データ分析 Data Analysis

ダート三冠の最終関門

新たに創設された3歳馬による秋のダート頂上決戦。回次は前年まで7月に同舞台で実施されていたジャパンダートダービーを引き継いだ。羽田盃や東京ダービーなど春のJpnIの上位馬や、不来方賞JpnII、レパードステークスGIII組、そして海外の重賞で活躍した馬も加わってくることが予想され、ハイレベルな戦いが見られることだろう。今回は前年までのジャパンダートダービーJpnIの過去10回の結果をもとに傾向をみていくことにしたい。

4番人気以下が5勝

単勝1番人気は3勝、2番人気は2勝で、3番人気は勝利ゼロと、上位人気の信頼度はやや低め。ただ、ジャパンダートダービーは創設から一貫して7月4~14日の間に行われており、季節的なものが影響している可能性は考えられる。ちなみに5番人気以下で勝利を挙げた3頭は、2017年ヒガシウィルウィン(船橋・5番人気)、20年ダノンファラオ(JRA関西・6番人気)、21年キャッスルトップ(船橋・12番人気)。そのうちダノンファラオは2番手から、キャッスルトップは逃げ切りで勝利を挙げた。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回のジャパンダートダービー)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 2 2 3 30.0% 50.0% 70.0%
2番人気 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
3番人気 0 2 3 5 0.0% 20.0% 50.0%
4番人気 2 4 0 4 20.0% 60.0% 60.0%
5番人気 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
6番人気以下 2 1 3 75 2.5% 3.7% 7.4%

JRA関西が好成績

3着以内に入った30頭のうち24頭はJRA所属。そして関西が関東に比べて圧倒的な成績を残している。一方の地方馬は、昨年は大井のミックファイアが1番人気で快勝し、14年は大井のハッピースプリントが1番人気でハナ差2着。3着以内に入った6頭のうち、21年1着キャッスルトップ以外の5頭は東京ダービー(当時は南関東限定重賞)で2着以内の実績があった。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回のジャパンダートダービー)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 5 7 5 24 12.2% 29.3% 41.5%
JRA関東 2 2 3 19 7.7% 15.4% 26.9%
船橋 2 0 1 14 11.8% 11.8% 17.6%
大井 1 1 0 20 4.5% 9.1% 9.1%
浦和 0 0 1 3 0.0% 0.0% 25.0%
川崎 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
上記以外 0 0 0 18 0.0% 0.0% 0.0%

前走体重460~479㎏の馬は勝利なし

前走の馬体重別に成績をまとめてみると前走『460~479㎏』の区分が未勝利で、2着も1回だけと不振。その前後の区分と比較すると、気になるデータだといえる。ちなみに東京ダービーJpnIを制したラムジェット、レパードステークスGIIIの勝ち馬ミッキーファイト、不来方賞JpnII・1着サンライズジパング、海外遠征帰りで参戦があれば注目のフォーエバーヤングは、いずれも前走時の馬体重が500㎏以上となっている(フォーエバーヤングは全日本2歳優駿JpnIの馬体重)。[表3]

[表3]前走の馬体重別成績(過去10回のジャパンダートダービー)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走439㎏
以下
0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
前走440~459㎏ 4 2 1 10 23.5% 35.3% 41.2%
前走460~479㎏ 0 1 3 24 0.0% 3.6% 14.3%
前走480~499㎏ 3 5 3 28 7.7% 20.5% 28.2%
前走500~519㎏ 1 0 1 19 4.8% 4.8% 9.5%
前走520㎏
以上
2 2 2 16 9.1% 18.2% 27.3%

注記:※前走が海外の馬は、国内最終出走時(2走前)との比較

前走から距離延長でも割き引きなし

以前とは実施時期が違うため、参考程度になるが、前走が『1700~1900mの重賞』か『重賞以外』だった馬が比較的好成績。3着内率では前走が『1600m』だった馬が【3-2-4-18】の33.3%と上々で、前走から距離延長となる馬にも注意が必要、というデータが残っている。[表4]

[表4]前走別成績(過去10回のジャパンダートダービー)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走1600m以下の重賞 2 2 3 18 8.0% 16.0% 28.0%
前走1700~1900m
の重賞
2 5 3 23 6.1% 21.2% 30.3%
前走2000m以上の重賞 2 1 3 34 5.0% 7.5% 15.0%
前走が
重賞以外
4 2 1 26 12.1% 18.2% 21.2%

勝つのはこういう馬!

JRAの関西所属で、単勝4番人気以内が有力。前走が1900m以下だった馬にも注目できるが、前走の馬体重が460~479㎏だった馬は割り引きたい。南関東所属馬にも好走例はあるが、今年は春の二冠の結果を考えると少々厳しいかもしれない。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2023年まで行われていたジャパンダートダービーのデータとなります。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。