高知のグランシングも今後の活躍が楽しみになる走りを見せた。
取材・文:斎藤修
写真:トム岸田(いちかんぽ)
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九日俊光調教師 |
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