ハイレベルなメンバーで争われる国際GI
2011年から地方競馬初の国際GIとなったように、国内ダート有数のハイレベルなメンバーで争われる。18~21年に史上初の4連覇を達成したオメガパフューム、22・23年は23年のドバイワールドカップGIを制した世界のウシュバテソーロと、競馬界を席巻した馬が勝利を収めた。ここでは14年からの過去10回の結果から傾向を探っていく。
トップクラスの実力馬を擁して参戦してくるJRA栗東とJRA美浦による上位争いが濃厚。ただ、美浦の馬券圏内6回のうち5回は高木登厩舎で、15年の覇者サウンドトゥルーで3回、連覇を達成したウシュバテソーロで2回と、実質的には栗東vs美浦・高木厩舎の構図になっている。また、南関東で3着以内に入った4頭のうち3頭は前走勝島王冠で連対。同レースがステップの地方馬がいれば食い込む余地がある。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 7 | 6 | 7 | 34 | 13.0% | 24.1% | 37.0% |
JRA美浦 | 3 | 2 | 1 | 7 | 23.1% | 38.5% | 46.2% |
南関東 | 0 | 2 | 2 | 59 | 0.0% | 3.2% | 6.3% |
上記以外(海外を含む) | 0 | 0 | 0 | 13 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
3番人気までが9勝を挙げており、連対は15回。馬券圏外数も人気が落ちるにつれて増えているように、基本的には人気があるほど信頼度は高い。5番人気で勝った2016年アポロケンタッキーは2走前のみやこステークスGIIIで重賞初制覇を果たすと、前走のチャンピオンズカップはGI初挑戦ながら0秒4差5着と善戦。6番人気以下で馬券絡みした5頭のうち3頭も前走で連対しており、勢いがある馬は人気以上に好走する可能性を秘めている。なお、5頭の残り2頭は過去の東京大賞典GIで3着以内がある実績馬だった。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 3 | 2 | 1 | 40.0% | 70.0% | 90.0% |
2番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 3 | 1 | 1 | 5 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 0 | 2 | 3 | 88 | 0.0% | 2.2% | 5.4% |
前年の東京大賞典GIや同年1800~2100mのGI/JpnIでの成績と関連性を調べたのが[表3-1~4]。前年の東京大賞典GI・1着馬は4連覇したオメガパフュームが数字を押し上げている面こそあるが、それを差し引いたとしても好成績。対して同2着馬は苦戦傾向と明暗が分かれている。勝利という面で苦戦ぎみなのが同年の帝王賞JpnI、JBCクラシックJpnIの1着馬で、前者は7頭が参戦して1勝。後者は2着が3回あるものの未勝利と、なかなか勝利をつかめていない。
前年の東京大賞典GI・1着馬と同じくらいに注目したいのが同年のJBCクラシックJpnI・2着馬で、8回の出走で5勝をマークしている。また、上位馬の出走がそこまで多くないチャンピオンズカップGI組だけは着順に関係なく好走する傾向。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
前年東京大賞典1着 | 5 | 1 | 1 | 1 | 62.5% | 75.0% | 87.5% |
前年東京大賞典2着 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前年東京大賞典3着 | 0 | 1 | 2 | 3 | 0.0% | 16.7% | 50.0% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
同年帝王賞1着 | 1 | 2 | 2 | 2 | 14.3% | 42.9% | 71.4% |
同年帝王賞2着 | 1 | 1 | 1 | 2 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
同年帝王賞3着 | 0 | 2 | 1 | 2 | 0.0% | 40.0% | 60.0% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
同年JBCクラシック1着 | 0 | 3 | 1 | 3 | 0.0% | 42.9% | 57.1% |
同年JBCクラシック2着 | 5 | 0 | 1 | 2 | 62.5% | 62.5% | 75.0% |
同年JBCクラシック3着 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0.0% | 25.0% | 50.0% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
同年チャンピオンズカップ1着 | 1 | 0 | 1 | 0 | 50.0% | 50.0% | 100.0% |
同年チャンピオンズカップ2着 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0.0% | 66.7% | 66.7% |
同年チャンピオンズカップ3着 | 2 | 0 | 1 | 2 | 40.0% | 40.0% | 60.0% |
同年チャンピオンズカップ4着以下 | 3 | 5 | 3 | 16 | 11.1% | 29.6% | 40.7% |
3着内馬のうち26頭を占めるJRA馬の年齢別成績[表4]の勝利数だけを見てみると、5歳を頂点にした綺麗なピラミッド状の分布だが、5歳以下と6歳以上では、優勝条件に違いが見られた。5歳以下はGI/JpnIで2着が最高だった2015年サウンドトゥルー(5歳)と18年オメガパフューム(3歳)。16年アポロケンタッキー(4歳)は2走前に重賞初制覇を挙げたばかりで、22年ウシュバテソーロ(5歳)はこのレースが重賞初挑戦Vと、GI/JpnIでの勝利がなくても、タイトルを獲得できている。
しかし6歳以上で勝利を収めた3頭を見ると、17年コパノリッキー(7歳)は、同年にかしわ記念JpnIとマイルチャンピオンシップ南部杯JpnI、23年ウシュバテソーロ(6歳)は、同年に川崎記念JpnIとドバイワールドカップGIを制覇と、同年においてダート路線の中心を担うほどに活躍。もう1頭の21年オメガパフューム(6歳)は、同年のJpnIで2着2回。前述2頭ほどではないが一定の力を見せており、自身の庭とも言える大井2000mで4連覇を決めた。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 1 | 1 | 1 | 3 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
4歳 | 2 | 2 | 1 | 9 | 14.3% | 28.6% | 35.7% |
5歳 | 4 | 1 | 2 | 11 | 22.2% | 27.8% | 38.9% |
6歳 | 2 | 2 | 1 | 9 | 14.3% | 28.6% | 35.7% |
7歳 | 1 | 2 | 0 | 6 | 11.1% | 33.3% | 33.3% |
8歳 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0.0% | 0.0% | 25.0% |
9歳 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
前年の東京大賞典GI馬や、同年のJBCクラシックJpnI・2着馬、チャンピオンズカップGIで馬券圏外に敗れていた馬の活躍が目立つ。3番人気までの信頼度が高く、5歳以下はGI/JpnIでの勝利実績がなくても、タイトル獲得のチャンスはあるが、6歳以上になると実績を重視する必要がある。所属別ではJRA栗東と美浦の争いが有力だが、なかでも高い好走率を誇る美浦・高木登厩舎が出走していれば要チェック。
(文・スポーツ報知・浅子祐貴)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。