データ分析 Data Analysis

今年は佐賀の1400mが舞台

今年のJBCスプリントJpnIは、2021年の金沢以来となるコーナー4つの1400mで実施。JRA京都で行われた18年を除く過去10回では、13年の金沢、16年の川崎、19年の浦和を含めた4回が1400mだった。ただし佐賀競馬場は、普段から出走各馬がインコースをあけてレースを進める点が、ほかの競馬場とは少々違うところ。また、地理的に遠征馬の顔ぶれが例年と違う可能性もありそうだ。そのあたりの考慮は必要だが、まずは18年を除く過去10回の結果から全体的な傾向をチェックしてみることにする。

上位人気馬が優勢だが

データ集計の対象とした過去10回の優勝馬のうち8頭は、単勝3番人気以内。しかし2着は5番人気以下が5頭。そして1番人気の3着はゼロとなっている。上位人気馬が優勢であることは間違いないが、1~3番人気が3着までを独占したのは、2015、17、23年の3回で、舞台はすべて大井。その点は覚えておいてもいいかもしれない。[表1]

[表1]単勝人気別成績(JRA京都開催だった18年を除く過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 4 0 4 20.0% 60.0% 60.0%
2番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
3番人気 4 0 3 3 40.0% 40.0% 70.0%
4番人気 0 0 3 7 0.0% 0.0% 30.0%
5番人気 0 3 1 6 0.0% 30.0% 40.0%
6番人気以下 2 2 1 86 2.2% 4.4% 5.5%

JRA馬が中心

好走例が多いのはJRA馬だが、地方馬の成績も上々。2019年浦和ではブルドッグボス(浦和)、20年大井ではサブノジュニア(大井)、そして昨年の大井ではイグナイター(兵庫)が勝利を挙げた。なお、浦和所属で3着以内に入った4頭は、すべて小久保智厩舎。[表2]

[表2]所属別成績(JRA京都開催だった18年を除く過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 5 8 5 29 10.6% 27.7% 38.3%
JRA関東 2 1 2 8 15.4% 23.1% 38.5%
浦和 1 1 2 13 5.9% 11.8% 23.5%
大井 1 0 1 22 4.2% 4.2% 8.3%
兵庫 1 0 0 4 20.0% 20.0% 20.0%
上記以外 0 0 0 35 0.0% 0.0% 0.0%

6歳が好成績

年齢別に成績をまとめてみると、4勝、2着4回、3着3回の6歳が馬券絡みした頭数、勝率・連対率・3着内率のいずれもトップ。4歳も3頭が連対しているが、勝利は2015年コーリンベリーだけ。また、17年以降は、7歳以上が毎年3着以内に1頭だけ入っている。[表3]

[表3]年齢別成績(JRA京都開催だった18年を除く過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 5 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 1 2 0 10 7.7% 23.1% 23.1%
5歳 2 1 3 22 7.1% 10.7% 21.4%
6歳 4 4 3 23 11.8% 23.5% 32.4%
7歳 2 3 2 28 5.7% 14.3% 20.0%
8歳以上 1 0 2 23 3.8% 3.8% 11.5%

前走が1200mまたは1600mだった馬が中心

過去10回のJBCスプリントJpnIは1200mまたは1400mで行われているが、3着以内に入った馬の大半は前走がダートで1200m以下または1600m。ちなみに芝から臨んで3着以内に入った2頭はともに、前走がスプリンターズステークスGI。13年2着のドリームバレンチノは同6着、21年3着のモズスーパーフレアは同5着と善戦していた。[表4]

[表4]前走の距離別成績(JRA京都開催だった18年を除く過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
ダート1200m以下 8 6 5 57 10.5% 18.4% 25.0%
ダート1230~1500m 0 0 0 19 0.0% 0.0% 0.0%
ダート1600m 2 3 4 20 6.9% 17.2% 31.0%
ダート1700m以上 0 0 0 6 0.0% 0.0% 0.0%
芝コース 0 1 1 9 0.0% 9.1% 18.2%

トライアル東京盃との関連性は?

出走馬の前走でもっとも多かったのが、大井1200mで実施されている東京盃JpnII。そこでの成績を着順別にチェックしてみると、東京盃JpnIIとJBCスプリントJpnIを連勝した馬はゼロ。2012年以前は、10年サマーウインド、11年スーニなど連勝した馬が4頭いただけに、傾向の変化は気になるところだ。逆に、東京盃JpnIIで2~5着だった馬が計7勝を挙げているのが特徴的。東京盃JpnII・3~5着馬はJBCスプリントJpnIで2着と3着がゼロとなっている点も興味深い。[表5]

[表5]前走が東京盃だった馬の着順別成績(JRA京都開催だった18年を除く過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走東京盃1着 0 2 0 7 0.0% 22.2% 22.2%
前走東京盃2着 2 0 4 4 20.0% 20.0% 60.0%
前走東京盃3着 3 0 0 5 37.5% 37.5% 37.5%
前走東京盃4~5着 2 0 0 6 25.0% 25.0% 25.0%
前走東京盃6着以下 0 2 1 15 0.0% 11.1% 16.7%

勝つのはこういう馬!

フルゲート12頭の佐賀競馬場が舞台になる今年は、大井で行われた昨年よりJRA馬の出走可能頭数が少なめ。それと地理的要素を考慮すると、単勝3番人気以内のJRA関西馬が有力だろう。そのなかで前走が東京盃JpnIIで2~5着だった馬がいれば、妙味が感じられる存在になりそうだ。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。