データ分析 Data Analysis

“ダービー”への道はここから

2歳中距離戦線の皮切りとなるダートグレード競走として行われてきた北海道2歳優駿JpnIIIが、2020年からJBC2歳優駿JpnIIIとなって回次も改められた。ただし門別競馬場1800mの条件は変わることなく行われており、ここでは前身の北海道2歳優駿JpnIIIも含め、過去10年の傾向をデータで見ていく。

JRA vs.北海道 両者相譲らず

過去10年の出走馬は、大井からの1頭(2020年カイカセンゲン11着)を除きJRAか北海道所属。勝利数こそJRAが7勝と優勢だが、3着内馬の数では北海道の方が多い。ダートグレード競走ではあるがJRA絶対優勢とは言えないレースで、所属の別にとらわれることなく勝ち馬を探りたいレースだ。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 7 3 4 29 16.3% 23.3% 32.6%
北海道 3 7 6 64 3.8% 12.5% 20.0%
大井 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%

北海道所属馬は人気薄を狙え

1番人気がわずか3勝。2番人気以下からも幅広く活躍馬が出ており、人気薄の馬でも決め手があると思えば狙うべき。3連単の平均配当が7万9416円と、まさに穴党のためのレースと言っていい。前出の所属別で見れば、JRAでは3番人気以内の成績【5-2-3-9】に対し、4番人気以下【2-1-1-20】と人気上位の馬が優勢だが、北海道は3番人気以内【0-3-0-8】に対し4番人気以下【3-4-6-56】となっており、北海道勢は人気薄の馬から穴を探るのが良さそうだ。[表2]

[表2]人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 3 1 3 30.0% 60.0% 70.0%
2番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
3番人気 2 1 0 7 20.0% 30.0% 30.0%
4番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 1 0 4 5 10.0% 10.0% 50.0%
6番人気以下 4 3 1 66 5.4% 9.5% 10.8%

480kgを越える馬体重が条件

馬体重480kg以下の馬の優勝はゼロ。3着内率でも明らかに劣勢で、明確なボーダーラインと見ていい。1番人気の馬であっても、20年タイセイアゲイン(JRA・472kgで13着)や19年ヨハネスボーイ(北海道・470kgで8着)がこれに抵触していた。また9番人気のゴライコウ(JRA・506kg)が勝った22年は、他のJRA勢でボーダー以下の馬体重しかなかったエコロアレス(466kgで2番人気7着)とナチュラルリバー(476kgで3番人気8着)が揃って敗退して、3連単は10万円近い高配当。馬体重は、人気にとらわれず活躍馬を探るための重要ファクターになり得る。[表3]

[表3]馬体重別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
460kg以下 0 1 1 18 0.0% 5.0% 10.0%
461~480kg 0 1 5 25 0.0% 3.2% 19.4%
481~500kg 6 4 1 28 15.4% 25.6% 28.2%
501~520kg 2 1 2 17 9.1% 13.6% 22.7%
521kg以上 2 3 1 6 16.7% 41.7% 50.0%

キャリアは多すぎず少なすぎず

波乱が起きるかどうかの鍵を握る北海道勢は、早い馬は4月からデビューし臨戦過程もそれぞれ。そこで、北海道勢につきそのキャリアを調べたところ、活躍レンジは5~7戦とわかった。とりわけキャリア不足の方は、キャリア4戦で挑んだ21年のシャルフジン(2番人気5着)や23年のパッションクライ(3番人気4着)と、人気になっていても馬券圏内に届かなかった例がある。[表4]
また、北海道勢で3着内に入った16頭のうち12頭が、北海道における直近の前哨戦・サンライズカップ(現在は当レースの指定競走)を使われているが、その勝ち馬は過去10年全て出走して【0-2-0-8】と不振。これは頭の片隅には入れておきたいデータだ。

[表4]北海道所属馬のキャリア別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4戦以下 0 0 2 11 0.0% 0.0% 15.4%
5戦 1 2 2 15 5.0% 15.0% 25.0%
6戦 1 2 1 12 6.3% 18.8% 25.0%
7戦 1 1 1 10 7.7% 15.4% 23.1%
8戦以上 0 2 0 16 0.0% 11.1% 11.1%

勝つのはこういう馬!

馬体重480kgを越える馬格のある馬。JRA勢はどちらかというと人気に推された馬、北海道勢は人気薄の馬でキャリア5~7戦の馬から選びたい。

(文・坂田 博昭)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2019年までは北海道2歳優駿として実施。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。