レースの見どころ
舞台を佐賀に移し、金沢以来となる3年ぶりにコーナー4つの1400m戦で実施されるJBCスプリント(JpnI)。前哨戦と言える東京盃(JpnII)を使った馬たちが有力な構成と言えそうだが、東京盃(JpnII)と、JBCスプリント(JpnI)を連勝した馬は過去10年でいない。その点を考えると別路線組を狙うのもひとつの手だが、そうとなれば南部杯(JpnI)組のタガノビューティー、アラジンバローズ辺りが力的にも妙味ありか。ただ、これまでのレース内容を思えば、東京盃(JpnII)を制したチカッパ、昨年のこのレースの覇者イグナイターが実績的には優勢な感はある。佐賀の小回りコースも味方につけそうだし、ともにコーナーがキツめな馬場も苦手とは思えない。
東京盃(JpnII)で、古馬相手に上がり最速をマークして鮮やかな差し切り勝ち。12戦のキャリアだが、掲示板を外したのは1度のみで、ポテンシャルは相当。伸び盛りの3歳馬で、そこそこ先行できるスピードもあって、どの位置からでも器用に動ける脚質は佐賀の舞台では大きな武器となりそう。今の力の要る馬場も得意としそうだし、スムーズな外目を枠を引いたのもプラス材料とみたい。鞍上の武豊騎手とのコンビも頼もしいし、勢いそのままにダートグレード競走(JpnI)初制覇への期待感は膨らむばかり。
東京盃(JpnII)は58キロの斤量で、終始外目を回らされる厳しい展開。それでも直線半ばまでは見せ場を作っていたし、6月以来のレースだった点を思えば、そこそこ頑張った方だろう。今回は間隔を詰めて使えるし、追い切りも好時計をマークして、前回以上の状態には持って行けてる様子。昨年のこのレースを制した馬だし、実力は言うまでもない。中央馬が相手でも能力はヒケを取らないし、ロスの少ない立ち回りができれば一変する可能性は十分。2022年、23年と2年連続で地方競馬の年度代表馬となり、4歳以上最優秀牡馬と最優秀短距離馬にも選出された兵庫の怪物。自身の立ち回りさえできれば、連覇を達成できるだけのパワーはある。
この馬も東京盃(JpnII)を使って、このレースに。レース経験豊富なベテランだが、近走の走りからも全く衰えは感じないし、先行して粘り強い走りも好印象。距離にも融通が利くタイプで、佐賀の小回りコースにも柔軟に対応できそう。追い切りでも抜群の動きを披露している様だし、仕上がりに関しても不安はなさそう。前走から斤量は56→57キロになるが、馬格はある馬だし、それほど負担があるとは思えない。スッと前目の位置も取れそうなメンバー構成だし、うまく展開がハマってくれれば、一気に首位まで狙える競馬になっても不思議ない。
東京盃(JpnII)で僅差の3着となったシャマルだが、久々の実戦でもあったし、叩いて攻めの動きが良くなったなら順当に上積みを期待できそう。実績上位の存在だし、佐賀コースとの相性も悪くない。持ち前のスピードを存分に生かせれば大駆けがあっても。確実に前のペースは速くなりそうなメンバー構成だし、決め脚鋭いタガノビューティーにも注意が必要。展開が手伝えば上位争いに加わってくる力はある。ヘリオスは年齢的なものもあり、往時の力強さは薄れつつあるが、同馬も叩かれた上積み次第で出番があって良い。
提供 馬物語 永瀬 将尚
注記
当ページの情報は、11月3日(日)17時現在のものです。
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